博士論文最終試験

大学院生の博士論文の最終試験を行った。自分が試験を受けるチャンスは人生に普通は一度しかない。二つ、三つと博士号が欲しい人もいるかもしれないが、そのためのプロセスにかかる時間と手間とお金を考えたら少数派だろう。しかし、大学教員という立場だと、大学院生たちの試験に立ち会うチャンスが何度もある。

博士論文はオリジナリティが求められるから、それぞれ個性がある。今日の大学院生は在学期限に近づいてきていて、私の所属する研究科のルールではもうかなりやばい状況だ。しかし、今日はかなり筋の通った説明をしてくれたので、主査としては一安心。あと一息で学位取得である。

しかし、一息と言うが、それがなかなか大変である。最終試験と言いながら、実は最終ではない。大学院生自身がプレゼンをするという意味では最終なのだが、これから主査が研究科委員会で、本人に成り代わってプレゼンをして、同僚の研究科委員たちの投票を受けなくてはならない。これがなかなかの儀式であり、簡単には通らない(こともある)。ここからは主査の仕事であり、手を抜くことは許されない。

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