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インターン文化とビジュアル・アイデンティティの変遷

先日、インターンシップ求人サイトからキャリアプラットフォームとして再始動したJEEKというサービスのロゴのリデザインを行いました。
このサービスに関わって6年を超えたのですが、時代とともに変化するロゴとサービスの思想の変化が本当に面白い…

サービスの利用者が理解する・してもらう必要もないし、若干アートな分野に入りかかっているのは分かってはいるがロゴとサービスの提供内容の変化の関係を伝えたい。ポエムです。

念のためいうとここでいう時代というのは、スキューモーフィックデザインやフラットデザインのトレンドではなく、個別のブランドロゴの変化から見る社会との関係という意味です。

サービスの始まりとインターン黎明期

始まりはCodeStudyというプログラミング学習サービス立ち上げと同時にインターンシップ・アルバイト情報サイトという形でスタートしています。これが当時のロゴです。

非常に軽めのテイストで、アルバイトの印象が強い軽めの印象を受けるロゴでした。
ただ、アルバイト情報サイトは既に結構あり、インターンシップの情報の方が価値の提供につながるとわかり、インターンシップ情報特化のサービスになっていきます。

2012年、当時インターンシップというのは、「海外で行われているよくわからん職業体験」みたいな認識が多数を占めており、インターンシップを行うのは関東近郊で言うと東大早慶あたりの学生を占めておりました。

(いい意味で意識の高い)一部の学生がやっているインターンというキャリアに対する行動に対し、当時のロゴは印象が軽すぎました。なのでここでロゴとサイトデザインを一新しています。

見ての通り、セリフのフォントで信頼感を感じさせる深い青のロゴになっています。
このロゴ変更に合わせて、サイトの印象も硬めに統一されました。その結果、学生からはともかく特に企業さんからのウケがよくなりました。インターンシップをやっている企業さんも一握りなので、ある程度ハードルがあるような印象がよかったのではないでしょうか。

ちょっと前まで転職サイトのビズリーチさんもかなり固めで一部の人しか入れないような厳格さを強調していたと思います。今でもタグラインは「選ばれた人だけの会員制転職サイト」となっています。
高給人材でありたい求職者も、高給人材に働いて欲しい企業側のマッチングプラットフォームとして正しい見せ方をしていると思います。

インターンシップの一般化とロゴの変化

ここから数年間、同じロゴを使い続けていました。その数年間でインターンシップを行う学生は増えていきます。長期インターンだけではなく、短期インターンで他の企業との差別化をしている企業も増えていきました。

2014年になるとインターンシップに参加する学生も増えて、2012年当時の一部の学生しか参加していない状況ではなくなりました。より多くの学生に広まっていったのです。
より多くの学生に広まっていくにあたって、当時のロゴはハードルが高すぎる印象があったためロゴのマイナーチェンジが行われました。

ロゴの変化としては非常に濃い青から、少し軽めな青に変えました。
2014年の6月にロゴが変わったのですが、これはiOSにフラットデザインが取り入れられたiOS7がリリースされた2013年9月から1年経っていません。

色を変えるにあたって、よりカジュアルに参加出来るようになったインターンシップであることを表現したかったのと、フラットデザインの流れを汲んだ選択になっています。

選択肢の多様化とロゴ

ここからまた数年間がたち、2018年の今インターンシップはよりカジュアルになり、インターンシップ後に企業して調達した起業家も出現しています。フリーランス・副業のような仕事の関わり方の一般化や、政府主導の働き方改革の実施などで働き方も変わってきています。

JEEKでは「変わりたい!」「挑戦したい!」という"意志"ある人に機会を提供するというミッションを持っています。働き方の多様化や時代の変化をうけてインターンシップ以外の選択肢を提供できる「キャリアプラットフォームになる」という目標を掲げブランドの再構築を目指しました。

ロゴの制作過程は別の記事に書きました。コンペでアイディアを募集して、それをベースに制作しています。
今まではロゴタイプだけだったのが、シンボル付きになりカラフルになっています。
ポイントとしてはいろんな生き方が許容される多様性をロゴに盛り込みたかったことです。

今まではインターンシップという選択肢しか提供できなかった(=青一色)のが、様々なキャリア選択(=カラフルで多様な選択)を後押ししていきたい。という気持ちが込められています。

さいごに

こういう内容を語れる人がいなかったのでnoteに書きました。テクニックというよりはアウトプットに至るまでの6年間の過程を綴ったつもりです。


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