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恩師の訃報に接して

昨日、尊敬していた恩師の訃報の連絡を受けました。
3月まで勤務していた高等学校の校長先生だった方です。
私の教育観、人生観を築く上でたくさんの学びをいただき、目標にしていた方です。
日本人としての生き方や在り方を、背中を通して教えてくださいました。
ご冥福を祈りつつ、学んだことを記したいと思います。

1.海よりも深く広い愛情


一番印象的なのは、接する人への愛情です。
地域の方々や私たち教員への優しさはもちろんのことですが、特に子どもたちへの愛情はとても表現することはできません。

ある女子生徒の妊娠がわかったとき、私は担任としてどういう言葉をかけていいかわかりませんでした。
しかし、そのときの校長先生は、
「全部応援する。生命は尊い、何の心配もせず元気な赤ちゃんを産みなさい」
とその生徒に向けて話されました。

生徒の立場から言えば、休学や退学を言われるのではないかと不安もあったと思います。
隣で話を聞いていて、自分自身は何を心配してたのだろう、と私自身も安心させられました。

人間としての器の大きさ、優しさを感じ、校長先生のような生き方がしたいと思わされた出来事でした。

2.実践の人


また「実践」ということを学びました。
私が「論語」や「大学」といった中国の古典を読む、という話をしたときです。
「吉田松陰や西郷隆盛は、そのような古典の教えを実践した偉人だ。彼らからも学びなさい」
といって、西郷さんの遺訓を読むように勧められました。
その言葉のように、先生自身も実践の人でした。

私たち教職員が振り回されることもありましたが、決めたことに迷わず挑戦し、経験から学ぶ姿勢からは、多くのことを教わりました。
挑戦に向かうエネルギー源は、日本や将来の子どもたちの幸せのためだったと思います。
次から次に新しい取り組みに挑戦し、様々な経験から更に新しいアイデアを得、次の挑戦に至る流れは、想いを実践によって実現していくサイクルを体感させていただきました。

3.利他の心


先に紹介した西郷遺訓の中にこのような一節があります。
「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難(かんなん)を共にして国家の大業は成し得られぬなり。」

校長先生は、正にこの一節の「命もいらず〜」の人そのものでした。
常に自分のことは後回しで、世のため人のために生きてこられたように思います。
大和魂をそのものでした。

日本のため、日本の教育のため、未来の子どもたちのためにいくつになっても、邁進される背中を見せていただきました。
かっこいい生き様を身近で見ることができ、本当に幸せだったと思います。

私も先生のように、かっこいい生き方を、子どもたちに見せます。
本当にありがとうございました。

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