#158 はじめること、つづけること


 いやー、嬉しいな。『みんな大好き塊魂』のアンコール版が発売ですって。期待していなかった分喜びも大きい。ありがとうバンナム。
 「どうせ初代が有名過ぎて続編までリマスターはしてくれないだろ」みたいな偏見が。ごめんなさいバンナム。でもそういう粋なはからいをされちゃうと、その先も期待したくなるというのが人間の性なんだけれど、それでいいのバンナム?

 『塊魂』(2004年)から1年後に発売された『みんな大好き塊魂』は、順当に進化した続編らしい出来栄えに。
 「転がして大きくする」基本ルールはそのままに、初代では「特定のモノを集める(か1つくっつける)」や「所定のサイズぴったりを狙う」ぐらいだった特殊ルールステージのバリエーションが増加。協力プレイやタイムアタックモードなど、やりこみ要素も拡充されています。

 『塊魂アンコール』から入った方は多いと思いますが、有難いことにハマれたなら、本作もきっと楽しめるはず。ステキソングは前作から雰囲気が変わってはいるけれど、相変わらずの良曲揃い(やっぱり日に焼けた肌)。アンコールではプレイリスト機能が追加されるのね。これいいかも。

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  で、「その先」というのは「新作」の話です。
 『僕の私の塊魂』とか『ビューティフル塊魂』とか『塊魂TRIBUTE』とか『塊魂 ノ・ビ~タ』とか、まだリマスターされていない作品もアンコールで出してくれ、という要望は自然と出てくるでしょうけれど。

 『ノ・ビ~タ』が発売されてからかれこれ十余年。同じくPSVitaのローンチタイトルで止まっている『リッジレーサー』シリーズと同じく、現行機で新しいのを遊びたいと願っているファンは少なくないと思います。王様叶えてくれねーかな。アルコールの勢いでバンナムにかちこんでもらえれば何とか…。
 え? 『タップマイ塊魂』があったじゃんって? あれは、うん、まぁ。ステキソングのアレンジは嫌いじゃなかったよ。

 とはいえ、「本当にお前らが欲しがっているのは新作なのか?」と問い質されると、100%そうとは言い切れないところもあって。
 PS Plusのプレミアムプランではクラシックスカタログに『リッジレーサーズ2』と『R4 リッジレーサータイプ4』が収録されています。流石にグラフィックなどは当時のクオリティではあるものの、現行機で遊べるという点が大きなアドです。うちのPSP、もうUMDをうまく読み込んでくれなくなっちゃったから。それ以上にバッテリが…ネ…。

 それ以上に、どちらのシリーズも、もう行きつくところまで行ってしまっているところは否めない。『ビューティフル塊魂』で文字通り天文学的なサイズまで大きくできてしまったし、『リッジレーサー7』でニトロシステムが文字通り「アルティメット」に達した(決して良い意味ではない)し、ではこの先何を盛り込んで新作として出せるのか、セールス面を考えても実現はかなり難しいのかもしれません。
 そうするぐらいなら過去の名作を現行機で遊べるようにした方が、安いし早いし需要も見込める。なるほど至って合理的です。

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 だけど、ちょっと諦めきれない。新作"らしくする"ための、ちょっとしたアイデアをいくつか考えてみましょう。…と勇んでみたはいいものの、「従属」的な要素にしかならなかった。大体以下のような感じで。

①特殊能力

 真っ先に思い付いたゲームシステムのアイデア。
 専用のゲージが用意されていて、モノをくっつけることで貯まっていき(レアなモノを巻き込むとゲージの伸びがいいとか、グンと伸ばすためのモノが置かれているというのでも良いかも)、一定量に達すると特殊能力を発動できる状態になる。

 能力には数種類あり、それぞれで発動するために必要なゲージの貯まり具合や効果の継続時間が変わる。一部の能力は発動回数をストックできるようにしても良いかもしれない。

 これに近しいのが『塊魂TRIBUTE』の"ハート"というアイテムで、巻き込むと一定時間周囲のモノを吸い寄せつつ巻き込めるか、一気に広範囲のモノを吸い寄せてくっつけることができる(ステージによっては地雷アイテムだったりする)。それを任意のタイミング・場所でできるようにする。

 ざっと思いつくだけでも、壁(崖)や天井に張り付いて移動できる「スパイク」(『ソニック カラーズ』と全く同じだけどご愛嬌)、うっかり長物を巻き込んで転がしにくくなった時に形を整形(丸く)できる「ラウンド」、時間の流れを遅くして動物などを逃さず巻き込める「スロー」、障害物にぶつかった際に崩れにくく(弾きとばされにくく)なる「メタル」。
 こんな感じの能力を駆使して転がしていくようにすると、ルート開拓の幅が広がるし、一種の救済要素にもなるんじゃないだろうか。必須にすると途端につまらなくなりそうなので諸刃の剣だが。

