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今、門出に立つー私が先生になると決めるまでー

こんにちは。
東京学芸大学4年生、松島響子と申します。

今回、この場をどう使おうかを考えるために、まず、このnoteの投稿が終わった後、自分がどういう状態になっていたいのかを考えました。私は心置きなく、スッキリしていたらいいな、と思いました。そして、ある方法を使ったら、それができるかもしれないと気づきました。私が心置きなく、スッキリできる方法、それは“書道で伝える”です。最近はすっかりご無沙汰していますが、小学校2年生からずっと習字を習っていました。辞めてしまった今でも、大きな半紙を前にして、筆で文字を書いていく高揚感は忘れられません。今まで書いたことのない、大きな半紙で思いを伝えられたら、私はもう満足だ。そう思い、今回、自分へのメッセージを書道で書くことにしました。

今門出に立つ_5

私は、5年間大学にいました。一年休学していたからです。本来であれば、もう卒業している年なのもあり、「あぁ、長かった大学生活が終わるんだ」と“門出に立つ”という言葉が、余計に沁みる気がします。

1_門出

この5年間は、自分が先生になっていいのか、ひたすらに考えた5年間でした。やっと出した結論は、3年企業に勤め、先生になる準備をしてから先生になるというものでした。3年って、みなさんにとっては長いですか。短いですか。私は、長いんだろうなぁと漠然と思っています。だから、不安なんです。5年間悩みに悩み、覚悟した“先生になる”という選択が、この3年の間に揺らいでしまうのではないかって。

2_立つ

そこで、門出に立つ今、自分が迷ったときに背中を押せるメッセージを、未来の自分に向けて書こうと思い、筆をとりました。

迷いながらも_5

迷いながらも進み続ける、これは私が5年間、ずっとしてきたことです。迷いながら進んだ経験として、最初に思い当たるのは大学2年生のときに立ち上げた、“つながり交流部門cue”という活動です。

「このままゼミだけに所属し、学年を進めて先生になっていいのか…教育だけで終わっていいのか…」

「じゃあ、いろんな社会人とつながれば、教育だけで終わらないかも!」

そんなことを友達と話したのが、cueができたきっかけです。この解決策でよかったのかなんて、今になってもわかりませんが、迷いながらも進んでいました。外務省の職員さん、元ソフトバンクで営業No.1の方、世界一周した人に、元キャビンアテンダントさん…いろんな方を招いて、学内で学芸生とつなげるイベントを行いました。「こんなに楽しそうに働いている人たちがいるのか…!!!私もあんな風に働きたい。」働くことに対してマイナスなイメージがあった私にとって、ゲストの方々との出会いは、自分の価値観を揺るがす大きなものでした。しかし、それと同時に、自分は先生として楽しく働けるのかな、こんな迷っているままの気持ちで先生になってもいいのかな、そう考えてしまい、先生になりたいと純粋に思えなくなってしまいました

3_迷い

小学校の頃から、先生になるのが夢でした。担任の先生が運動神経抜群で、字も上手くて、優しくて、すごく憧れていたんです。学芸を受けるときにも、推薦の志望理由書に「先生になりたいんです!」と、がちがちに固めて書きました。でも、cueでの経験を積んでも、自分が本当になりたいのか、さらに分からなくなってしまいました。

4_進み

でも時には_5

先生になりたいのかわからないまま悩み続け、いつの間にか3年生になってしまいました。学芸では、3年生で附属校へ教育実習に行きます。担当は小学校1年生。目の前の子どもたちに対して、どんな授業だったら楽しいかな?どうしたら、伝えたいことが伝わるだろう?と考える時間は、本当に楽しいものでした。でも、教育実習最終日に担当の先生が言っていたことが、ずっと残っています。

「子どもたちのために教材研究をするためには、いくらでも残業できる。でも、それ以外の業務が多すぎる。」

教員の多忙化については、様々なメディアで取り上げられ注目をされていましたが、現場の先生のリアルな声を聞き、「あぁ、やっぱりそうなんだ」と思いました。その話を聞き、私はまた揺らいでしまいます。忙しいと言われている先生に自ら飛び込んでまで、情熱をもって子どもたちに接することができるのか。ますます、わからなくなってしまいました。

5_立ち

わからなくなった私は、先生になることについて、一旦立ち止まって考えよう。そう決めました。このまま進んでしまうと、来年は就活や教員採用試験がある。このまま進みたくない、そう考え、一年休学することにしました。迷っても進み続けてきた私にとって、一旦立ち止まるというのは大きな決断でした。でも、進み続けてきたことにより、疲れてしまった私がいたのも事実です。

