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看板ボーカル砂糖子と振り返るTAW5年の歩み

こんばんは、中路もとめです!
先日自分の主催するコンピレーションCD「Tokyo Audio Waffle」シリーズの五周年を記念するアルバム。「Tokyo Audio Waffle ~5th MINT CHOCOLATE~」が発売されました。


もとは同人で企画として始め、気づけばRambling Recordsに拾っていただき、自主制作盤含めると10枚を超える、5年も続くシリーズとなりました。

今までTAWを聴いてきてくださった、追いかけてくださった皆様へ感謝の気持ちを込めて解説記事を書こうかなと思っていたところ、中路もとめがTAWの企画で招いている看板ボーカルの「砂糖子」さんが楽曲の思い出をたくさんツイートしてくださいました!
そこで今回はそのツイート紹介とともに、各楽曲の作曲側からの解説もいれた紹介記事を書いていこうと思います。年末のお供に、ぜひ楽曲を聞きながら読んでくださると嬉しいです。

■■Caramel Macchiato(キャラメルマキアート)■■

まずはTAW最初のコラボレーション、記念すべき一曲目「Caramel Macchiato」、TAWは最初にアイディアのもととなったTokyo Waffle#とこの曲から始まったといっても過言ではありません。

同時に、中路もとめという名前を持って音楽を始めた最初の一曲なので思い出深いです。歌の入った楽曲をそれまでそこまで作ってこなかった自分がはじめてポップスらしいアプローチと向かい合った楽曲で、砂糖子さんもおっしゃってる通りかわいいを詰め込んだ楽曲です。
かわいいメロディにかわいい歌詞、真正面から可愛い音、そういう自分なりの王道を表現するため、全力で向き合い、それに砂糖子さんが応えてくれた思い出深い一曲です。

あと歌詞がんばった。はじめてあんなかわいいこと書きました。今はすごく楽しくかけるのですが、当時は「乙女心わかんないなぁ」と思春期男子全開で歌詞を書いていました。

■■Frozen Berry(フローズンベリー)■■

2nd、夏のアルバムに収録されているラップハウス系楽曲。
夏のアルバムではかわいい!というかんじよりどこか切なかったりオシャレな夏感を描きたく、megsisさんのMint Frappeとセットで、エモかわいいことをしたくてがんばった一曲。Caramel Macchiatoよりは得意なアプローチでしたが、とはいえポップに聞かせるために試行錯誤した一曲。
作詞で野崎りこんさんにも参加してもらい、エモいラップフレーズと和メロ全開のサビがいまでもお気に入りです。

それまでかわいい系ラップみたいなのは挑戦したことなかったのですが、砂糖子さんの隠れた才能として、非常にリズム感がよく、砂糖子ボーカルだったおかげで楽曲として成立したような気がします。

当時、茹だるような暑さの中、バイトの休みの日に作ったこの曲を出勤中の電車で何度も聴いたり、当時一緒に活動していた別ユニットのメンバーに相談を繰り返しながら楽曲を作り上げていました。それまで避けてきた和の要素とこれまで得意だったガチャガチャしたドラムのハウス、苦手と得意に挑戦し、「もっといろんなポップを作りたい」と思った楽曲です。

■■HOT CHOCOLATE(ホットチョコレート)■■

中路サウンド的な感覚がだんだんつかめてきて、作るのが更に楽しくなってきた4枚目、冬のアルバム収録曲。砂糖子さんも言っている「12月のパレード」というフレーズが印象的です。自分で言うのもなんですが、アレンジも歌詞も「狙ってこうする」というのがしっかりできている曲で、印象的になるように入りのフレーズも、すごく考えて書いた印象です。

歌詞は大学生の恋というか、Caramel Macchiatoで乙女~~って恋に恋してるかんじだったので、もうすこし小規模だけど素敵に映っている曲を書きました。ピチカート5で「お金はないけど」ってフレーズがあったり、山下達郎さんの「パレード」という曲が好きで、冬のイルミネーションや商戦で飾られたきぐるみや看板を人がごった返した道を歩いているときに眺めていて、「彼女と歩いたらこういうのも素敵に見えるんだろうか」なんて考えたことが歌詞のきっかけになっています。

こたつもないしお金もない、けどそんな部屋で彼氏と飲んだ少し高めのホットチョコレートが一人で飲むココアよりとても美味しく感じた。
それを思い出すと一緒にいたいなぁと思う。そういう内容の曲です。

ちなみに自分はクリスマスはこのCDの告知に追われていた気がします。
あと当時はキーとか雑にしか考えてなかったんで砂糖子さんには地獄の戦いを味あわせてしまいました。最近は気をつけてます。歌ものの勉強不足を実感した曲でもあります。

■■Guava Tonic(グァバトニック)■■

少しだけこれまでと方向を変えて渋めに攻めた二年目の自主CDシリーズ、夏の一枚から「Guava Tonic」。TAW四季シリーズの商業版が決定し、出し切った感がある中、二年目ということもありリッチな音や軽快なサウンド、80s的夏の雰囲気を出したくて作った一枚。

その中でもかわいい系なのにアダルティでハウスらしさをもった曲を作りたくて書いたのがGuava Tonic。歌詞は大人でも弾けちゃう!みたいないい意味の馬鹿っぽさを描きたくて、なんだかエッチな内容です。車で旅行してオシャレなホテルではめ外す、という理想的サマーバカンスへの恨みつらみを思いつく限りオシャレに裏ごししたらこういう曲になりました。

