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ウリセン編36 あたいと、ゲイバーが苦手なゲイ 〜マイノリティのコミュニティ



「よーし、清掃終わりましたし、行きますか〜」

「そうね」


時間は21時。ゴミ袋を抱えて、ゲイ風俗の控え室に入ってくる後輩ホモ。
その日、たまたま後輩ホモと同じ時間に退勤できるということもあって、あたいらはゲイバーに行く予定を急きょ立てていた。

当時は普段から頻繁に飲み屋に行くわけじゃ無かった。一応はゲイ風俗に在籍している限り、ハッテン場(男性同士の出会いの場)は利用厳禁だし、ゲイバーにも足繁く通うことは許されていなかったから。

お客様と営業外で顔を合わせてしまったり、個人的な逢引の場になったり(ゲイ業界では店外でお客様と会うことをヤミケンという)、あるいは顔が売れてしまっているだけにトラブルの元になるーーという理由で、店側から容認はされていなかったのだ。

その時は、元同僚がゲイバーで体験入店として入ったばかりのことだったので、まあ一度くらいは顔を見てこいと店長に許しを貰い、目をつぶってもらっていた。

「そうだ、他の子も誘ってみる? あの子と仲良かった子も多いし、みんなで行った方が安心じゃない?」

あたいは控え室を見回す。元同僚と同じ時期に入ってきていたボーイが一人、退店作業(清掃や精算して当日指名分のお給料の計上など)をしていたので、あたいは声をかけた。

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④ あたいが大学に入学してからベテランとしてウリセン(ゲイ風俗)で働いてた時のまとめです。どこからでもご自由にお読みください👄 また未公開…

今ならあたいの投げキッス付きよ👄