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腐女子のあんたと、ゲイのあたいの高校生活③




https://note.mu/motigi194/n/n56fbb09db7f2


https://note.mu/motigi194/n/n06f44c65a1d9


◆ 


「もっちーはさ、彼氏欲しいとか思わんの? ふつーあたしらの年頃だとみんな恋人欲しくなるもんじゃん。 あたしも一度血迷っておまえに告白したくらいだし」


高校2年の夏の終わり。バイト先のファミレスの裏で休憩中、カナコはそう冗談交じりに悪態ついてきたわ。

出会ってから一年半、バイトも一緒にし始めて半年。
カナコとあたいはまるで旧知の仲の様な、気の置けない友達になっていたわ。

というのも異性という意識の中にある、恋仲への発展というフェーズがあたいから完全に消えたことにより、ある意味彼女もラクになったんだと思う。


「僕さ、初恋の人が好きやねん。まだその人以外、あんまり考えられへんかなぁ」

ーーそれに当時出会う男たちは、買春相手のゲイだけ。あたいが未成年だと分かりつつもお金を払って性行為に及ぶ、いわゆる《良いオトナ》では無い人たちだったから。当時のあたいには、ますます中学の時の初恋の人が人格者だったんだと再認識させられた。

「その人はゲイ?」

「ううん、ちゃうよ。既婚者で、奥様のことめっちゃ大事にしとったで」

「ふーん……」

カナコは何かを一度言い躊躇い、それから考えて、言葉を選ぶように口をゆっくり開いた。


おまえはさぁ、自分が女だったら、とか、思わなかったん?

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⑤あたいがゲイ風俗のベテランとして働いてた時と、中学の初恋の迷走期と高校時代の友達の話です。このマガジンからでも読み進められる単発モノばか…

今ならあたいの投げキッス付きよ👄