終焉を告げる禁忌、黒龍ミラボレアス。アイスボーンの集大成とも言うべき、最強にして至高の存在。

禁忌の解禁

先日、モンスターハンターワールド:アイスボーン、最後のアップデートにて”禁忌”とされる伝説の黒龍「ミラボレアス」が実装されました。

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本当に強かった。アイスボーン、過去作ひっくるめて最強と言っても過言ではない存在でした。
実装日、木曜夜から挑戦しては失敗、時間切れの連続で、日曜の夕方にようやく討伐成功。アルバトリオンも相当苦しみましたが、ここまで大変な思いをしたモンスターは初めてでした。
大変だったけれど、諦めるという気持ちは不思議と湧きませんでした。初戦は絶望感でいっぱいでしたが、やればやるほどにゴールに近づいているという確かな実感。絶望から悔しさへ、そして喜びと解放感へと気持ちは移り変わっていきました。勝てない!クソモンス!と叫ぶことは簡単でした。しかしそうは出来なかった。
これまでの僕とモンハンを振り返り、ミラボレアスというモンスターをもう一度考えてみたいと思う。

僕とモンハン

モンハンと僕の初めての出会いはMHP(モンスターハンターポータブル)でした。
当時そこまで人気だったわけでもなく、ゲーム好きな友達がやっていたからやってみた。そんな程度です。
初めてのランポス討伐(森丘)は恐怖そのものでした。操作もおぼつかない片手剣で、あんな小型モンスターに怯え、逃げながら一撃離脱を繰り返していたことを覚えています。
その後アサシンカリンガを作り、なんとかイャンクック先生を倒し、彼が現れました。

”空の王者”リオレウス
待ち受けていたのはさらなる恐怖でした。こんなのどうやって戦ったらいいんだ。全く歯が立たず、友人にアドバイスを貰いました。
「振り向きが早ければ突進。ゆっくり振り向きならブレスだから頭攻撃のチャンスだよ。」
「レウスが飛んだら足元の影に逃げ込んで。閃光玉があればレウスが向いている方向に投げれば落ちてくるよ。」
「巣で寝たら爆弾を頭に置いたらいい。睡眠状態では1発目は3倍になるから。」
これらアドバイスを頭に入れ、回復薬がなくなりながらも最後はなけなしの小タル爆弾でとどめを刺しました。時間切れギリギリで泣きそうな気持から一転、討伐成功時の喜びと解放感。このカタルシスこそがモンハンの醍醐味と知った瞬間でした。

それ以降も、時間切れギリギリで心臓が高鳴って痛くなるようなクエストはたくさんありました。

MHP 村緊急クエ「4本の角
ディアブロス2頭の同時討伐

MHP2 集会所 8 緊急「異常震域
ティガレックス2頭の同時討伐

MHP2G 集会所G★3「武神闘宴
ナルガクルガ、ティガレックス、グラビモス亜種、ディアブロス亜種、激昴したラージャンの大連続狩猟

MHP2G 集会所G★3 「双獅激天
激昴したラージャン2頭の同時討伐

他にもジョジョブラキなどが有名ですが、ソロでやっていた(ソロでしかできなかった)時代の苦労はやはりよく覚えています。

段々とモンハン人口も増えてきて、僕にとってのモンハンはコミュニケーションツールに近いものとなっていました。
発売と同時にみんなで買い、PSPを持ち寄って誰かのうちに泊まって朝までキークエをやりまくる。あーでもないこうでもないと話すうち、親交は深まりかけがえのない友人が出来ました。モンハンのおかげで高校生活は楽しかったと言っても過言ではありません。

しかし、PS2、PSP、Wii、3DSと、シリーズの度重なる対応機種の変更によりモンハン友達を集めることはだんだんと難しくなり、ついには4Gは買わずにモンハンから疎遠になる、といった状態になりました。あれが発売されるまでは・・・

モンスターハンターワールド:アイスボーン

買うつもりはありませんでした。周りにやってる人はいたけれど、据え置き機でのモンハンで、どうやって人と集まるんだ。そんな風に思っていました。

しかしこのPVによってそんな考えは吹き飛びます。この美麗な画質で、ナルガ、ティガ、ブラキ、ジンオウガと戦える。そんなんもうやるしかないやん。というわけでアイスボーンから再びモンハンライフが始まりました。

そしてボイスチャットの存在を知りました。これが思ったよりもよくできており、気軽に友人としゃべりながらゲームができるんです。
正直LINEでよくない?と最初は思いましたが、今日やる?と携帯で確認を取ってからLINEをかけるのと、ゲームやってるみたいだからパーティ誘ってみよ、という敷居の低さは魅力でした。

はじめはワールドをやっていた友人に操作もろもろを教えてもらい、昔のモンハン友達を誘い込みました。かつての高校モンハンフレンズが時を越えて県境すら超えてここに再び集結したのです。これは感慨深いものでした。
そして会社の同期、先輩、後輩にまで声をかけプチ同窓会どころか新たな交流の場としてアイスボーンは機能していました。
顔も知らない僕の友人同士が、画面内でナイス!ありがとう!とやり取りしているのを見るのはなかなかに気持ちの良いものでした。

