売れない服をなんで置く~最近のアパレルで思うこと~

僕は衣料品の小売を前職でやっていたし、今も取引先はアパレル企業だ。両親はアパレルを営んでいたし、姉の旦那も丸井。言わばアパレル一家である。

当然衣料品を取り扱っていると流行というものがある。時たまなんでこんなダサイものがあるのって思う人も多いだろうが売れ専ばかり置いてもこれが不思議と売れない。

フレンチのフルコースで全部肉が出ても困るだろうということである。

売場はバリエーションと鮮度が重要である。それは常に新商品をそろえるのではなく魅せ方の問題でもある。ブランドのイメージは当然あるが、そのブランドのイメージでの魅せ方なのである。

さらに言えば、正直期待してなかった商品でも意外と売れたりするものもある。それは流行に加えて地域性だったり色々ある。

じゃあ、様々なヴァリエーションに対応できるよう、たくさん商品置けばいいのかというとそうでもない。フォーエバー21の破たんが代表的ではあるが、大量生産大量消費にも限界が訪れつつある時代になってきたかなと思う。どうせ品切れしないからセール待ち状態になって利益が下がるということだ。

そこで言われるのが、「ストーリー」である。

会社の、ブランドの、商品のストーリーを確り見えるようにしてファンになってもらおうということだ。

だけれど、個人的にはこのストーリーも頭打ちになってきているのかなと思う。勿論大切なことだが。

ストーリーが氾濫しすぎてもう追い切れないのだ。

ちょっと離れた例になるが、例えばtwitterで何万もフォロワーがいてもその実よく追うのは一部なんじゃあないかということだ。

じゃあ、どうすればいいのというと、結局クオリティに戻ってくるのではない方と思う。

いいものを作れば売れる。当たり前のことだ。あとは、顧客がストーリーをSNSで広めてくれる。

しかし、先の大量生産大量消費のムーブメントでいいものを作れるところが減ってきている。

グローバル化しているので、世界相手に商品の競争力があっても資本力が無ければ、続けていけないのだ。

真にクオリティに気づいた時、それを作れる土壌がないということは悲しいものである。グローバルとローカル、このバランスを図っていくことが重要なのではなかろうか。

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