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生成AIが流行る今だからこそ。映画「メトロポリス」

公  開:2001年
監  督:りんたろう
上映時間:107分
ジャンル:アニメ

音楽は豪華だめェ~

ロボットと人間の共存であるとか、対立であるとかをモチーフにした作品というのは、大なり小なり存在します。

有名作品で言えば「ターミネーター(1984年アメリカ)」もその一つの系譜といえなくもないでしょう。

未来から発達したロボットがやってきて、反乱軍のリーダーを抹殺しようとするというのは、今見てもわくわくするところです。

最近のアニメ作品でいえば「ヴィヴィ フローライトアイズソング(2021年 WITSTUDIO)などは、これもまた、ロボットと人間が繁栄している世界の中で、未来で発生する災害を回避しようとする物語だったりします。

対立だけではなく、共存することで生じる問題が描かれる作品もあります。

漫画でいえば「AIの遺電子(2015年 山田胡瓜)」ですと、人間とロボットがともに生きている社会の中で、どういう軋轢が生まれたり問題が発生するかを示唆してくれる面白さもあります。

また、「イヴの時間(2008年 吉浦康裕)」に至っては、人間とロボットの区別をつけないというカフェで、様々な人間模様が描かれており、ロボットが、人間と区別がつかないほど似た存在になってしまったとき、ロボットに対して愛情をもったり恋をしてしまう悲劇や幸福が描かれています。

一口にロボットといっても、その取扱い方は様々です。

手塚治虫原作、大友克洋脚本、りんたろう監督による映画「メトロポリス」は、ビックネームをこれでもかと多用し、鳴り物入りで公開された作品でしたが、興行的には振るわなかった作品でもあります。

ロボットによって労働を奪われた人間であるとか、ロボットへの暴力といったものも含めて、ロボットと人間との違いであるとか、どのような付き合いをしていくべきなのか、人間の傲慢さを含めて描かれており、今日にいたる様々なロボットものにみえるエッセンスが散見できるのもポイントではあります。

ただ、不思議と、大物クリエイターが複数人集まると必ずしも大成功するわけではない、というのは不思議なものだったりします。

色々な要素を詰め込むと、切れ味が鈍くなってしまいがちだったりしまして、純粋にロボットものがもつテーマにどのように切り込んでいくのか、という点を意識しすぎると、少し肩透かしな印象を受けるかもしれません。

手塚治虫のスターシステム

皆さんは、漫画の神様である手塚治虫がつかっていた、いわゆるスターシステムというのをご存知でしょうか。

映画「メトロポリス」においても、お馴染みのキャラクターがでてきます。

手塚治虫は、漫画の登場人物たちをまるで役者のように扱って、様々な作品に登場させることでも有名です。

そんな中、「メトロポリス」においては、ヒゲオヤジこと伴俊作と、手塚治虫の初期作品において活躍していたケンイチ少年をメインにしつつ、見たことのあるキャラクター達が演じています。

ケンイチ少年と、その伯父という設定のヒゲオヤジが、国際指名手配をされている科学者を探すところから物語は始まります。

内容的には、王道ものとなっているのですが、前述のとおり、物語のテーマが大きすぎて切れ味が悪いところがありますが、2001年当時に、それほど発達していなかった3DCGも併用されており、当時の力の入れようもわかるアニメーションとなっています。

ロボットものといえば、アイザック・アシモフの「われはロボット」や「ロボットの時代」で、様々なロボット短編小説もあったりしますので、ロボットと人間のかかわりであるとかテクノロジーの進化によってかわっていくものについて興味がでた人は、そちらも併せてみてもらうとより一層、ロボット的な世界というのにつかることができるかと思います。

生成AI等の発達によって、ますますロボット的なものは我々の身近にやってくるものですので、これを機会に、ロボットやAIといったものを身近に感じる作品も見ていきたいところです。


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