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ネタバレ無し。ゴジラの見どころ「ゴジラ マイナスワン」

公  開:2023年
監  督:山崎貴
上映時間:125分
ジャンル:戦争/怪獣

すごい迫力メェ~

「ALWAYS 三丁目の夕日(2005年 山崎貴)」や「永遠の0(2013年 山崎貴」で有名な山崎貴監督。

昭和時代を描かせたら右に出るものはいないだろう監督による、戦後まもない日本を舞台に、ゴジラが大暴れする物語を描いたのが「ゴジラー1.0(ゴジラ マイナスワン)」になります。

本記事ではネタバレを極力避けた上で、見るかどうかを迷っている方へのちょっとした後押しとして書いてあります。

ゴジラシリーズを見たことがない人も、怪獣映画というものそのものに馴染がない方も、まったく問題なくみることができる本作について、極々簡単に紹介してみたいと思います。

ゴジラ作品の中の位置

さて、映画「ゴジラ」といえば、本田猪四郎監督によって1954年作られた一作目から始まります。

日本人の多くがイメージするゴジラといえば、巨大な虫と戦ったり、金色の三本頭の龍と戦ったりですとか、どことなく人間に対して親切にしてくれる存在として描かれています。

なんでしたら、明らかな正義の味方として描かれ、子供向けの作品と言う認識の方が多いのではないでしょうか。

そんな状況が大きく変わったのは、2016年に公開された庵野秀明監督「シン・ゴジラ」であることは、説明するまでもないことでしょう。

ゴジラという存在が現れたとき、日本政府含む現実の我々は、どのような行動をするのか、という点に重きが置かれており、「日本のいちばん長い日(1967年 岡本喜八)」を思わせるような政府のゴタゴタも含めて描かれています。

ゴジラとは何者か。

本田猪四郎監督によって「ゴジラ」が作られて以降、怪獣映画というものが急速に発展していったわけですが、一作目で、ゴジラは、不気味で、恐ろしい存在として描かれています。

銃を撃っても傷つかず、無敵。
あたかも、亡霊のような存在である醜い巨大生物。

捉え方は様々とは思いますが、一作目においては、原爆のメタファーであったり、戦争で亡くなった英霊たちの化身のようなもの、災害そのものとしてとらえると、イメージがつきやすくなります。

戦争があったことなど忘れて、遊ぶ若者たち。
そんな中、現れるゴジラ。

ゴジラは日本に上陸し、皇居の前まで行って、そして、帰っていきます。

第一作目のゴジラの不気味さや、恐ろしさが、非常に重要だったりするのですが、晩年になってきますと、正義の味方となっていったりですとか、決めポーズまでしてしまうゴジラもでてきて、ゴジラそのものも、時代の中で変化していったりしたわけです。

そんな中、「ゴジラ マイナスワン(2023年 山崎貴)」は、正義でも悪でもなく、自然災害であるとか、巨大な厄災そのものような、理不尽そのものとして描かれている点が、面白いところだったりします。

もしも、「ゴジラ マイナスワン(2023年 山崎貴)」を見るかどうかで迷っている人がいましたら、一作目の雰囲気が好きであれば、間違いなく見て損がない作品となっています。

ゴジラの迫力

かつてのゴジラといえば、着ぐるみが動いて戦ったりするものでしたが、「ゴジラ マイナスワン」は、昨今のCG技術によって、まったく違和感なくゴジラが再現されています。

テレビ番組等でも報道されているのでご存じの方もいるでしょうが、海の中で動くゴジラの表現が実に素晴らしいです。

水がゴジラの身体を流れていく様であるとか、水面の動きも含めて、自然に違和感なくみることができます。

また、CGだからこそ、巨大なゴジラがスクリーンいっぱいにでてきても、粗が目立たないのもポイントです。

また、音響の迫力もあります。

町に向かって放射線を放つゴジラの一瞬、驚くほどの大きな音や、静けさは、映画館ならではといったところではないでしょうか。

あくまで、人間ドラマ。

第一作目の「ゴジラ(1954年 本田猪四郎)」は、たしかに怪獣がでてきます。

ですが、描かれているのは人間ドラマでした。

戦争によって、人間らしい幸福を求めることができなくなった男の後悔の物語。
そこにゴジラという生物が現れたことで、男は決意を固めていきます。

「ゴジラ マイナスワン(2023年 山崎貴)」については、戦時中に特攻隊であったにも関わらず、特攻できなかった男が、ゴジラという災害を前に、どのように立ち向かっていくかが問われる物語になっているのがポイントです。

一作目にあった人間ドラマが見事に描かれているところも含めて、素晴らしい出来になっている作品となっています。

正義の味方として、怪獣を倒すゴジラもいいのですが、一作目の雰囲気が好きな人であれば、まさに、こういう2作目がみたかったんだよ、と手を叩いてしまいたくなる作品となっています。

細かい内容やネタバレについては、別記事にて書いていきたいと思いますが、もし見るかどうか迷っている人がいらっしゃいましたら、迷わず劇場での視聴をおススメします。


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