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ウリセン編32 あたいと、アウティング 〜ゲイ風俗で働いていたことを家族にバラされた子

「もちぎー、俺、今日付けで辞めるわー」

「え? いきなりね……」

ある日、ゲイ風俗へ出勤する途中、大きな荷物を抱えた同僚が店からちょうど出てきたので声をかけると、そう返された。

ーーゲイ風俗を辞める時、決まりでは無いけれど相当な事情が無ければ《卒業予告》を打ち出して、退店予定日をお客様に告知する

リピーターのお客様も最後に会いに来てくれるし、ボーイからしたら最後の駆け込み需要で稼いでから辞められて得なので、大抵の子が卒業日を定めて辞めている。

「もちぎ、これから指名?」

「えーと、1時間後に予約入ってるけど……それまではヒマよ」

「じゃあスタバ行こーぜ。最後に愚痴聞いてくれよ、……多分、もう会えないだろうし」

彼の表情には憂いとーー絶望にも近い自嘲が浮かんでいたわ。

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2,600字

④ あたいが大学に入学してからベテランとしてウリセン(ゲイ風俗)で働いてた時のまとめです。どこからでもご自由にお読みください👄 また未公開…

今ならあたいの投げキッス付きよ👄