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【鉄道・公共交通】南薩も含めた広域経済圏視点での「谷山駅パークアンドライド構想」


現在、JR九州指宿枕崎線の谷山駅は、鹿児島県の県庁所在地である鹿児島市(人口約60万人)の副都心として、沿線の高架化や駅前周辺の整備が進んでいる。谷山支所管轄の人口は現在約16万人。しかし谷山という場所は、鹿児島市の谷山支所管轄に在住している方だけでなく、南薩(薩摩半島南部。主に鹿児島県南薩振興局のエリア+一部。具体的には枕崎市、南さつま市、南九州市、指宿市、鹿児島市喜入支所地区、日置市の南半分(旧吹上町など)。人口は現在約14万人。)にとっても、高頻度で通過する大事な交通の要所である。


現在、南薩から鹿児島市内中心部に向かう人は、大部分は、「車一択」であり、あとは学生や免許をもっていない人中心に鉄道かバスなどの公共交通を利用している。公共交通は利用者が減り、運行本数が減り益々利用者が減る悪循環に入り始めている。

南薩在住者の視点では、車の場合は、谷山ICから指宿スカイライン(有料)を抜けて鹿児島ICに行けば、確かに早くいけるが毎回お金がかかるので、多くの方は一般道(産業道路や国道225号線など)を通るのだが、ここは朝夕激しい渋滞があり、時間が読めない。谷山あたりまではスイスイ行けるのに、谷山から先が酷いのだ。

また、公共交通の場合も、JR指宿枕崎線は指宿市以外の方にとっては迂回的路線のため所要時間がかかりすぎる、更に谷山駅(JR)と谷山電停(鹿児島市電)が離れている、バスも本数が少ない上に、国道225号線の渋滞により時間通り動かないなど、谷山地区はとにかく混雑や利便性の悪さで南薩在住者にとっては公共交通利用を敬遠してしまうのである。

谷山・南薩住民全員が鉄道やバスを利用するようになれば、公共交通は十分生き残れる可能性はあるが、非現実的である。そこで、一部の移動を公共交通にシフトできるような施策の1つとして、「JR指宿枕崎線沿線にパークアンドライド(駅に便利にアクセスできる駐車場)の整備」がある。

谷山地区の中心にあるJR谷山駅に関しては、現在駅前も含め大規模な再開発が行われているが、現在はJR(鉄道)と一部バス会社のバス停のみしか整備されていない(ように見える)。そこにオフィス街・繁華街(天文館周辺)にもアクセスできる鹿児島市電(現谷山電停から延伸)、全てのバスが便利に利用できるバスターミナルの整備、そして駅前・駅周辺にある程度車を収容できる駐車場を整備し、公共交通利用を促進できるようにすれば、過剰な車運転による環境負荷も減り、運行本数も増えより公共交通利用者が増えるという好循環になれる可能性があるのではないか。市電やバスを全て整備できなくても、まずは駐車場だけでも整備できないかと思う。

バスは、鹿児島市宇宿地区の宇宿駅&脇田電停、市営バスのように、全て市中心部に向かっていた運行の大部分を脇田電停発着にして、JRも市電も利用できるようにしてバスの運行本数も増えて便利になった。これを谷山にも導入して、路線バスを周辺地区から多くが中心部に向かうのではなく、より谷山駅に集中するようにすれば(飛行機のハブ&スポーク方式のようなもの)、もっとバスもJRも利便性が増すと思う。JRと市電の近接は必須条件だと思う。

駐車場に関しては、谷山駅は永田川がすぐそばを流れ、かつ谷山駅までの周辺からの道路網が現状貧弱である。なので、大きな駐車場を作っても現状では谷山駅一極集中ではパンクしてしまうなどの課題がある。このあたりは、周辺地域の道路の整備も必要かもしれない(南高校前の道路をもう少し整備し、谷山駅裏(立体駐車場作るなら便利)に立体的にアクセスできるような道路は作れないものだろうか)。谷山駅一極集中で無理なら、JR指宿枕崎線沿線に分散するという手もある。ごみごみしている坂之上駅周辺は無理としても、喜入(頴娃方面)、平川(知覧方面)、五位野(川辺・枕崎方面)、慈眼寺(南さつま・吹上・南薩縦貫道方面)あたりにはパークアンドライドに使えるような駐車場を作る余地はまだまだあるように思え、鉄道会社と行政のタイアップ(乗り継ぎ割引などの運賃助成も含め)は不可欠だと思う。

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