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RTA in Japan Summer 2023 「スプラトゥーン3」出場をふりかえって

RTA in Japan Summer 2023でスプラトゥーン3の走者として出場したモトロです。

今回オフラインイベントに初参加ということで、色々と至らない点もあったと思いますが、本番前から当日までに行ったことや感想、反省点をまとめました。


事前準備

近い時期に参加メンバー全員がスプラ3初心者大会の運営をしていたこともあり、RiJ採用タイトル発表後から準備を進めていました。

メンバー決め

これに関しては発表前からほぼ確定していました。意外かもしれませんが、スプラトゥーン3は有名タイトルの割にRTA走者は殆どおらず、当時日本のアクティブ走者は4人しかいませんでした。なので日本トップ3のHaitex、モトロ、たろでやるよねみたいな空気でそのまま進んでいきました。

告知ツイート

RiJに当選した時「当選しました!」と簡単な内容でツイートしたら予想以上に反応してもらえて驚きました。皆注目してるんだなと。
他の走者の中にはこのタイミングに注目してもらえるためのツイートを用意してる方もいて、もったいないことしてしまったと感じました。

その経験を活かし、スケジュール発表のタイミングで注目を集めるツイートを作成し投稿しました。

ツイートした後で構図丸パクリじゃん…と気づいた。でもおかげでかなり注目されて「スプラ3こんなことするの!?」という反応も貰えました。kazupoonさんありがとう。

RTAに影響を与えるソフトのアップデート

7月末にスプラ3のバージョン4.1の配信告知がありました。告知が来ると一般プレイヤーはブキのバランス調整が気になるところですが、RTA走者はまずプレイヤー挙動やシステムの修正欄を真っ先にチェックします。

スプラ3には「サージロール」と呼ばれる、塗れる壁から普段届かない場所まで跳躍できるグリッチが存在しました。RTAではもちろん短縮技の一つとして使われていますが、この技はオンラインプレイでも使うことが可能で、意図して使うプレイヤーやそれをSNSで拡散する人がいたため修正される可能性が高いものだとされていました。
そしてバージョン4.1の配信告知の中にはそのグリッチを修正すると書かれていました。半月後RiJが控えてるこの時期に!

やり方は濁されてるが、サージロールのことだとすぐ分かった

走者2人はもちろん、念のため解説のたろさんも本番までソフトをアップデートをしないでRiJに臨むことになりました。
これで問題なし!となれば良かったのですが、厄介なことにスプラ3RTAはイベントスキップのために再起動を多用するので更新確認が出るとロスになります。
そして、インターネットから切断すると更新確認は表示されませんが、スプラ3起動時のロードが遅くなり更にロスが生まれます。
つまり、ソフトの新バージョンがリリースされた時点でロスが確定します…

9秒程度のロスなのでRiJ本番にはそこまで影響はないですが、当時私は世界3位だったので、RiJ本番までに世界2位以上の記録を出して世界1位のHaitexさんと並び、世界トップ2の熱いレースにしたい!という思いで記録を詰めていました。が、この挑戦に9秒のロスは大打撃です。記録狙いはとても厳しいものになりました。

記録更新

アプデ後、9秒のロスが生まれるハンデを背負いながらも記録狙いを続けていました。

この頃、他の走者の記録更新にリアルタイムで立ちあえることが多く、特にtoobouさんの7年ぶりの世界記録奪還を見てモチベーションがかなり高まっていました。ありがとう…
そしてRiJ本番9日前…

0.24秒差!

無事世界2位の称号を手に入れることができました。RiJ本番の自己紹介時、コメントで「世界1,2位さん!?」と沢山反応してもらえて嬉しかったです。頑張った甲斐がありました。

台本・リハーサル

元々スプラ3でイベントには何度か出ていたので、その時使った台本を元に解説のたろさんに台本作成をお願いしました。
できたものを3人で少し修正した後、リハーサルを行いました。その結果、問題点がいくつも見つかりました。
スプラ3のRTAはグリッチを次々と行うので解説が追いつきません。特に序盤はこのRTA全体の説明も入れたいけど、あっという間にステージが切り替わるのでその説明も入ったりとかなり忙しい。と思えば後半はムービー続きで突然シーンとしてしまう…

リハーサルの動画を3人で見返して台本を細かく修正しました。特にオルタナサイト1は説明することが多すぎるけど、どれもインパクトがありなるべく省きたくはなかったので、調整が大変でした。
なるべく走者が喋るをポイントも入れつつ、国境なき医師団やチャリティのことについて話してほしいと運営から伝えられたので、喋ることがあまりないムービー中に入れました。
チャリティについての宣伝は、たろさんがゲームのストーリーと上手に結び付けたとても良い宣伝を考えてくれました。良すぎるのでここに本文をのせます。

