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鉄印を集める旅|台風接近中!伊勢鉄道・養老鉄道・樽見鉄道を乗り継いで「津→本巣」


まずは近鉄田原本線、そして「ひのとり」に乗る

台風7号がゆっくりと近づいている8月14日早朝、近鉄田原本線の新王寺駅からスタートしました。駅のベンチでコンビニのおにぎりを2つ食べ、ワンマン運転の列車に乗り込みました。
田原本線って始発の新王寺駅には同社生駒線王寺駅が、終点の西田原本駅には同社橿原線田原本駅がすぐ近くにあるのに、駅はそれぞれ独立しているから面白い。鉄道会社合併の歴史なんでしょうね。

新王寺 7:43 → 西田原本 8:06 【近鉄田原本線】
田原本 8:13 → 大和八木 8:20 【近鉄橿原線】

大和八木駅に着きました。路線図を見るとこの駅は重要な場所にあるということがわかります。近鉄が伸びているあらゆる方向へ行ける駅。だから駅構内で行き先の表示を見ても、多方面の地名がいっぱい書かれていて、向かおうとしている電車はどのホームに行けばよいのか迷いました。

(引用元:近畿日本鉄道
近鉄初心者には、行こうとしている方向がどのホームなのか探すのが大変。

ここから特急に乗って三重県の県庁所在地・津駅まで向かいます。特急に乗るなら良い機会なので「ひのとり」に乗ることにしました。ひのとりに合わせて新王寺駅出発の時刻を早く設定しました。目的の特急券が発売開始となる時刻ちょうどにサイトへアクセスしましたが、先頭車両(プレミアムシート)最前列真ん中は取れませんでした。それでも第2希望の1人シートは確保できたので、津駅まで前面展望を楽しみました。

特急「ひのとり」
最前列一人席からの前面展望。

大和八木 8:29 → 津 9:24 【近鉄特急ひのとり】

ほぼJR路線の伊勢鉄道

津駅からは伊勢鉄道(ほぼJR路線)に乗って鈴鹿駅に向かいます。モータースポーツは興味がないので鈴鹿と聞いても胸騒ぎも起こりません。

津駅。むかし「?」に見えるとか見えないとか言ってたわ。
津駅始発の伊勢鉄道に乗ります。

ワンマン運転って運転手さんが大変ですね。無人駅が多いから運賃の精算もしなきゃいけないし。まあローカル線だと単線であれば途中で長めに停車して反対方向から来る列車を待つこともあって、少々遅れても時間調整ができるだろうし、慌てず乗客に対応できますね(じつはこの習性のおかげでこのあと少々焦ることになる)。

津 9:39 → 鈴鹿 10:03 【伊勢鉄道】

鉄印を買うためだけにここで途中下車しました。
#25伊勢鉄道  13個目の鉄印ゲット(13/40)

鈴鹿 10:17 → 桑名 10:37 【快速:ほぼJR路線】

津駅からずっと近鉄に乗ったままでも桑名駅にたどり着くんですけどね。現に桑名駅へ入る手前数キロは近鉄と並走していますから。

大好きな「顔」がいた養老鉄道

桑名駅からは養老鉄道に乗って三重県から岐阜県へと県をまたぎます。東海道本線の大垣駅をめざして一気に内陸へ入っていきます。東海道本線と聞くだけで全然違う土地に行く感じがします。
近鉄が運営していた時期があったことが関係しているのか、近鉄の旧車両が幾つか走っていました。今回乗ったのは近鉄おなじみの顔。しかも現在の2色ではなく、かつての単色車両。正直申し上げてこの単色車両、日本で一番好きな「顔」であります。

この顔! いつまでも見とれてしまいます。

桑名 10:45 → 大垣 11:53 【養老鉄道】

養老鉄道には鉄印がありません。40社が参加している鉄印帳プロジェクトには入っていないのですね。それに似た独自のものを販売しているようです。ガタガタと揺られて1時間ちょっと。新幹線をくぐったら大垣駅に着きました。

満員だった樽見鉄道

ここまで見事なほど分刻みの乗り継ぎでしたが、台風が近づいているのに天気も崩れず、遅延もなく無事乗ってくることができました。大垣駅でやっと18分という空き時間が作れたので、コンビニで”行動食”と飲み物を仕入れて、本日最後のローカル線、樽見鉄道のホームへ向かいました。

