GEE　FDD　CDE※GGG
FFーEDDD　※EーDC
GCーEGー※CーAー　AGーEFDGEー
Eー※CDーEーCーGー　CーBCDーGーEーDCDー
EDCーDーEーAーGー　EE※ーDCDー
EーDCDーEDCーB※A
CーBA※CEA　FECBA
AーFCC※ーGFEFGー
EEEEDCCBAACE　AAAAGF※EDDEF
CーDEーCEーCーEー　※ーEFFEDFー
（注意……すべてハまたはイｍに直してあります）

この暗号も、いよいよ解かれようとしている。
ギターを使って、青一（せいいち）が弾いてみる。どうやら1行目は「ちょうちょ」というよく知られた曲だ。2曲目以降も同じように弾いてみる。
伸ばし棒や空欄では正確なリズムがつかみにくく、また、ドレミはわかってもオクターブ上かも下かもしれず、難しかったが、どうにか全曲わかった。次のようになる。

ちょうちょ
おお牧場はみどり
早春賦
もみじ
こいのぼり
かあさんの歌
うれしいひなまつり
手のひらを太陽に
禁じられた遊び
ドレミの歌

「※マークのところは、簡単にわかったな。※マークに入るアルファベットは、こうなる」
青一が自信満々に、紙に書いていった。

ＦＥＣＤＥＣＢＡＦＤ

「うん、何にもならねえな！」
そして何がおかしいのか、愉快そうに笑った。
光太郎には気になることがある。「ちょうちょ」や「もみじ」は歌い出しの部分。「おお牧場はみどり」や「うれしいひなまつり」は歌い終わり。「手のひらを太陽に」はサビというのか、真ん中あたりの部分である。
その必要があったに違いないのだ。
「するとこれは、アルファベットとか、ドレミじゃない」
光太郎は該当する部分の歌詞を書き出していった。

ちょうちょ　ちょうちょ　なのは※とまれ
よびかけるよ　※たしに
はるはな※みの　かぜのさむさや
あ※のゆうひに　てるやまもみじ
やねよりたかい　こい※ぼり
かあさんがよなべを※て
きょうは※のしい　ひなまつり
てのひら※たいように
かわのそばにきょうもたてば　あおいそらが※ほえんでる
ドはドーナツのド　※はレモンのレ

「これで、※に隠された字を拾っていくと、こうなる」
さらに光太郎は書いていく。

にわのきのしたをほレ

「つまり、『庭の木の下を掘れ』ということだよ！」
「そういうことか！　ばあちゃん、何か埋めたんだな。ありがとう、光太郎！」
「分け前は10分の1でいいぞ」
二人は物置からスコップを取り出すと、目的の木に向かって駆け出した。

（終わり）