見出し画像

ぽぽら春日部モヤモヤカフェ(2021年11月)

11月27日(土)に、春日部市市民活動センター(ぽぽら春日部)でモヤモヤカフェを再開しました!

 紅葉や銀杏も色づいて、一年のなかでも特に風情のある季節になりました。コロナ禍でしばらくお休みしていたモヤモヤカフェをようやく再開する運びとなりました。思うように外出ができなかった方も、なかなか人と会えなかった方も、その膨れ上がったモヤモヤを前向きに生かしていきましょう!モヤモヤカフェではそんなお手伝いをしていきたいと思っています。今回もステキなゲスト(モヤ友)の皆さんの物語をお楽しみください!

**********************************

『燻製作りを追求し、本物の美味しさを伝えたい』

1.燻製作りモヤモヤ
  
【モヤ友】永堀智一さん(燻製士見習い)

 越谷市出身で5歳から春日部に住んでいます。趣味は燻製作りと釣り、あとサッカー観戦が好きで浦和レッズを応援しています。皆さんは燻製を作ったことはありますか?そもそも燻製とは保存性を高めることが本来の目的で、塩漬けにして、余計な水分を抜いて、燻煙で殺菌するというものです。今は保存性というよりは香りづけに使われていることが多く、スモークチーズとか燻製卵等も味付け用に利用されています。
 ベーコンの燻製の作り方を具体的に説明します。まず最初に(1)豚バラブロックを用意し、フォークで穴を開けて味を染み込みやすくします。次に、(2)ソミュール液と呼ばれる塩漬けの液をつくります。材料は食塩水(私の場合は8%)、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、三温糖(砂糖)、ガーリックチップ、その他にローズマリーといった自分の好きなハーブを入れます。これらを混ぜて温めて全部溶かし、塩漬けの液を作ります。(3)その塩漬け液をジップロックに入れ、豚バラブロックを入れて冷蔵庫に保管します。均等に漬かるように1日1回揉んだりしながら1週間から10日間とかなり長い時間漬け込みます。続いて(4)塩抜きです。すごくしょっぱいのでボールに肉を入れて、一晩水をチョロチョロと流しっぱなしにして塩を抜いていきます。今度は(5)乾燥工程に入るのですが、なるべく表面を乾燥させるようにします。表面の水分をとって冷蔵庫で一晩置きっぱなしにし、その後乾燥ネットに肉を入れ表で干します(風乾)。乾燥させた方が色や燻煙がつきますので2~3時間は干しています。そして、とうとう(6)燻煙作業に入ります。ポイントの1つは、燻煙チップが燃え尽きないようにずっと見張っていること。ポイントの2つ目は、温度が上がりすぎないように温度も見張っていることです。目安としては65℃を保ちながら4時間ぐらいずっと燻煙します。4時間後には最初は真っ白だった色づきがかなり茶色くなっています。

燻煙作業の様子

 ただこれで完成ではなく、最後に⑦放置という工程があります。燻煙直後は、煙の味が強過ぎて、かなりエグいといいますか、煙臭いのです。そのため一晩以上放置してちょっと味をなじませ、落ち着かせるということが必要です。場合によっては扇風機を当てて煙の香りを飛ばしたりもします。これで初めて完成となります。
 スモークチーズの場合は市販のチーズや6Pチーズ等、お好きなチーズを用意してもらい、2時間ぐらい乾かします(風乾)。その後様子を見ながら2時間ぐらい燻煙するとかなり濃い茶色に変わっています。ベーコンだとトータルで10日と22時間とけっこう時間がかかりますが、スモークチーズは最長でも4時間ぐらいでできるのでお手軽に作れます
 番外編として自分が扱ってきた燻製器をご紹介します。初代は簡素な燻製器を使っていました。今使っている物はコールマン製です。あと、1mぐらいの四角い箱の燻製器も手作りしていまして、こちらには7段の網が入っています。豚バラブロックだと14本、チーズだと21本いっぺんに燻製できるような大容量の燻製器です。

自作の燻製器

 巷で燻製製品と謳っているものは、燻液と呼ばれる燻製の液に漬け込んで風味だけが燻製のものが多く、本物の燻製の美味しさを伝えたいです。実は燻製製品好きは多いのですが、意外と(燻製の)専門店が少ないということもあり、燻製製品を扱うオンラインショップがあったらいいのに、と思っています。
 最後にモヤモヤですが、ベーコンの燻製や燻製卵を作るときにたまに酸味が出てしまうことがあり、その原因が分からなくてモヤモヤしています。また、スモークタンを作ってみたいのですが、牛タンは高いなということにもモヤモヤしています(苦笑)

