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【七転び八起きの一起き目①】

【七転び八起き】マガジン

 転んだら寝転がって天の川

 まだスマホのない時代、オープンしているのに誰も来ない店、ランチタイムは閑古鳥、ディナータイムは持ちぼうけ。
 古着屋を始めてから毎日パソコンを触るようになった。その前までは何か調べたい時たまにちょっと開いて何かを検索してみる程度、もしくはエクセルワードで書類作るぐらいだったけど、古着屋なんだかをやり始めてからはあまりに暇だったから日常的に流行りのブログを覗いたり、ヤフオクをチェックしてみたりするようになった。
 そんな時に相方が言ったんだ、その頃、自分たちで作った社会人サッカーチームの試合結果をコラムみたいな感じで携帯のサイトにアップしていて、それがわりと好きだったらしく、そういう感じでブログを書いてみればってね。
 言われたら調子にノる方だ。生まれつきのクラウンだ。まずはコラムみたいな感じで書いてみようと思ったけど、気がついたら小説を書き始めていた。
 その小説ブログをやり始めたことで学んだことがある。発信するだけじゃ届かない、それならばあれこれ試行錯誤する前に全力で受信してみろってこと。この学びを後にライブ配信で活かすことになるんだけどそれはまた別の話で。
 最初は同じようなブログ小説を読むことから始めたけど、徐々に違うジャンルを読むようになって、気に入ったり気になったモノにはフォローいいねコメントを出来るだけするようにした。ブログのルールというかマナーというかそういうのも学びながらね。もちろん自身のブログはサボらず定期的に更新した。
 そうすることでプラットフォーム内の小説ランキングで何ヶ月か1位になったり、人気ブログランキングの小説部門のランキングで上位に入ったりと、それなりの成果は出せていたと思う。

 オープンしているのに誰も来ない店、ランチタイムは閑古鳥、ディナータイムは持ちぼうけ。
 状況は変わらないが暇ではない。

 またこれも相方からの紹介だったんだけど、今になって思うが、彼がプロデューサー的なポジションで自分がプレイヤー的なポジションをとっていればあんな失敗はしなかったかもしれない。オーストラリアで買ってきた商品をヤフオクで売り始めたのも彼のアイデアだったし。そうそう、そこで彼から紹介、提案されたのがmixiというSNSだった。
 最初にソーシャル・ネットワーキング・サービスという言葉を聞いた時は、完全に怪しいビジネスだと思ったよね。思ったよね?
 今でこそ老若男女問わず登録して活用しているサービスだけど、あの頃はmixiが招待制ということもあって、新手のネズミ講的なビジネスじゃないのかって疑っている人も多かった。

 実際に使い始めての感覚はより距離感の近いブログというか、発信よりも交流をメインとした場というか、そういうノリが肌に合ったのもあり、次第にのめり込んでいったけど、それは時代も同じだったようで、気がつくと多くの人たちがSNSに両足突っ込んで立ち止まり始めていた。

 15席程度のクソ狭い店でひとり、ブログとmixiを更新する日々。資金はどん底、テンションは最高潮

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