大垣駅の樽見鉄道

樽見鉄道も多くのローカル線と同様1両のワンマンカーだったのですが、なぜか乗客でいっぱいでした。これまでローカル線が満員になっていることがなかったので面食らいました。中高生や20代に見える客層が多く乗っていました。「きっと途中駅にアニメの聖地があるんだろう」と想像しました。
ボックスシートの進行方向を向いて座る通路側の席がひとつ空いていました。目の前の初老男性は缶を半分隠しながらチューハイを飲み始めました。右隣の男性はスマホで窓の景色をずっと撮っていました。手首を固定するのが大変そうでした。
大垣駅から約20分、モレラ岐阜駅に停車。畑の真ん中にある駅でした。すると若い乗客のみなさんが一斉に前の扉へ向かいました。「モレラ岐阜」は畑の真ん中にあるショッピングモールの名前でした。

若い人たちにとっては大垣駅よりもこちらの方が電車に乗ってでも行きたいと思う場所、休みの日に友だちと遊びに行く場所なんでしょう。
発車時刻を過ぎても降りる客はなかなかハケません。運賃の精算で時間がかかっている人もいました。車内の混雑はなくなったけれど、定刻に発車しない状況にだんだん不安を感じるようになりました。

じつはこの日一番の懸念事項は、この先降車予定の本巣駅からの乗り継ぎだったのです。
本巣駅で下車した場合、戻りの大垣駅行き発車時刻は到着予定時刻の1分後、これでは鉄印が買えないので乗車は不可能。でその次の電車はというと90分後の14:08発。これだと時間のロスが大きすぎる。
そこで本巣駅近くを走る路線バス、コミュニティバスを調べてみました。お盆時期のバスは休日ダイヤで運行している場合も多いので、時刻表を確認しながら見ていきます。
すると本巣駅から1kmちょっと離れた本巣市役所から岐阜駅に向かってバスが出ていることを発見。しかも複数のルートが出ていて発車時刻は12:48、つぎが12:54でした。現実的なのは12:54。これを逃すと次は1時間後の13:54までありません。
本当にここが勝負どころだったので、前日に本巣タクシーに配車予約をしておきました。

そんな中の予想外のモレラ岐阜駅での遅延だったのです。
降りる客が全部ハケて発車できたのが12:40。本巣駅まではあと2駅。市役所のバス発車時刻は12:54。降りたら窓口で鉄印買わなきゃ。ホームで一枚くらいは写真を撮っておきたい。複数のミッションが頭の中でグルグル回り始めました。

大垣 12:11 → 本巣 12:37(予定) 【樽見鉄道】

スリリングな乗り継ぎ

12:44に本巣駅に到着。列車を駆け下りて誰よりも早くホームの端まで行き、1分後に発車する(結局12:45発になってた)隣りに停まっている列車も入れて一枚撮りました。

渾身の一枚

すぐにでも改札へ行きたいところでしたが「列車が発車しますのでここでお待ち下さい」という駅員さんの制止に、写真を撮った場所で大垣に向かう列車が過ぎていくのを足踏みしながら待ちました。列車が過ぎると競走馬のスタートのように窓口へとダッシュして鉄印を購入しました。

#22樽見鉄道  14個目の鉄印ゲット(14/40)

タクシーは待っていてくれました。名前と行き先を言って乗りたいバスの発車時刻を告げました。間に合うかなぁという答えが返ってきました。
タクシーが通る道やその景観には既視感がありました。そう、それくらい事前にこの懸念ポイントをストリートビューで見まくっていたということです。結局余裕を持って本巣市役所へ到着しました。
バスがくるのを待ち構えるかたちで乗車。乗り口で最強ICカードSuicaをタッチするも反応がありません。見ると「ayuca専用」とありました。
ayucaとは岐阜バスグループ専用のICカードのようです。意味ねぇ。使えねぇ。近々廃止になるようですが。

本巣市役所 12:54 → JR岐阜駅 13:36 【岐阜バス】

台風対策で東海道本線はお昼から減便運行を行うとのアナウンスがありましたが、この段階ではその気配はありませんでした。

岐阜 13:53 → 名古屋 14:13 【JR東海道本線 新快速】

名古屋駅で住よしのきしめんをいただきました。今日最初のまともな食事でした。台風接近もあったので、乗車予定だった新幹線を変更し帰路につきました。途中立ち往生もなく東京まで戻ることができました。

この日通ったルートは、翌日には台風による大雨強風で運休になった区間もあり大変だったようです。東海道新幹線に関しては今日(8月17日)現在も正常運転ができていない様子です。絶妙なタイミングで乗り鉄できたことはとても幸運だったと思います。

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