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ガラス・グラス年表

MOTHER’s DIAMONDのコレクションは完全受注生産です。
ご来店いただきサンプルをご覧ください。
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本日はガラスの歴史を年表とともに書いていきます

火山の噴火で発生する黒曜石もガラスですが今回は省きます。

<加工されたガラスの歴史>
・紀元前25世紀 ソーダガラス メソポタミア チグリスユーフラテス川から 地中海東海岸シリアにガラス玉が発見されます。このあとエジプトへガラスが渡ったとされる説が有力です。

・紀元前17世紀 インドで色つきのガラスが発見されました。

・紀元前15世紀 エジプトで最も製造が盛んになり色のついたガラスの器は半宝石として高く取引されました。ガラスは贅沢品に含まれていました。

・紀元前12世紀から紀元前9世紀にかけてガラスの製造は中止されているようです。

・紀元前9世紀 シリアとキプロスでガラス製造が復活しました。

・紀元前6世紀 インドで共通の色がついているガラスが発見されます。ちなみにダイアモンドが初めて発見されたのは紀元前7世紀頃のインドです。ガラスに色を付けて宝石の代用に用いられたと考えられています。

・紀元前4世紀 ガラスの製造が中国に伝わりました。

・紀元前3世紀 縄文時代後期の亀ヶ岡遺跡(青森)からガラスが発見されました。日本最古といわています。日本で作られたものか海外から持ち込まれたものか分かっていません。後から持ち込まれた可能性もあるそうです。
→参考文献http://www.tic-mi.com/publ/essay/hoka/0508kishii.pdf

・紀元前1世紀 シリアで宙吹きガラスが開発される。
シルクロードに通り日本に伝わります。青森の亀ヶ岡遺跡から発掘されるまでは弥生時代が日本に持ち込まれた最古のガラスだと言われていました。

・AD1世紀 ローマで吹きガラスで作られたローマングラス(アクセサリー)が大規模製造され世界に広がりました。

・AD3世紀 ササン朝ペルシア(イラン高原~メソポタミア辺り)でササングラスが開発されました。
ササングラスはガラスにカットが施されているのが特徴です
 
・AD4世紀 王室工房を中心に高品質なグラスを開発し輸出されていました。

・AD5世紀 フランスにステンドグラスが出てくる

・AD7世紀 シリアやダマスクス、アレクサンドリアでイスラムガラスが誕生します。
イスラムガラスの特徴はエナメルを使用していることが特徴でサザングラスのガラスをカットする技術とローマングラスの伝統を継承しているようです。
因みにローマングラスは5世紀ごろのローマ帝国の衰退共に消えていきます。

・AD8世紀 飛鳥時代 上流階級でガラスが重宝されました。
正倉院の宝物の一つ白瑠璃碗 円形切子碗ですが、サザングラスであると言われています。

・AD10世紀 北ヨーロッパでカリガラス(炭酸カリウム)が開発されました。
木炭を使用していることが特徴でソーダガラスより硬いです。

・AD12世紀 ステンドグラスに色がつきます

・AD13世紀 イタリアでベネチアグラスができます。
特徴はエナメルも使用しガラスに色がつき、レース調の模様がガラスに施されるようになりました。
ソーダガラスで作られているのでガラスが厚いうちに装飾を施していきます。
形はより複雑になりこの時からグラステーブル、シャンデリア、鏡がムラーノ島で作られました。
技術の漏洩を防ぐために島で囲い込みをしたと言われています。
中世ではガラスが高級品で貴族の宮殿や王族所有の公共施設のみにガラスが使われていました。

・AD16世紀 チェコ ボヘミアグラスが出来ました。
特徴は北ヨーロッパで開発されたカリガラスで作られています。ソーダガラスより硬いことが特徴です。
さらに木炭に酸化マンガンを加えることで消色剤としてしようし無色のガラスを作ることに成功しました。
無色でレース調のガラスが作られベルサイユ宮殿でも飾られています。
ボヘミアグラスはヨーロッパで大流行しベネチアグラスと熾烈な競争が始まります。
 
・AD16世紀中頃 フランシスコ・ザビエルが日本にガラスを持ち込みました。

・AD17世紀 ベネチアグラスの開発地 ムラーノ島から職人が逃げ出しました。

・AD17世紀 ボヘミアグラスに宝石と同様の方法でエングレービングを施しました。
チェコ、プラハで宝石にエングレービングでカットを施していた、カスパル・レーマンの応用でした。
エングレービングは15世紀にドイツで誕生しています。またドイツのイーダーオーバシュタインでは17世紀頃から瑪瑙のカットで有名でした。その他の宝石のカットは19世紀ごろから始まっています。

・AD17世紀 1674年 イギリスでラベンズクロスト氏が鉛クリスタルガラスの特許を取る。

・AD18世紀 1711年~1715年 江戸時代日本で初めて源之丞が吹きガラスを始める
・AD18世紀 1716
・AD18世紀 1764年 バカラグラス誕生 ルイ15世ロレーヌ地方のバカラ村に工場設立

・AD18~19世紀 ボヘミアガラスにジュエリーと似たようなカットを施し宝石の模造として人気となりました。

・AD19世紀 初期 ガラスの工業化が始まります。中期から後半にかけて様々工業方式が生まれます。

・AD19世紀 1834年 江戸切子誕生 金剛砂でガラスを研磨した研磨を加賀屋九兵衛が初めて施す
金剛砂は砂状のコランダムまたはザクロ石を用いたものです。

・AD19世紀 1846年 島津斉興が薩摩でガラスを製造する。島津斉彬の父です。

・AD19世紀 1855年 バカラガラスがパリ万博でグランプリを獲得します。

・1875年 日本に文明開化が起こり西洋のものを率先して取入れる流れが起きます。

・1883年 日本に鹿鳴館が出来ました。ビリヤード、バーなどが設備されそこでグラスなどが使われていました。

・AD20世紀 1905年 アメリカでラバーズ式機械吹き円筒法が開発され熟練工に頼る必要がなくなります。

・AD20世紀 1928年 さらにアメリカで垂直引き上げ法のガラスの開発されるようになりました。
フルコーン引き上げやコルバーン引き上げ法と呼ばれます。

以上がガラス、吹きガラス、機械式になるまでの大きな流れです。

1905年のラバース式が開発されるまでは装飾品も工業用のガラスも必ず職人が関わって作成していました。

個人的に1905年を境に伝統文化や装飾品としてのガラスと、自動車などに使わるような工業用に大量生産されるガラスと完全に住み分けされていったのだと考えています。
この大量生産の副産物で生まれたガラスで作られたワイングラスが安価な価格でお店に並んでいます。

歴史的にみるとダイアモンドやジュエリーとガラスは思った以上に関係があったように感じました。
今回、ざっくりですがまとめてみて弊社で取り扱っているダイアモンドとガラスで作った「製品名ワイングラス、シャンパングラスシリーズ」も相性が良かったです。
やはり、魂のこもった職人さんに作成する方が、歴史的にも文化的にも企業理念にもあっていました。

2024年1月20日
MOTHER’s DIAMOND
BRAND MANAGER


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