前回のnoteつぶやきと関連して、ネオリベラリズムと(左派的)リベラルが同根、ないし同じ穴の貉だということについて、既に人口に膾炙したところかとは思いますが、改めて整理してみたいと思います。

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望月慎(望月夜)

主に経済政策について執筆していきます。 金融、財政、貿易、公共政策などが関心分野です。 Modern Monetary Theory(MMT)支持者。 経済学・経済論→https://note.mu/motidukinoyoru/m/m90e376619260

コメント13件

闘争の場合、容易に政治的闘争で勝利できる場合か、そうでないときに暴力革命に成功する場合でなければ、左派的リベラルにとっての目的というのは事実上達成困難となります。
特に経済格差問題では、富裕層を完全な客体として敵視する態度を取る限り、ネオリベ的な政策を実効的に抑制することは極めて困難となるでしょうし、実際そうなっています。
では歴史上、いかなるときに富裕層課税や政府の巨大化が実現してきたのでしょうか?
これは疑い無く、国家間戦争においてです。まず軍事費の発生とその捻出という形で、政府の巨大化と富裕層課税が進展する。その後、政府予算の民政化、いわゆる置換効果が生じて、大なり小なり再分配構造が強まる、というのが歴史の一貫した傾向です。
ここでは、お分かりの通り、富裕層は客体では全くなく、むしろ国家国民の一員として"包摂"されている。暴力革命でもない限りは、富裕層負担の拡充は、このような包摂の一貫としてしか起こり得ませんし、その基礎になるのは(左派的リベラルやネオリベが口を揃えて非難する)ナショナリズムに他ならない。
福祉国家は、戦争の"余韻"として生まれ、国民国家としての強さに依存するのです。そして、国民国家としての連帯が弱まれば、自然と福祉は弱まっていく。世界大戦が遠ざかり、ナショナリズムの余韻が弱まるにつれ、累進課税が"緩和"されてきたのは、このような政治的力学の結果でもあったわけです。
もし仮に、格差是正や福祉充実も含めた総合的な政府の役割拡大が今後実現するとしたら、その源泉は、「国境に壁を作ろうとする力」にあるのであり、国境から壁を取り払おうとする力は、それは左派的であれネオリベ的であれ、(意図はともあれ)結果として政府拡大を阻止するように働くだろうということが推察できます。
米民主党ではサンダースが負けてヒラリーが出馬し、米共和党ではトランプが出馬を決めたという事実も、暗に上記の議論を反映したものなのかもしれません。(もちろんトランプは富裕層増税には消極的ですが、一方で保護主義や公共投資拡大を好むという驚くべき要素を持っている)
誤解を恐れずにあっさりまとめると、「大きな政府、格差是正は望ましくても、そのためにナショナリズムを許容・推進するのはちょっと……」という左派的リベラルの”素朴な”性向が、結果的にはネオリベへの助力として働いているという構図なんですね。enemy with in、とまで言ってしまうと言いすぎでしょうか?
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