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映画館に49回行ってわかったこと・前編

 みなさまこんにちは、いかがお過ごしでしょうか。スタッフたじーです。

 なかなか外に出られない、映画館に行くのもちょっと憚られる…ような昨今ではありますが、今日はみなさまに、映画の新しい?一風変わった?楽しみ方についてお伝えしたいと思います。


 私は昨年6月からとある映画にハマっており、この映画を現在までに通算49回鑑賞しました。

 49回というのは、「何回も見た」という意味の比喩ではなく、実数です。

 そしてこの49回全てを、映画館で観ています。

 ここまで話すとだいたい誰からも奇異の目で見られます。これを読んでいるみなさまも、きっと「こいつは一体何を言っているんだ」とお思いのことでしょう。

 もしかすると、同じ映画を繰り返し観ること自体はそこまで珍しいことではないかもしれません。しかし、おそらくそれは「たまに観たくなる」「久しぶりに観たくなった」という動機のもと、ストーリーの細部を多少忘れた状態で行われる場合が大半かと思います。1年以内に10回以上同じ映画を観た、なんて話はそうそう聞かないのではないでしょうか。私は(少なくとも、この映画にハマるまでは)聞いたことがありませんでした。しかし世界は広いもので、少し調べてみたところ、同じ作品を映画館で繰り返し鑑賞する文化自体は以前から存在していたことがわかりました。そしてなんと、私と同じ作品を愛する人間の中には、鑑賞回数が1年間に100回を超えた猛者もちらほら見受けられます。

 こんな私も以前、同じ映画を短期間に複数回観たと言う友人に向かって「飽きないの?」と訊いたことがあります。

 その質問の答え、今なら訊かずともわかります。

 不思議なことに、まったく飽きないのです。

 すべての回でしっかり「楽しい!」と思いながら鑑賞しています。

 その理由を考えてみたところ、単に映画のストーリーやキャラクターが好きだ、ということの他にも様々な理由があるということが判明しましたので、これからご説明します。


①バージョンの違いを楽しむ

 あまりにも当たり前のことを申し上げるのですが、映画はどの上映回であっても、毎回寸分違わず同じストーリーで進んでいきます。カメラワークもキャラクターの表情も、鑑賞時の心境によって多少違って見えることはあるにせよ、基本的には毎回同じです。

 しかし逆に言えば、映画の「ストーリー以外の部分」、については、いくらでも(と言うとさすがに言い過ぎですが)変化の余地があるのです。

 まず身近な例としては、鑑賞する環境を変化させる「4DX・MX4D上映」が挙げられます。動く座席や風、水を出す設備を用いた、アトラクション風の上映です。ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 どちらも「乗り」に行きましたが、効果にかなり違いがあります。4DXは座席の動きの大きさ・激しさが特徴です。MX4Dは、4DXに比べると動きはマイルド、その代わりに香りや光など、五感に訴えかけてくる仕掛けを多く用いているような印象を受けました。これでまず2種類。最近だと3D映画もあったりしますよね。

 次にご紹介したいのは、日本語字幕や音声ガイドつきの「バリアフリー上映」。視覚や聴覚に障がいのある方にも映画館での鑑賞体験を楽しんでもらいたい、という思いから始まった取り組みです。

 現在は必要に応じて専用の機材やアプリを使って鑑賞する形態が主流となっていますが、健常の方もこの「バリアフリー上映」を楽しむことができる劇場があります。

 日本語字幕・ナレーションのどちらも体験しましたが、それぞれ一見・一聴の価値アリです。特に日本語字幕は「聞き取りに注意を割かなくてよいため、画面に集中できる」「今まで聞き取れていなかったセリフが、何と言っているかわかった」などの好評が相次ぎ、それまでバリアフリー上映を行っていなかった他の劇場も日本語字幕付き上映回を用意するほどでした。ここまでで4種類。

 そしてさらに、私が今回ハマった映画は北米版が制作され、日本国内ファンの熱い要望により日本に逆輸入されたため、日本にいながらにして英語吹替版・英語字幕版を鑑賞することもできました。英語吹替版では当然、演じる声優さんも日本語版とは変わります。そのため、キャラクターによっては日本語版とかなり違った印象の声になっており、キャラクター解釈の新たな可能性を感じました。

 英語字幕版は「このセリフ、英語だとこう言うのか〜ニュアンス変わるな~」という発見の連続であり、それに加えて単純に英語の勉強にもなりました(日本語のセリフはほぼすべて覚えていたので…)。

 吹替版・字幕版をそれぞれカウントして、合計6種類。こう考えると結構種類豊富で飽きないように思えませんか?まだまだ続きます。


②劇場ごとの違いを楽しむ

 これは私も映画館に通い始める以前には全く意識したことがなかった点なのですが、映画を観たときに受ける印象は劇場によってかなり差があります。

 単純な箱(シアターのことです)の大きさで比較しても、

・小さい箱→最前列に近い座席は画面にかなり近く、作品への没入感が得られます。また、空間の適度な小ささによってか、贅沢なホームシアターで鑑賞しているような気分になることができます。音量を大きめに設定している劇場の場合、壁や床が音によって振動することで、箱ごと揺れているような感じがして一風変わった臨場感が味わえます。

・大きい箱→音響設備やプロジェクターにこだわっていることが多く、よい音質や画質で映画を楽しむことができます。特に、音質のよさを売りにしている劇場では他劇場との差を顕著に感じられます。低音大きめド迫力タイプ、クリアな音質でセリフが聞き取りやすいタイプ、静かなシーンでの静寂に本気を出しているタイプなど様々。

 映画の中でも特にアニメ映画は、同じ作品であっても音響が違うとそれだけでかなり違った印象を受けます。そのことを知ったうえで、迫力を出すために音量をかなり大きめに調整してくる劇場も多く、1音目を聞いた時点で全編観終わった後の自分の鼓膜がどうなっているか心配になるような回や、容赦なく打たれるバスドラム・劇中に幾度となく起こる爆発音の発する強烈な振動から、さてどうやって内臓を守ろうか…と考えながら鑑賞した回もありました。


 長くなってしまいました。次回に続きます。

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