ロケットの入り口でスキップしまったムービーの中で話されているのですが、これまで集めたオタカラは全てすりみ連合に寄付しています。寄付したオタカラはバンカラ街の財政立て直しに使われるようです。寄付といえば、本イベントRTA in Japan Summer 2023はチャリティイベントとなっています。イベントを通して得られた収益は「国境なき医師団」様に寄付されます。本RTAの主人公はこれから魚介類を守るため、ラスボスに挑みます。皆様は寄付やチャリティグッズの購入を通じて哺乳類を守ってみてはイカがでしょうか。

解説についても、「解説を淡々と行っているので抑揚をつけて」「アドリブを入れると言葉に詰まるので台本準拠で」と色々と改善点が見つかり本番までに直しきれるか不安でした。
が、たろさんの台本も解説も凄い勢いで良くなって、最後のリハーサルでは完璧に近い仕上がりになりました。

最後にリハーサルをスプラ3RTAを知らないりるれさんセレナーデ☆ゆうきさんに見てもらいフィードバックを貰いました。お二方ともRiJでの解説経験があり、的確なアドバイスを頂けました。おおむね好評で、微調整をして台本が完成しました。

本番前

出番は夕方でしたが、早朝に私もRTAをやっているUnrailed!の走者が集まるとのことだったので、8時ごろ会場につきました。

事前練習

詳しい説明は省きますが、私は自宅ではゲーム音が若干遅延して聞こえる環境でゲームをプレイしています。RTAをやるときもそれで慣れていたので、RiJの運営にお願いして同じ環境でやらせてもらうことになりました。

早速練習室で同じ環境を作り、いつも音でタイミングを合わせているフウカスキップの練習をしました。
若干成功率が落ちてましたが、本番挑戦予定回数以内には決まる成功率でした。他のグリッチもいつも通りできてとりあえずひと安心。他のゲームを見たり走者と挨拶したりしてゆっくりしてました。

本番準備

メンバー全員揃って時間も丁度良かったので本番の席についてセットアップを始めました。ここで環境の違いによる問題が。

音がクリアに聞こえすぎる
フウカスキップで頼りにしていた音の聞こえ方が大きく変わっていて困惑しました。
いつも警告音のピピピピで判断していましたが、本番のヘッドセットではウィンウィンウィンと波打つように聞こえてきて、自分がいつも聞いてるピの部分がどこなのか分かりませんでした。

図にするとこんな感じ。分からん

私がそのことについてぼやいていたら、運営がミキサーを調整してどうですか?と何度も聞いて丁寧調整してくれました。ありがとう…
それでも波打つ感じはどうしても消えなかったので、これは慣れるしかないなと思い、調整を終えて練習することに切り替えました。

ある程度の成功率には達したので、残りの時間はメンバーと話したり前のゲームを見たりして緊張をほぐしました。
因みに席に着いてから本番まで私だけ2回トイレに行ってHaitexさんに頻尿と煽られました。

本番

プレイの結果は是非アーカイブを見てください、本番で起きたハプニングと、本番直後に書いた心境と反省点をまとめます。

たろさんの解説がさらにレベルアップしていた
喋りの抑揚も声量も良くなっており、セットアップ中に調整した声より大きく聞こえて走者2人とも困惑してました。
途中運営に調整してもらおうとハンドサインを出したのですが見てもらえず、ハンドサインを出した後そういえばカメラも回ってるじゃん!恥ずかしい!となって再び伝えることはできずそのまま続行しました。
解説は過去最高に良かったので不満はないです!

後ろのスピーカーからめっちゃ音聞こえる
事前に走者2人がDCSとフウカスキップをするポイントで、集中するためにゲーム音以外聞こえないようにしてほしいと依頼して切ってもらっていたのですが、後ろから普通に聞こえてきました。2人ともよくDCS決められたな~。
私の方がミュートになっている時、丁度私に話が降られていたんですが、スピーカーから聞こえていたおかげで反応できました。逆に良かったのかも。


オフライン参加者は可能な限り自宅でのプレイ環境に近づける

私は自宅ではクッションの上に手を置いて手首以外を固定してプレイしていました。

クッションをRiJに持っていくか悩みましたが、クッションなしでやってみて特に問題なく、大きな荷物になるのでもっていかなくても大丈夫だと判断しました。

持っていくべきでした。
会場の練習室や本番前に何度も練習して自信がついてたのに、いざ本番になると腕が固定できずジャイロがブレブレで焦りました。
恐らくクッションを用意しなかったことが直接の原因ではないですが、その時いつもあるクッションに頼れないことで完全にパニックになってました。クレーター攻略中何とか腕を固定できないかと、かなりモゾモゾ動いていたと思います。