そんなこんなで、いつのまにかワールド+アイスボーンでプレイ時間700時間。その間に他のことが出来たような気もしますが、いつのまにか過去最長でモンハンをやっていました。ぶっとばしや傷付けの新要素によって、パーティーでの戦略性の幅が増え、自分の役割をよく考えるようになりました。

結果たどり着いたのは、
火力それだけを求めた「大剣
状態異常を主とした「ライトボウガン
これら2つの武器を主に使うようになりました。

歴戦王ネロミェール、アルバトリオンと、モンスターが強くなるほどにパーティでの各自の役割がはっきりと結果に繋がるようになり、それだけ相談も深まりました。
なんだかんだ言っても何回かやれば狩れる。このパーティならね。そんな風に思っていました。

伝説の黒龍 ミラボレアス

アイスボーンの締めくくりとして、ついに禁忌が実装されました。
昔からミラボレアスは裏ボスとして登場し、作中でも頑張って倒した割には村人からの賞賛の言葉はなく、本当に倒したのか?と疑問に思うほどでした。公式攻略本にも「ミラボレアス」の単語は登場しませんでした。
確かに存在するけれど、それを知っているのは自分だけ。不気味なほどにその存在は隠されていました。

しかしそれは意識してやっていたようで、よく分からない存在、それこそがミラボレアスであるようです。

そんなミラボレアスが、モンスターハンター15周年と共に超高画質で降臨。あらゆる準備を整え、いつでもかかってこい状態でした。


しかし、そんな準備はすべて無駄だったと思い知らされました。

圧倒的なまでのブレスの火力、ずっと俺のターンと言わんばかりの行動頻度、殺意に満ちた多彩な攻撃。そしてすべてを焼き尽くす滅びの焦熱球。

防御1000を超えてもブレスでワンパン。30分の制限時間がチキンプレイすら許さない。設置型の爆発マグマで真・溜め斬りまで当てられない。倒れこみでひるみ、追撃で力尽きる。広範囲の扇ブレスで遠距離にもバッチリ対応。屈強なハンターたちがあっという間に溶けていく。強い。

これはいったいどうしたものか。初戦はあっという間に終わり、2回目は頭の1回目部位破壊すらできず時間切れ。まいったな、アルバより強い。

アルバトリオンはやればやるほど簡単になるモンスターでした。わかりやすい行動が多く、見てから対応が可能で、ライトボウガンなら一発も当たらずに討伐が可能でした。

しかしこいつは、、、、
行動の出だしと、次の行動までの隙間ががかなり短いんです。ネルギガンテのノーモーションダイブが強いと言われていましたが、ほとんどの行動があんな感じ。見た時にはもう倒れている。倒れたところに追撃、死亡。

とにかくやって覚えるしかない。なにかを掴んで帰るんだ。そう思って何度も繰り返すと、対応はできるようにはなりますが、今度は第3ウェーブの本気のミラに溶かされる。

力尽き、時間ばかりが過ぎる中で、でもどうしてもやりたくなかったのが攻略を見ることです。なぜかこいつは独力で倒したい、そう思わされました。長年やってきたプライドでしょうか。それとも満を持してやってきたミラボレアスに対する敬意でしょうか。とにかく、倒すまではYoutubeは絶対見ない。そう決めていました。

繰り返すうちに、大ダウンを取れる瞬間が何度かありました。それはバリスタと大砲を使ったときでした。大砲なんてあるだけで大して役に立たない。攻撃した方が早い、そんな考えを見直すべきではないかと気付きました。

そうか、すべてを使って倒せとカプコンは言っているのか。

スタイルを変えました。隠れ身を使って大砲、傷つけ、ぶっ飛ばし、隙を見つけて大砲を詰め、バリスタと移動式バリスタ、拘束バリスタを駆使すると大ダウンが2、3回は取れるようになりました。すると頭破壊が安定するようになりました。

あとは時間との勝負です。シンプルにハンターの実力が試されます。

そうしてようやく討伐が完了しました。「英雄の証」のBGMと共に。

陽気な推薦組のセリフに、以下のようなものがあります。

俺たちが立ち向かうのは、歴史そのものなんですね

うまく言えないけど、「昔」と「今」って本当に繋がっていたんだって実感しているよ

作中でも過去とのつながりが意識されていたようですが、僕自身もこれまでの経験すべてがあってこそ討伐出来たものと感じています。

本当にいいモンスターでした。ありがとうアイスボーン。傑作でした。
願わくばミラバルカンとミラルーツは実装しないでくれ、と祈るばかりです。これ以上の強さは心臓に悪い。




最後に、ミラボレアスの素材から作成できる防具には、このような一文が添えられています。

EXドラゴンヘッド
ミラボレアスの頭防具。黒龍の唸りを思い起こさせられ、幻影に怯え狂死した使用者も。

EXドラゴンハイド
ミラボレアスの胴防具。黒龍の鼓動が感じられ、身に着けた多くの者が悪夢を見るという。

EXドラゴンクロウ
ミラボレアスの腕防具。ふと、この腕が次は自身の命を奪うのではとの恐怖が湧く。

EXドラゴンスパイン
ミラボレアスの腰防具。圧倒的な力を得るが、長時間の着用には命の危険を伴う。

EXドラゴンフット
ミラボレアスの足防具。死してなお、近づく者の心臓を直に握りつぶすような殺気を放つ。

ミラボレアスを倒した日曜日、体重計を測ると1kg体重が減っていました。まさに禁忌・・・


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