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一年経ったしモトメルレディオを全曲解説しよう

どうも中路です。
M3も終了し、新作INST_ALLのご感想も続々頂いております。
次はモトメトインテのライブもひかえていますし、来年にはセカンドも出したいと考えています。

前回の投稿でMONI-FACEの話をしましたが、では中路もとめの話も改めて語ろうかと思います。

モトメルレディオ、去年リリースされてもう一年経った僕のフルアルバムです。
ソロとしてスノー・スノー・スノーをリリースしてから長らく構想があったアルバムを、ランブリング・レコーズさんからリリースできるという、個人的に本当に最高の形でのリリースでした。

■モトメルレディオは「陽」

そんなわけで出しましょう!と2015年末にはGOが出て本格的に曲を用意するのですが、欲は出てくるもので、一枚目はTAWでは自分の中で上品にまとめてたポップな音をもっと強く出していこうと考えました。
中路もとめの「陽」な部分を強調しようと。

一枚目は名刺だと思いますし、もちろん二枚目も作りたい。
なので、モトメルレディオで違和感を感じる人も少なくないかも、
とは今でも思っており、実際新しく知ってくれた人も多くすごく嬉しいけれど、もっと「陰」な曲をいれてもよかったなとは思うアルバムです。
なので二枚目はすごい暗い曲多めにしたいと考えています。

■モトメルレディオというタイトル

それでは長くなりましたが解説に入るとして、
モトメルレディオってタイトルなんなんだよと。自分も思っています。
もともと「求める」という言葉とかけてなんかかわいいので
「モトメル」というワードを使いたくて、加えて自分が学生時代すごく元気をもらった「ラジオ」を意識したコンセプトにしようと、このタイトルにしました。

ラジオは同じチャンネルにあわせていると、みんな同時に同じ曲を聴ける。
そのイメージで、ジャケはラジオを中心に本来別々の場所にいる人たちが、ラジカセの前に集まっている構図になっています。
あの曲が流れている瞬間、バイト中のひともいれば、
買い物中の人も、猫の写真を撮っている人もいる。
そんなイメージです。

■それでは解説スタート

01 RADIO On Air!!!(Instrumental)
その名の通り、ラジオのオープニングをイメージした曲。
番組名をアルファベットで言ったりするのはそこを意識しています。
最初のループ終わったぐらいからパーソナリティが入ってきそう。

02 ネコノテ・カミダノミ feat. 砂糖子
アルバムの代表曲ともいえるMVにもなった曲です。
カットアップ風に聞こえるピアノ音色をベースに、
素材のサンプリングを多用してドラムも裏拍でスネアが鳴ってて
とにかく賑やかな曲です。間違いなく自分の曲で一番明るい。
歌詞もなんの影もない十代の片想いを猫に神頼みするという、
シンプルシリーズTHE青春な歌です。
我ながら聴いてて巨大な金平糖で顔を殴られているような気持ちになります。

なおこれを作って以降、明るい曲と乙女な歌詞を書くと
翌日すごいネガティブになるという「ネコノテショック」を
発症するようになりました。

03 セーシュン・チューナー feat. いとい
ミクさんで作った曲を歌唱してもらったもの。
ネコノテと同じレベルで巨大金平糖ソングで、あえて全く捻りのないテクノポップ?です。
作った当時、音場の作り方がわからなくてトラック数が100を超えた曲。
共通の好きな音楽をダシに男の子に近づこうとする女子の歌ですね。
自分の曲もそうなったらいいな、という気持ちで作りました。
報告されたらお祝いしながら金平糖で殴りますけどね。

04 キョウソウ・リセット feat. Lency
超好きな小説と、アニメ映画をイメージして作った曲。
歌詞はイメージした小説にならってループもの、タイムトラベルもの
なのですがそれを表現するためコード進行は変化せず、
時間の干渉のような巻き戻しやピッチアップ、ストップを多用しています。
また、タイトルのフレーズも発音は一緒なのですが歌詞のみ
「競争」「狂騒」「協奏」と変化するのも、
「枠組みが変わらないままの歴史の改変」みたいなのを
表現するために使い分けています。
韓国のボーカリストLencyさんの可愛いけど透明な歌声が
テーマにぴったりだと個人的に思っています。

05 SHERBET SPEAKER(Instrumental)
「夏の傾向、夏の対策」に収録された曲。
夏の海の砂浜に置かれたラジカセのシャリシャリした音、
砂を踏むシャリシャリした音、
夏といえばシャーベット、シャリシャリしてる。
よっしゃシャーベットスピーカー!!!!!