当日お持ちいただいたスモークチーズ



『シェアリビングという地域の新しい縁側』

2.シェアリビングモヤモヤ
  
【モヤ友】矢崎弘子さん(税理士/シェアリビングtonarino)

 本業は税理士をやっています。元々いろいろ物を作ったりするのが好きで趣味も多く、バイオリンや着付け、植物画、習字等の習いごとをしていたり、最近は庭いじりにもハマっています。子どもが小さいときに「子連れで行ける場所がなかった」「行く場所に困った」ということがきっかけとなって「シェアリビングtonarino」を始めました。

シャアリビングtonarino 

 場所は東岩槻駅から徒歩3分で、春日部市とさいたま市の境の花積というところにあります。「シェアリビングって何?」とよく聞かれるんですけど、「みんなで自分の家みたいにくつろげる場所」だと思っています。子どもを連れて(外に出て)もママたちが安心してしゃべっていられるような場所があったらいいなという思いでつくりました。というのも、ファミレスや公民館だとなかなかくつろげないし、子どもが小さいときは授乳の問題があったり、誰かの家に集まるということもお互いに気を使っちゃったりして難しい部分があったからです。
 また、税理士の仕事をしていると開業したばかりの人たちの思いや悩みを聞く機会も多いのですが、「場所さえあれば始められる」「やりたことやアイデアはあるけど場所がなくて一歩踏み出せない」「自宅でやるにも家族の協力が得られない」という声をよく耳にしました。自分の家のリビングをみんなでシェアし、自分の家のリビングで何かするのと同じ感覚で来れるような場所があったらいいんじゃないかと思い、「シェアリビング」という名前をつけています。

(写真上)現在のtonarino (写真下)リノベーション前

 今は写真のような外観になっているのですが、元々は“THE・昭和”な古い家でした。昭和46年に建てられた家なのでけっこう年数も経っていて、購入当時は庭にも木やふきのとうが大量に生えており、かなりの収穫がありました(笑)当時の写真があまり残っていないのですが、和室の畳も腐りかけていたことを覚えています。和室があったところと広めの洋室をリフォームして、みんなで使えるリビングスペースにしています。元々の台所も全部取り払って、カウンターキッチンに直し、みんなで料理を作って楽しんだりしています。
 1階には和室をリフォームした少人数で使えるスペースがあります。元々は友人の「美容室を始めたいけど自宅じゃできない」という声からリフォームしたのですが、半年ぐらいここでやって、やっぱり自宅で美容室を始めました(苦笑)天井を取り払ってみたら太い柱が出てきたので、柱を出す形で洋室に変えてみたり、自分の好みをとことん追求してリフォームをしています。2階は二部屋あって、一つは私の税理士の仕事場に使っていますけど、もう一部屋は今は空いている状態です。マッサージ等を勉強して技術を持っている女性も多いのでそういう方に使ってもらえたらいいかと思い、折りたたみ式のベッドを用意しています。
 私はものづくりがすごく好きなので、大工さんや職人さんに技術を教わりながら、リフォームも妹や友達と一緒に(自分で)やりました。壁を漆喰で塗ったり、タイルを貼ったりする作業は楽しかったです。もちろん天井とか大変なところは職人さんにやってもらいました。柱もそうですが、なるべく古い状態のものもちょこっと生かすかたちでリフォームしています。

壁に漆喰を塗っている様子

 また、今はコロナでお休みをしていますが、シェアリビングでは「なないろマルシェ」というイベントを月に1回開催していました。占いとか手作り品の販売とか、7人ぐらいのいろいろなブースを設けています。それ以外にも、春日部音楽祭の会場として音楽家を招いて演奏してもらったり、飲食店と違って持ち込みができるのでポットラックパーティ(持ち寄りパーティ)を開いたり。Facebookで募集したら初対面の人も来てくださって、とても楽しかったです。共通の趣味を通じて「教室を開きたい」という人と「習いたい」という人をマッチングできればいいなということで、「tonarinoコミュニティ」というFacebookのグループも作っています。

