第11号 脳卒中後の痙縮に対する治療②チーム医療として取り組むボツリヌス治療

社会医療法人ささき会 藍の都脳神経外科病院
リハビリテーション部理学療法士 君浦 隆ノ介

ボツリヌス治療後に、どのようなリハビリテーション行うのか、そしてどのような効果が得られるのかを症例を通じて紹介します。 


1章 ボツリヌス治療後に行うべき脳卒中後痙縮のリハビリテーション
2章 世界のボツリヌス治療の歴史と実際
3章 地域包括ケアシステムにおける脳卒中後痙縮治療


はじめに
2025年には世界的には約16億人の脳卒中後痙縮患者が発症すると推計され、世界人口の2人に1人が脳卒中を発症する時代を迎える1)。そして日常生活に影響を及ぼす脳卒中の多様な症状の中で、経過と共に増悪する痙縮の影響は大きい。脳卒中後に生じる痙縮の発症率は約38%2)とされ、脳卒中後の痙縮に対する今後の対策が急務であると考えられる。
この危機的状況であった本邦では、既に欧米諸国では実績のあったA型ボツリヌス毒素製剤(製品名:ボトックス®)が2010年保険承認された。これにより、従来の痙縮治療に比べ、より安全で簡便かつ効果的な痙縮治療が実施できるようになった。
本書は2部作に亘って、「チーム医療として取り組むボツリヌス治療」を紹介している。前編では、脳卒中後痙縮の定義やメカニズム、当院でおこなっているチーム・ボツリヌス治療について、またA型ボツリヌス毒素製剤の効果を高める方法「GA」もご紹介した。
そして後編となる今回は、ボツリヌス治療後に行うべき脳卒中後痙縮のリハビリテーションの考え方から、併用したいデバイスとして、Neuro-Modulation(rTMS, tDCS)、電気刺激療法(IVES, EMS)、装具療法などを紹介する。さらに、実際に当院でボツリヌス治療を行った症例を通し、ボツリヌス治療と理学療法のコンビネーション・セラピーの効果について報告する。また世界におけるボツリヌス治療の実際などを紹介させて頂き、先進諸国がボツリヌス治療に期待する効果の高さを紹介したい。これから我々が直面する超高齢化社会に向けた地域包括ケアシステムの質向上に痙縮治療チームが必要であることをご理解頂けると幸いである。

目次
1章 ボツリヌス治療後に行うべき脳卒中後痙縮のリハビリテーション
Ⅰ 痙縮発生メカニズムから介入すべきイメージ     
1.反復経頭蓋磁気刺激の併用(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation :以下,rTMS)
2.経頭蓋直流電気刺激の併用(transcranial direct current)
Ⅱ 痙縮のメカニズムから介入すべき末梢神経・筋刺激療法
1.電気刺激療法の併用
Ⅲ 治療用下肢装具の使用            
1.脳卒中片麻痺患者の歩行神経メカニズム
2.治療用長下肢装具療法
Ⅳ ボツリヌス治療やデバイスを用いたリハビリテーションとの併用療法
1.症例A(動画2動画3参照)
2.症例B(動画4参照)
3.症例C (動画5参照)

2章 世界のボツリヌス治療の歴史と実際
Ⅰ 世界のボツリヌス治療の歴史           
Ⅱ 世界のボツリヌス治療の実際          

3章 地域包括ケアシステムにおける脳卒中後痙縮治療
Ⅰ 現行の地域包括ケアシステムに潜む問題
Ⅱ 脳卒中後痙縮の地域包括ケアシステム
Ⅲ 脳卒中後痙縮は専門チームのメンテナンスが必要

終わりに

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第11号 脳卒中後の痙縮に対する治療②チーム医療として取り組むボツリヌス治療

運動と医学の出版社

1,080円

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