夏を感じる涼し気な曲を作りました。

06 ウミノ・ムコウ feat. Lency
同じく「夏の傾向、夏の対策」に収録された曲。
涼しいハウスが作りたくなって作った曲でもありますし、
メロディがお気に入りの曲でもあります。
すこしだけふしぎぃ~~~のとこが特に。

夏に海に行くのに彼氏が悩んでるのでやけくそ気味に
ポジティブなことを言っている女の子の歌です。
サイエンスフィクションほどなくていい、
私たちには「少しだけ不思議」ぐらいでちょうどいいよね
という小規模でラブラブな歌です。
このカップルにも金平糖を差し上げたい。

07 東京ディスコフィーバー feat. 山本梨乃
2000年前後ぐらいにやってたアニメのED曲で、
明るいボーカルが明るいテンションで東京の悲哀を歌ってる
曲があって、その曲にインスパイアされて作った曲。

上京してきた女の子が東京に染まっているけど、
その寂しさに耐えきれないときはクラブで踊っている。
普段よりもちょっともっさりした音像のトラック。
ギターは田舎娘っぽさを、ピコピコは都会っぽさとノスタルジーを
どちらもFoilverbさんに協力してもらい組み立てました。
自分が上京する前に思ってたイメージを増長するため、
歌詞の元ネタになった曲がけっこうあります。
元ネタが全部わかった人とはぜひ飲みたいです。

08 ふわふわプラネット feat. 砂糖子
砂糖子さんがゆるいラップするの最高じゃない?
というのありきで、設定を考えた曲です。

実家でこたつの中で寝落ちしたとき宇宙遊泳してる夢を見たので、
そのイメージで、好きな人とLINEとかで通話しながら寝落ちしちゃった、
みたいな歌です。

ディスコっぽいトラックとユルいラップに安っぽいストリングス。
六畳間に収まるような壮大な音場を目指しました。
ちょっと自分でも何言ってるかわかんないです。

09 スノー・スノー・スノー feat. コシモトユイカ
思い入れありすぎる曲。今の自分を作った曲でもあり、
同時に時間がなさすぎて生まれた曲でもあります。

実はもともと、とあるコンテストに送ろうと思って書いていた
曲なのですが、いろいろあってボーカルさんが歌唱不可に。
その後、友人から紹介してもらった友人の妹が
コシモトユイカ嬢です。

追い詰められたゆえのアレンジと
コシモトユイカさんのボーカルがあって
はじめて成立した楽曲だと思います。

歌詞はクラブミュージックを聴かない男の子が、
クラブ大好きな女の子に誘われて雪が降る日に
クラブイベントに行く話。男性視点です。
自分の知らないものと、好きな女の子の知らない一面がダブる感じ。
なんとなくなんですけど、自分が知らない音楽を
紹介されたり知らない場所に連れて行かれるときって
「その人の空間」とか「その人から発信されるもの」みたいな
認識があり、その情景を書きました。

余談ですが、以上の事以外あんまり考えずに歌詞を書いたんですが、
読み直すとすごいマゾヒスティックな言葉選びな気がして
自分の中の闇を自分で感じました。

10 Inaudible Girl
直訳すると聞き取れない女子。
スノーとどうしても並べたくて収録。
曲調はプログレッシブハウスよりです。
ボコーダを通して自分が歌いました。

クラブで鳴っているヒットナンバーって
音響や言語の問題で歌詞が何を言ってるかわからないですよね。
そこから着想を得て、ほとんどがでたらめな言語で歌っています。
キメのところだけ何故か聞き取れる、「All Night Longは解る」みたいな。
転じて「理解不能なあの娘を理解したい」というコンセプトで作った曲で
結果スノースノースノーとは共通した意味合いの曲になっています。

11 上昇ガール feat. コシモトユイカ
スノー・スノー・スノーに続き男性視点ソング。
スクールカースト高めのなんでもできる系女子というのは
どのクラスでもいるもので、古い表現ですが
クラスのマドンナ、なんて呼ばれたりします。
そういう娘というのは眩しく見えるもので、
体育祭になるとチアや応援団なんかを気合い入れてやったり
するものだと思います。

この楽曲の主人公は成績でも人気でも彼女に及ばない、
けれどもそんな遠い存在の彼女はたまに、
とくに取り柄もない自分にも優しくしてくれる。
その人一人で風向きを変えてしまうような人間は
憧れであり、宿敵であり、嫉妬の対象であると自分は思います。

そんな彼女、すなわち上昇ガールに勝とうと努力することで
「どうせ自分なんて」と人より半歩後ろを生きるやり方を
自分なりにぶっ壊したい、と思っている。
そんな男子の歌です。

青春とは恋でも部活でもなく、何かを得るために一度
自分を否定することだと思います。
これはそういう曲です。

思い入れのある曲なのもあり、
コードやメロディがかなりお気に入りの曲です。
アレンジ面はいつも通りといえばいつも通りです。

12 WAVER feat. 山本梨乃
シンプルでアッパーな曇りのない曲を作りたいと思ったのですが
普通すぎてもアレなので、DYES IWASAKIくんに編曲してもらった一曲。

彼は自分より曇りのない壮大な音を作るので結果締めにいい曲に生まれ変わりました。
山本さんのボーカルも相まって中路曲屈指のさわやかさです。
DYESくんとは付き合いも長いので、クセを理解しまくってくれてるのもあって
とんでもなくアルバムに馴染んだアレンジをしてくれました。

それに伴って普段より壮大な、デカいことを言っています。
いつもは手の届く範囲の細かいことをテーマに歌詞にすることが多いのですが
この曲はとにかく概念的というか広い世界で
なにかを切り開く!みたいなテーマになっています。

■解説終わり

さて、こんなかんじでしょうか。
異常なボリュームで申し訳ないです。
細かいことを言えばまだまだあるのですが、
この文章を読んで、また聞きたいなって思ってもらえたら本懐。
今年も色々とリリースしましたが、来年もさらにいろいろなことを
やると思いますので、何卒中路をよろしくお願いします。

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