休学中は、教育系の企業でインターンをしていました。その会社では企業と共同で教材を作成し、先生方に無償で提供する事業を行なっていました。私はその中でも、先生方が授業に申し込んでくれるよう テレアポをしたり、授業を実施するまでのサポートをしていました。学生のときにはなかった環境に身を置き、毎日めまぐるしい生活を送っていました。仕事を通して関わる先生方は、生徒のことを本気で思っていた先生たちでした。素敵な先生たちだな…と思う反面、私にはこんな風に生徒を本気で思うことは、むりかもしれない…と思ってしまいました。

思い切って立ち止まった休学でも、やっぱり、自分が先生になりたいのかがわからなかったのです。かといって、先生以外で自分がどう教育に携わっていきたいのかも、わかりませんでした。

11_書いているところ

休学が終わり、4年生に復学し、すぐに公立小での教育実習がありました。先生になるのかもわからない学生を、教育実習で受け入れてもらうのは失礼だよな…そう思い、自分の気持ちを正直に、校長先生に話しました。

「すぐには先生にならないと思います。覚悟ができないんです。」

今にも泣きそうになりながら、思いを伝えました。それでも、先生方は受け入れてくれました。
3週間の実習中、国語、書写、道徳、算数といろんな授業をしました。子どもたちも最初は、突然来た私に戸惑いを隠し切れていない様子でしたが、徐々に打ち解けることができました。授業をした日には先生と振り返りを行い、次の日の授業準備をしながら、研究授業の指導案を用意していく毎日。正直、大変でした。しかし、そんな中で何気ない子どもたちとのやりとりが、私に元気をくれました。

「先生、ほんと好感度たっけぇなぁ!」
少しやんちゃな男の子。毎日のように言ってくれました。好感度高い、なんてなかなか人に言えないことだな、と思い、それを素直に伝えられるその子に、思わず笑顔になりました。

「今から、お悩み相談会を開きます。先生ここに座って!最近悩んでいることはありますか?」
給食の準備中に、突然始まったお悩み相談会。飼っているカメが少し、においまして…と相談したら、消臭剤を置くことを提案してくれました。笑

そのほかにも、家庭学習の宿題として私に手紙を書いてきてくれたり、「先生やさしいね」という言葉も、たくさんもらいました。何気ない言葉の一つ一つが、自分のエネルギーになり、子どもたちの前に立つ自信をつけてくれたように思います。本当に、子どもたちみんなのおかげで乗り越えられたと、心から思います。

実習最終日が来るのは、あっという間でした。先生方がお疲れ様会を開いてくれ、担当の先生に「先生になるなら、女性より男性の方が体力的にたくさん遊んであげられるし、有利だと思ってて…」と、なんとなく話しました。その先生は「女性の先生に救われる子もいるし、男性の先生に救われる子もいる。役割分担だよ。」と言っていました。

ずっと自分には、先生になる自信がありませんでした。それは、自分には先生として子どもたちにできることは何もない、と思っていたからです。今まで休学を通して、先生という職業と関わってきたからこそ、生半可な気持ちでなるのはよくない、とも思っていました。

でも、私が先生になって、救われる子もいるかもしれない。自分にも、何か子どもたちにとって、プラスになるものを与えられることができるかもしれない。はじめて、そう思えました。

〝先生になりたい〟

公立小での教育実習を通して、私はやっと、心からそう思うことができました。

思いを力に_5

今はもう、迷いはありません。4月から企業に行くのも、アルバイトで小学校の支援員をやっているのも、家庭教師をやっているのも、全てが3年後、先生になるのにつながっていくと考えています。

修正済み4

ここまで、ほんとうに長かった。でも、いつだって「あぁ、このまま進んだら、自分は後悔するんだろうな」という思いから休学に踏み切ったり、「先生以外の職業も知って、迷ってから先生という選択肢を選ぼう」という思いからcueで活動をしたり、そのほかのどの瞬間も、自分の思いを力に変え、動いてきました。

7_力に

未来に読んでる私は今も、思いを力にして動いていますか。

三年後_5

最後に、わたしへ

修正済み7

迷いながらも進んでください


でも、時には立ち止まってもいいんだよ。


そして、これからも、思いを力に変えていってください。

9_先生


三年後、先生になるために。


修正済み6


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