なないろマルシェの様子

 私が一番やりたいことは、レンタルスペースというよりは「みんながふらっと来たら誰かに会える場所」「ご近所の人がふらっと立ち寄れる場所」をつくることです。おじいちゃん、おばあちゃんの家にあった縁側で、ふらっと立ち寄ってお茶を飲んで帰るような感じとか、常連でいつも行っている居酒屋さんにママがいてちょっと一杯飲んでしゃべって帰るような、そんな場所が理想です。まだまだ手探りでモヤモヤしています(笑)



『女性の力で、社会奉仕活動の花を開かせる』

3.we serveモヤモヤ
【モヤ友】中山律子さん(大宮グリーンライオンズクラブかすかべ藤支部)

 春日部に来て大体45年ぐらいになるのですが、まだまだ春日部のことを知らなくて、なんとか春日部に溶け込みたいと思いまして、この度ライオンズクラブの春日部支部を女性だけでつくることになりました。
 ライオンズクラブは世界で一番大きな奉仕団体で、104年の歴史があり、日本の歴史は70年ぐらいで、私が所属している大宮グリーンライオンズクラブは結成して30年です。33年前まで女性はライオンズクラブに入れず男性だけのクラブだったのですが、台湾の世界大会を経て女性も入れるようになりました。今ではむしろ女性を入れようと風向きが変わってきています。
 ライオンズクラブはよく誤解されていて、私が例会に友達を誘うとみんなビックリするんですよ。「なんの宗教?」みたいな(笑)。野球の(埼玉西武)ライオンズ応援団のコミュニティと間違われて「そんなに野球が好きだったの?」と言われたり、ライオンズマンションに住んでいる人のコミュニティと思われたり。。それほどライオンズクラブは知られていない。世界一の奉仕団体なのにどうして知られていないんだろう?と思っていましたけど、紹介してもらわなければメンバーに入れないため、人伝いでしか広がらない難しさがあると思っています。中でも女性は子育ての間はなかなか時間的にも奉仕活動は難しいし、子育てが終わったら次は介護があったり、そういった理由で(ライオンズクラブを)辞めていったお友達がたくさんいます。
 ライオンズクラブの奉仕活動を分かっていただける例として、目の不自由な方が持っている「白い杖」があると思います。あれは目の不自由な方が道路の真ん中で立ち往生しているのを見つけたアメリカのライオンズクラブが、何か目立つものを持った方がいいと考案したものです。それを街全体が応援して、いつの間にか世界中に広がりました。
 また、現代は7人に1人の子どもが三食をちゃんと食べられていないという時代ですけど、ライオンズクラブは子どもの貧困にも取り組んでいます。子ども食堂等の子どもやシングルマザーの支援を内閣府に働きかけた結果、時の総理大臣の口から「子どもの貧困について..」という言葉が出たときはすごく感動しました。今では子ども食堂も少し増えてきましたが、7年前にそういった活動をしていました。春日部にもご飯をたくさん食べられない子どもたくさんいることが分かり、それで女性だけでそういう活動ができたらいいなという思いもあり団体をつくりました。それ以外にも小児がんの子どもたちのためのヘアドネーション(髪の寄付)の活動や、途上国の子どもたちのワクチン(はしか、小児麻痺等)を手に入れるためのペットボトルのキャップ集め等をやっています
 ライオンズクラブを知らない方は「ライオンズは敷居が高いし会費も高い」「経営者じゃないと入れない」とか言うのですが、私たちのメンバーにはスーパーのレジ打ちをしている方もいれば、専業主婦の方、父親の介護をしながら仕事をしている方もいます。「ボランティア・奉仕活動をしたいけれど、どうしたらいいか分からない」「私にも何かできることがあると思うけど、何かないだろうか?」という人を大宮グリーンライオンズクラブかすかべ藤支部へお誘いしたいです。大きなことはできないですけど、小さなことの積み重ねが大きな花を開かせますので、女性の力でぜひそういうことをやりたいと思っています。


**********************************

 モヤモヤカフェは、暮らしのなかで感じるちょっとした疑問や悩み、ワクワクするアイデアを、コーヒーなどの飲み物を片手におしゃべりをする場所です。これからも春日部で活動する個人個人の思いを紡いでいきたいと思います。

 次回のモヤモヤカフェは8月に緊急事態宣言のため延期となった「ゆいモヤカフェ」です。地域の活動現場にお邪魔する出張モヤモヤカフェ。場所はモヤ友の舟橋さんが運営する高齢者向けシェアハウス「結」で12月18日(土)の午前中に開催します。次回のゲストは後日ご案内しますので、ぜひ楽しみにしていてください。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?