主流派経済学の諸概念

主流派経済学の諸概念についての批判的検討

今回は、主流派経済学の三つの概念について概説し、批判を加えることにする。

その三つの概念とは、「ミクロ的基礎づけ」、「フリードマン・ルール」、「ラムゼーの最適課税理論」だ。

ミクロ的基礎づけは、ミクロ経済学に整合的なモデルを基礎にマクロ経済学の理論を構築すべきであるという指針で、基本的に政府による介入の無効性(及び有害性)を導出する構造を持っている。

フリードマン・ルール(注:k%ルールとはまた別物)は、名目金利がゼロになることが経済厚生上最適であるとする理論だ。こうした考えに則ると、ゼロ金利に陥るようなデフレ・ディスインフレ経済が最適であり得る、という結論が導かれる。

ラムゼーの最適課税理論は、投資収益への課税となるような資本所得税や法人税が経済厚生上非最適であり、投資収益への課税とならない労働所得税や消費税が最適であるとする理論である。

こうした諸概念について整理し、その問題点を解説することとする。

以下の章立てで論じていく。

①ミクロ的基礎づけの概説と批判

②フリードマン・ルールの意義と陥穽

③ラムゼーの最適課税理論の含意と問題点

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①ミクロ的基礎づけの概説と批判

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