 問題はボタン配置。スティックに左右の親指、L/Rボタンに人差し指と中指を持ってくるとなると、「塊を転がしながら発動できるようにする」には使えるボタンが限られている。しかも『塊魂TRIBUTE』の「王子ホッピング」(高くジャンプする)の登場により、R2(ZR)ボタンまで埋まる始末。
 「発動する能力を選ぶ」のと「選択した能力を発動する」のを1ボタンでやるのは誤爆(ないし不発)を招くので、どうしても2ボタンを使ってさせたい。

 ホッピングを廃止するか、能力の一部に含めていい(R2/ZRボタンをフリーにする)のであれば、L2/ZLボタンで能力を選んでR2/ZRボタンで発動。
 残すのであればL2/ZLボタンで能力を選んで、L2・R2/ZL・ZRボタン同時押しで発動。どうかな。どうなんだろ。

②マイ塊

 『どうぶつの森』シリーズのマイデザインってありますよね。アレ

 後述するオンライン要素で、対戦時に使えたり、共有出来たりすると楽しいと思うのね。ただ、塊の「イボ」(って言っていいのか?)のところをどうオリジナルデザインに落とし込むかが難しそう。

③オンライン対戦

 これまでのシリーズだと、ネットワークランキング対応ぐらいしかなかったオンライン要素をパワーアップさせてみる。伸びしろがあるとするなら、一番はここかもしれない。
 ゲーム本編で撮影した写真をプロフィールカードに利用できるようにすると、カメラ機能のモチベーションも上がると思う。

 対戦というと、『僕の私の塊魂』のカメレオンステージがヒントになる。このステージのルールは、8分間の間に「特定のカテゴリのモノを一定量集める」お題(出題されてから30秒以内に達成できないと失敗)を8問以上クリアするというもの。このルールで対戦できたら中々に白熱するんじゃないかと。

 1問あたりのお題の制限時間は30秒そのままにして、「先に○個集める」「より多くのモノを集める」「特定のモノを持ち続ける」といったこれまでの対戦ルールを交えたお題を出していき、達成したプレイヤーに1ポイント与える。で、気軽に〇ポイント先取で勝利とか、時間いっぱいまでポイント数で競うとか、勝利条件を選択できるとよりカジュアルに楽しめるか。
 レートシステムは…要らないんじゃないかね。

④ステルスモード

 『塊魂』に限らず、色んなゲームにあっていいと思う要素。このモードだと自身の存在が認識されなくなる。昔だったらチートコードを使って実現できていたやつ。『塊魂』だったら、王族らしく「オシノビモード」と称するのが適当かな。
 できることなら、動きモノの観察をしたいんですね。モンスター図鑑が用意されているゲームは珍しくないし、『塊魂』でも「素敵コレクション」があるけれど、そういう専用のコーナーでフィギュアみたく眺めるだけではなく、あくまでもゲーム本編内での動向を、気付かれないように、でもグッと接近して観ていたい。カメラ機能でも狙った1枚が取りやすくなると思う。

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 こんな具合で考えてみたのですけれど、これで一つ新作…はどうですか。難しそうですか。そうですか。

 特殊ステージ案のアイデアも思い付いたのですが…「画面上に表示されないモノをソナーを頼りに巻き込んでいって、全てのモノを巻き込んだらクリア」というオリエンテーリング的なステージ。「初期状態の制限時間が短く設定されていて、時間を延長できるアイテムを巻き込みつつ大きくしていく」ステージ。「大きさより重さで計る」のはどうだろう、とかあーだこーだ妄想に浸っている時が楽しいのかも。
 あ、そうだ。前も話題に出した、「PLATEAU」の3Dモデルで塊を転がすとか。誰でも思いつくことであっても、それを実現できたら偉い。世界観をメッタクソに毀損することにはなるけども。

 結局、何が言いたいかってと。
 実に初代で完成しちゃっているんです、基本的なゲームシステムが。

 何かを始めるのも続けるのも、とても大変。
 そんな中で、一際ユニークで印象に残る『塊魂』は本当にステキなゲームだな、としみじみ思います。

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 ということを書くためだけに2ヶ月も時間を費やしてんじゃないよ!!

 今月もまた月末投稿だし。『うわそら』も来月で6周年ですよ。よくもまぁ7年間も続けられているもんだ、大分ギリギリの運営ではあるけどな!

 というか、この頃全然ゲームできてないです。年度末ということもあって中々に忙しく、仕事中は水増しされているモチベーションも、家に帰って仕事から解放された途端にダダ下がりな毎日でございます。積みゲーもできてるし。それを崩さないと『みん大アンコール』に辿り着かんぞ。

 ん?

 「ゲームとかばっかりしていないでお外で遊びなよ」??


 サーセン。
 今回はこれにて上がらせていただきます。デュデュデュデューン。