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雨風しのぐ宿 やどかりハウス

やどかりハウスは、コロナ禍に長野県上田市の街中で始まった取り組みで、女性や母子が一泊500円で宿泊でき、昼間ベットルームで休むこともできるというものです。

上田市で、ゲストハウスや劇場を運営する犀の角と、相談支援を通した社会づくりを行っているNPO法人場作りネットが、協働で運営しています。

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コロナ禍で女性の自殺が増加。場作りネットに寄せられる相談も、子育ての行き詰り、夫婦関係の悪化、生活困窮など、女性の相談が増えていました。それを受け、ゲストハウスの女性専用ルームを一泊500円で最大10日宿泊でき、そこでの出会いを新たな文化作りにつなげていく目的で、犀の角との協働で開始しました。

2020年12月25日に開始、軽い息抜きから、暴力被害まで、様々な女性の相談が寄せられるとともに、宿泊希望があり、半年間で50名ほどの利用がありました。

利用されたある女性からのコメントを少し紹介します。

「二日ぶりの我が家は相変わらずで、なんだか竜宮城から帰ってきたのに、何も変わらない浦島太郎の気分です。でも、ダメになった時には、またやどかりに泊まればいいんだと思うと、少しホッとします。やどかりは、困窮されている人だけでなく、私のように普通の生活がしんどい人にとっても朗報になると思います。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。」

この方は子育てに行き詰まり、息抜きで利用された方です。宿泊時にはちょうど犀の角でライブイベントが行われており、そちらも参加し、気持ち的にもリセットされたとのことでした。宿泊後は、運営面でも参考になるご意見を頂き、さらに、ご家族も含め、ご寄付をいただきました。

また、やどかりルームに様々な書籍を置くことになり、選書にもご協力いただきました。

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こうして、やどかりを必要としてくれた方々と、ともに作っていくことができればと思っています。

やどかりハウスは、場作りネット理事の寄付によってスタートしました。2月に、ながの赤い羽根助成金、長野未来ベースさんの補助を頂くことができ、3月までは何とか運営ができそうです。しかし、4月からは、まだ不透明で、これから寄付を募り、資金が続く限り運営したいと思っています。必要としている人はたくさんおられます。全国で同じような動きが広がることを願ってやみません。まずは、先行事例を作っていきたいと思っています。わずかでも構いません。どうかお力添えをお願いいたします。

2021年5月NPO法人場作りネット会員報告より

毎日新聞特集:コロナ禍を生きる


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