低めな砂糖子さんボーカルけっこうエモいと思うのですが、本人的にもう一度挑戦したい感もあるようで、自分もこれ系また作りたいなーと思う次第。

■■Profiterole(プロフィトロール)■■

エモい曲作りたい気分でエモくなりすぎてアレンジ力追いついてない作り直したい曲ナンバーワン、反し、中路の曲では珍しい路線なのもあり意外と好きな人の多い曲でもあり、いろいろと思い入れのある曲。

東京に出た彼と、片思いのまま地方に残った主人公。
彼の思い出話から見てる景色は自分には関係なく、もどかしさがたまり、彼が優しさのつもりで買ってきた妙に高そうなシュークリームに腹が立ってくる。それを繰り返すうちに感情が爆発し、勢いで思いを伝えてしまう。という筋書きのドラマっぽい内容。

キーを変更したりコードいじったり展開をかえたりしていくうちに迷走し今聞くとミックスに難がありまくりなのですが、しかしそれをもって有り余る衝動がある曲だと思います。包み隠さずその時書きたい曲やテーマをやれたという意味で重要な曲であり、二年目のラストを飾る上で隠れた重要な楽曲だと考えています。

エレクトロニカ的なアプローチからふわっとしたサビ、最後はバンド的に金物とギター系の音が鳴り響くなど、細かい演出が多く「下手でもやりたいことをやる」という不器用さが剥き出しです。そういう部分大事にしなきゃな、と今聞いても思う楽曲。これまでの方向性を全て詰め込んだ集大成のシナモンロールと対象的だったのもよく覚えています。

■■ICHIGO MACARON(イチゴマカロン)■■
■■Cranberry Juice(クランベリージュース)■■

2015年三年目に二枚組でレーベルからのオファーで制作したアルバムより砂糖子さんボーカルの二曲。明るくシンプルな曲と、暗く切ない曲。
この二曲は対照的になるようにお願いしていて、ICHIGO MACARONでは初めて同じフレーズをずっと繰り返す系の曲を作りました。サビ全部同じフレーズという曲はすごく憧れがあって、中毒性といいますか、脳にこびりつく感じをめざし、かわいいワード連呼でオケも軽めでシンプルなものをめざしました。砂糖子さんの全力キーでの歌唱がハイテンションな心持ちにマッチしてると思います。

Cranberry Juiceは通称「百合が死ぬ曲」。
学校という閉鎖された環境で孤立した二人の女子、お互いを想い一番悲しい結論を出してしまう、というテーマはけっこう個人的に心理や描写を書きたい曲でした。楽曲自体は2010年にTAW活動の前に実験的に作った曲がベースとなっていて、淡々と進む空気に暗雲を増してもらうため、Foilverbさんにギターアレンジを手伝ってもらいました。

浅く楽しい曲も、歌詞や世界観で深読みする曲も等しく楽曲として面白いと思い、一つの企画で両方を描けたのはすごく意義のあることでした。

あと、余談ですが同アルバムにはチャリで帰宅中に冷蔵庫に入ってるゼリーを食べるのが楽しみ!ってだけのテーマを書いた変な曲「フルールゼリー」という曲もあります。テンションの差を楽しんでくれたら幸い。

■■新曲 Custard Danish(カスタードデニッシュ)■■

そんでもって今回五周年新作の新曲「カスタードデニッシュ」。
実は最近はネコノテ含めソロアルバムをつくってから曲の方向性というか、世間のかわいいの基準変化を感じていて、自分もノリを行き来したり、やりきった感を持って好みの音楽の方向性にシフトしていたのですが、やはりこんかいはTAWということで、がんばってキャラメルマキアートやホットチョコレートにつながるようなテンションを目指しました。

フレーズあり、ラップあり、ハイテンションあり、で明るいサウンドになっていますのでぜひ聴いていただけたらと思います。

シュガれバターで恋のパンチ、というワード。けっこう気に入ってる。


■そんなこんなで

そんなこんなで、TAWシリーズの砂糖子ボーカルについて細かく書いていきました。思えば五年ってけっこう長くて、しかし中路もとめはまだ五年なの?というかんじもして少し不思議です。音楽歴の半分をTAWとともにきたと思うと、自分の大事な歩みであり、すごく大切な要素に感じます。

その中で一緒に五年間歩んできたメンバーである砂糖子さんは本当に感謝しか無いです。サークルに招いたわけでもないのですが、勝手にレギュラーと言うか、同じ船に乗っている仲間という気持ちでここまで進んできました。

それだけに感じるものがあったというのが救いで、続けてよかったと思えました。リスナーの皆様からも「待ってたよ」と好意的な意見をいただけて、本当にやってよかった、がんばってよかったよと思える五周年アルバムになってます。

これが10年とかになったら泣いてしまうかもしれない。

小さく、しかしどんどん大きくなるTAW、サウンドのクオリティは上げつつ、しかし変わらないものは変わらずみなさんの「ちょうどいい」になれるように、これからもたまに開店しては新メニューを増やしていきたいと思っています。同時に、新しいことへの挑戦もしていきたい。

長くなりましたが、五年間の感謝と、思い出語りはここまでに、「Tokyo Audio Waffle ~5th MINT CHOCOLATE~」、ヴィレッジヴァンガード他、amazonやダウンロード版など多数形式で販売しております。

今後とも、中路もとめをよろしくおねがいします!

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