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生存確認


次の日のシフトももうすぐの大阪に行くのも、どうでもよかった。わたしがいなくなれば、わたしの存在をこの世の中から消し去れば、きっとみんな救われる、きっとみんな幸せになれる。わたしなんかいないほうがいい。

いつかのためにカバンの中にしまいこんでいた100錠入りの薬を酎ハイとともに流しこむ。30分もたたないうちに体の中、どこか達成感に満ちていた。

死んでもいいと思った。でもどうせ死ねないし世界は続いていくんだよなとも思った。どちらかというと後者のほうが強く感じていた。
ただの現実逃避、ただ少しだけ逃げたいだけ。寂しさや悲しさみたいな心のしんどさなんて、体の苦しみに溺れていればあっという間だ。

案の定、夜中に全部吐いた。身体中そわそわして眠れない。10分くらい経った感覚がまだ2分しか経ってない、そんな感覚を過ごす。水分ですら全部吐く。
次の日、ぼんやりした頭でとぼとぼ歩きながらバイトに行ったけど、品出しをしようとして商品を持った瞬間、思考と体が止まる。動けない。倒れる寸前で帰りなさいと言われた。

何がしたかったんだろう、と思った。死にたかったけど、死ねると思ってなかった、そのくせして死にたいと思って全部つめこんだ。最高に矛盾だ。苦しみに溺れて逃げ切れたとして、その後に待っているのは自己嫌悪でしかない。何もかもわかっているはずなのに、いつも自分を下に下に落とすことしかできない。

精神科の予約も主治医との約束も全部破った。全部逃げてまわりの人全員不幸にして敵にまわしてる。
わたしを救えるのはわたししかいない。誰かにどんなことを伝えても、どんな言葉をかけてもらっても、送ってもらっても、わたしを変えていけるのはわたしでしかないし、苦しみを存分に感じて生きていかなきゃいけないのは、わたしでしかない。他人に何がわかる?わかってたまるか。でも、救ってほしかった。わかってほしかったし、味方でいてほしかった、でも、それはわたしをどこまでも孤独にするの、だから自分から全部捨ててやろうって感じたの、ごめんなさい。

どうしたら死ねるか、なんて答えは出てるはずなのにそれを実行できないのはわたしが弱いからなのか、まだどこかで希望があるって思っていたいからなのか、死にたくないからなのか。全部かもね、わたしは弱っちいしワガママで欲張りだ。こうしている間にも本当に強い人たちはみんな死んでいくんだから、ね。
這いつくばって生きていく、なんて強がりは言えないけど、たぶん明日も呼吸していますので、どうぞよろしく。

#OD #オーバードーズ


わたしの文章で何かできそうなことがあれば、全力で力になりたいと思っています。