本番の環境や緊張で失敗するのは割り切れますが、自分で用意できたはずの環境準備を怠って失敗すると、この準備を怠ってなかったらパフォーマンスが良くなってたかも…という考えがずっと残ります。例えそのこと自体が原因じゃないとしてもです。

RiJは環境調整の要望にとても真摯に対応してくれたので、ダメだと思ってても一度聞いてみることをおすすめします。

本番中を振り返って

ロケットでの解説で「コアを壊して」に全力で噛みついたシーンがありました。
元々台本入れてやる予定だったものですが、いざ本番あれをやる時、大分遅れてるのにふざけたことをしていいものか、不誠実ではないかと不安でした。

それでもやりました。大したネタでもないのに、不安を振り払う勢いでちょっと大げさにやりすぎたかもしれませんが、私の人となりや走者間の仲の良さが見せれたのでやってよかったと思ってます。

台本で間が空いた時用の話はいくつか作っていたのですが、本番はリハーサルでも起きたことのない大差がついて終盤沈黙が生まれていました。
そこでとっさにオオジャケ(コジャケ)の豆知識をお話しました。もう少しこういう時用にいつでも差し込めるのゲームの知識を用意しておけばよかったです。

完走した感想はあらゆるパターンを想定して用意する

ここが一番後悔してます。
元々リハーサルで起きたパターンからしか考えていなかったということもありますが、ここまでタイムが遅くて見せたかった大技も全く決まらないパターンは完全に想定外でした。

そこで終盤走りながら即興で考えたのが「大きなスキップを決められず、大差ができてしまうスプラ3RTAの恐ろしいところが出てしまいました。悔しくて家に帰ったらアタリメが完全復活するくらい泣いちゃうかもしれません。でも~」まででした。
せめて笑ってもらえることを言おうという考えです。

しかしいざ感想を語り始めると、なんか感想長くないか?と思ってとっさに「悔しくて~」から先をカットしてしまいました。
そのせいで、笑いのポイントを消してしまってただただネガティブな感想になってしまったのと、後半のポジティブな感想が頭から抜けて、とっさにでた自分主体のありきたりな感想になってしまいました。

このランに対する感想で最も良かったものは
「本番の魔物にやられて悔しさが残るランでした。家に帰ったらアタリメが完全復活するくらい泣いちゃうかもしれません。でも、本来見せる予定のなかった1-1のKeySkipや、直前に見つけた最後の新アプローチを見せることができて良かったです。」
だと思います。
ネガティブな部分は多く語らず笑いに変えて、ポジティブな部分も具体的で「KeySkip見れてよかった!」と視聴者に共感してもらえる内容になっていると思います。
この感想は本番が終わった後、10分もしない内に考えついたので、あらかじめこのパターンを想定していれば簡単に言えたことでした。
めちゃくちゃ後悔してます。アタリメが完全復活するくらい泣いちゃいそうです;;

感想はある程度アドリブも入ると思いますが、事前に○○ができたら○○というと決めておけば、(見せたい技が決まった、安定ルートに変える判断をしてESTを守れた、乱数が良かった、乱数が悪かったがリカバリできたなど)本走中ハマったものを言えばいいので楽だったと思います。

それでも想定外のパターンのランをしてしまうときもあるので、そういう時はこの区間で感想を考える!とあらかじめ決めておけば完全アドリブで感想を語ることはなくなるはずです。

終わりに

本番まで全力でいいランやトークを見せようと努力して、その成果も出ていましたが、個人的には後悔が残るものになりました。それでも終わった後会場やSNSで沢山の方に面白かったと言ってもらえて、色々とこみ上げて本当に泣きそうでした。
大技を決め素晴らしいランを見せてくれたHaitexさんと聞き取りやすい最高の解説をしてくれたたろさんにも感謝です。ありがとうございました。

おまけ 2次会レイド

RiJでは例年、配信が終わった後レイドを走者や関係者に送る2次会レイドを行っていました。
難易度が高く面白いが、イベントではなかなか見せる機会がないスプラ3の隠しヤカンTAをこの機会に見てもらいたい!という思いでメンバー3人で2次会レイドを狙っていました。

並走用のレイアウトを作り、Twitchの新機能であるゲストスターを使ってメンバーの画面を高画質で取り込めるようにして準備万端でした。また、アプデのおかげで新バージョンのAny%並走という目を引くタイトルでレイドを待つことができました。
力入れすぎじゃない?と思われるかもしれませんが、RiJから一般走者の配信に移った際のギャップで人が離れてしまうのはもったいない、特に2,3次会では多くの視聴者を次に回すためにしっかり演目を用意してRiJの延長戦の雰囲気にしたいと考え力を入れました。

ありがたいことにRiJからのレイドを頂けて、隠しヤカン並走(とHaitex共有画面直撮り参戦)を楽しんでもらえたと思います。

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