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ウリセン編47 あたいと、お局ボーイがゲイ風俗を退店した時の話



「え〜ボネ姉、辞めちゃうの?」

あたいが18歳で東京に飛び出し、ゲイ風俗に入店してから三年以上経とうとしていたある日。

ゲイ風俗の控え室はざわついていた。

それもそのはず、店の支柱であった人間ーーあたいが入店した頃から、店のマネージャーを務めていたお局ボーイのボネ姉が、とうとうゲイ風俗での長いキャリアを終えようとしていたからだ。みんなが残念そうに嘆いていた。

「そうよ、もうあたしこの店に8年もいるのよ。そろそろ潮時よ」

「あれ……でもボネ姉の年齢設定24歳よね? 8年いたなら16歳の頃からになっちゃう。それって違法ちんちんじゃない? ボネ姉いくつなの? てか何歳ごまかしてるの?」

あたいは平手打ちからのエルボーをボネ姉から与えられ、地面に崩れ落ちた。


少し時間が経ってから、あたいはボネ姉と二人で控え室の端から、部屋を見渡して話していた。

「……ボネ姉、ゲイ風俗でお金貯めてゲイバーを開こうとしてたんでしょ? 退店するってことは叶いそうなの? その夢」

あたいが聞くと、ボネ姉は頷いた。

「地方の方でね。お金も貯まったし、この店で不動産のコネクションもできたから……ゲイタウン以外の場所で開業しようと思ってるの

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⑥あたいがゲイ風俗に入店し、古株として店に居続けた頃の話。それと過去の母ちゃんや、自分の話。未公開コラム二つ収録。どこからでも自由にいきな…

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