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パイプタバコという趣味

 パイプタバコというと知ってはいるがやったことはないとか、マイナーな趣味という感じがするかと思います。正直、私もパイプタバコを趣味にしているという人にはあまり出会ったことがありません。そんなマイナーな趣味であるパイプタバコについて色々な人に少しでも知って欲しいので、私がパイプタバコを始めた経緯やパイプタバコについて思ったことを書いていこうと思います。

・パイプタバコを始めたいきさつ

 私の父は多趣味な人で、パイプタバコもその中の一つでした。私も父に似て興味の幅が広く好奇心も旺盛なので、二十歳になったときにパイプタバコを教えて欲しいと父に頼みました。

父は、まずはこれからはじめたらいいとキセルを勧めてくれました。

キセルは日本に古くからある喫煙具で時代劇なんかで見たことのある人は多いと思います。本来キセルは「刻みたばこ」というものを吸うものですが、父は手巻きタバコ用のシャグも吸えるのだといいます。

手巻きタバコは、映画「パルプフィクション」の中でヴィンセントが吸っているアレ。吸いたくなったらその場で巻くお手製タバコのことで、刻たばこよりもたくさんの種類があり、フルーツのフレーバーがついたものなんかもあります。

キセルの方が小さく値段も手頃で、手軽に吸えるので、まずはこれで練習してみろということらしい。

新宿のkagayaで二千円ぐらいのキセルと千円ぐらいのシャグを買ってきて、とりあえず吸ってみることにしました。

正直言って、これを読んでパイプタバコをはじめようという方には、キセルから始めるというやり方はオススメしません。パイプタバコとはぜんぜん勝手が違うので、あまり練習にはならないと思います。しかし、これはこれで別物としてオススメしたい。コンビニで売ってる紙巻きたばこなんかよりもはるかに美味しいと思います。バニラ風味のシャグなんかはキャスターなんかとは比べ物にならない「バニラを吸ってる感」があり、とても満足感があります。

しばらくはキセルを吸っていた私でしたが、あるご縁から本格的にパイプタバコを始めるようになります。

あるとき、父の行きつけのバーに連れて行ってもらったことがありました。二人で飲んでいるとそこに父の顔見知りだというダンディーなおじさまがやってきて、パイプタバコを吸い始めました。話が盛り上がり、私が

「パイプタバコを始めたいと思っているんですよ」

というとおじさまは

「そうか、じゃあお父さんとの友情の印にこのパイプをあげよう」

と小さなパイプを私にプレゼントしてくれ、その場でパイプタバコの吸い方をレクチャーしてくれたのです。

初めて吸ったパイプタバコは、強く吸い込みすぎて舌が火傷ぎみになり、あまり美味しいとは感じられませんでしたが、バーの雰囲気やおじさまとのエピソードも相まって、とても思い出深いものになりました。

・パイプタバコとIQOS

 本格的にパイプタバコを吸うようになって気づいたのは、パイプタバコはIQOSに近いんじゃないかなと。IQOSはブレードでタバコ葉を温めてその蒸気を吸うものです。パイプタバコは実際に火をつけはしますが、その燃えている煙を吸うというよりは、火種の周りのタバコ葉を温めて吸うという方が正しい。パイプタバコでよく言われるのはクールスモーキングということ。あまり煙は出ないようにして、パイプの温度を上げないようにして吸うと香りが飛ばなくて美味しく吸えると言われます。パイプは手に持って吸いますが、手で持てないくらい熱くなったらそれは吸いすぎ。舌も火傷するし、パイプも多くは木でできているので、温度が高くなれば焦げます。

IQOSはタバコ葉が詰まったたばこスティックとそれを吸うためのIQOS本体というシステムになっていますが、これもパイプと同じ。IQOS本体には用途に合わせてバリエーションがありますが、パイプにも種類があり、その形状や大きさで喫味も大きく異なります。パイプはデザイン性も高く、タバコを吸わないパイプコレクターもいるようです。パイプたばこは各メーカーから様々な種類のものが出ていて、それぞれ味や香りが異なっています。メーカーの歴史も深く、到底全てを網羅することはできないんじゃないかと思うほどです。

・パイプタバコを始めてみてほしい

 タバコ業界も近年は厳しいらしく、最近はパイプたばこから撤退するメーカーも現れています。皆さんに、特にパイプタバコを吸ったことがないという喫煙者の人々には手軽に、パイプタバコを始めてみてほしい。パイプも高価なものから入門用の安価なものまでありますが、だいたいIQOS3ぐらいの値段でそこそこのものが買えると思います。最初は中古のパイプを買うと楽かもしれません。パイプたばこもピンキリですが、一回の喫煙で30分くらい吸えることを考えれば、決して高くはないと思います。あとはタンパーと言われる、吸っている途中でタバコの表面をプレスする器具があればOKです。タンパーは灰をかき出すためのピックと言われる棒状のものがついてるのがいいかと思います。ライターはパイプ用のもありますが、マッチやコンビニなんかで売ってる線香をつける用のライターなんかが使いやすいかと思います。以下に吸い方の説明を簡単に書いておきます。

パイプタバコの吸い方には色々な技術がありますが、まずは吸ってみることです。実践して見なければその楽しさも知ることはできません。

まずはパイプにタバコ葉を詰めます。最初はやさしく、最後は強く、3回に分けて詰めるといいと言われますが、海外の動画では雑にギュッと詰めていたりするので色々試してみてください。吸えないほどきつく詰めなければ大丈夫です。

パイプの八分目くらいまで詰めたら、その上に火をつけます。軽く吸い込みながら満遍なく火をつけたら、盛り上がってきた表面をタンパーで軽く均して、もう一度火をつけます。

これで準備は完了。火が消えないようにたまに吸い込みだけでなく吹き込みもして、肺に煙を入れずに味わいます。口の中でくゆらせる、いわゆる「ふかす」という吸い方なので、普通のタバコは吸わないけどパイプだけはという方もいるようです。

5分に一度くらい、タンパーで表面をプレスして燃え具合を調整します。火が消えたりすると思うのでその都度、タンパーで均したりピックで灰をかき出したりしてから、もう一度火をつけます。

調べれば詳しい説明も見つかるかと思います。自分なりのコツなんかもそのうち文章にしてみたいと思っています。

・終わりに

 こんなつまらない文章でも発表することのできる場があるというのはすばらしい。誰かこれを読んでパイプタバコを始めた人がいたら、なんでもいいのでこうやって文章を書いてみることをお勧めします。記事が増えていき、参考にするものが多ければ多いほど、いろいろな楽しみ方や、技術が発展していくのだと思います。

パイプタバコは普通のタバコよりも長い時間吸える分、手軽さには欠けるかもしれませんが、その分満足感も高いです。タバコを吸えるお店も少なくなってきている世の中ですが、お家での映画や音楽、読書を楽しむ時のお供に、ゆったりとした時間を過ごすことができるパイプタバコを始めてみませんか?








 

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