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【ライブ配信①】

 コロナ禍よりもちょっと前、ずっと前、そんなに前じゃないけどそれなりに前。まだライブ配信がコ◯キアプリとかってバカにされたりもしていた頃。なにがキッカケだったかは覚えてないけど、たぶん暇だったとか、遊ぶ金が欲しかったとか、ほんの遊び心で……とかそんな理由でライブ配信に挑戦してみたことがある。挑戦とか言うとちょっと良いことみたいな響きになるよね。あ、先輩がライブ配信のマネージメント会社を立ち上げたから手伝って欲しいって誘われたからだったかも。

 職場の中富良野までの通勤時間が車で1時間ぐらいだったから、その間の垂れ流しで景色映しながらテキトーに喋れば良いやって感じで最初はスタートしようとしたんだけど、運転しながらの配信は禁止ってことを知って、そのプランは即座に座礁した。行き帰り往復2時間配信して25日で5万円って気楽な計算だったのに。
 ピザ回すぐらいしか取り柄ないし、ずっとただピザを回してるだけじゃ間が持たないからどうしようってホント困ったよね、確か月に何時間か、1日最大2時間まで、みたいなルールもあったからそれに沿ってやらなきゃいけなかったし。そうそう、確か1日に2時間までは時給が出るって縛りのある契約だったと思う。あとは規定の配信時間に達しなければ1円にもならないって契約だったかな。やるのであればある程度継続しないと時間の無駄になるだけってやつね。他にも色々と規約やらなんたらあった気がするけどそんなに細かくは覚えていない。

 他の人の配信を参考にしてみようと思って何日かはリスナーとして参加してみることにした。ナイトワーク的な喋りの人とか、歌ってる人、ありがとうの練習してる人、音楽やってる人、そういう感じの配信ばかりであまり参考にはならなかったけど、事務所の人に薦められて見たトップライバーのコ、テレビとかにも取り上げられていたコのパフォーマンスは斬新で面白くてこういうやり方もあるんだなーって感心したりもした。
 あの頃はその頃はライブ配信がまだマイナーな時代で、配信者も少なくて、これがスタンダードってカタチすらなかったから、みんながみんな試行錯誤

 結論、もともと計画的に行動するタイプでもないから、考えてもキリがないし、とりあえずやってみてやりながら模索すりゃ良いかということで配信開始。やってみたいっていう好奇心が芽生えたら待ったり練ったりできないタイプ、ピザ屋としては致命的だけど。

 そんなわけで初期の頃の配信はピザアクロバットの練習しながらありがとうを繰り返す配信だった。むしろ配信の練習を配信していた感もある。スマホに向かってコメントありがとうございます、フォローありがとうございます、いいねありがとうございますと独り言みたいに繰り返す姿は異様だったよね、今では良く見かけるけど。

 2時間の練習を配信する=配信のために2時間練習する。これが絶妙なバランスでちょうど大会に向けて練習しなきゃならない時期だったから生活には苦も無くフィットした。可もなく不可もなく。リスナーが少なくても練習にはなるから損するわけではないし、それで2時間分の時給貰えるとか一石二鳥感は満載だ。
 そしてある時期から自分も他の人の配信をよく見るようになった。以前のような勉強のためにチェックするとかではなく、ただ単にめくっているとたまに変な奴がいたりして面白かったから。しかもわりとコメントしたりする方だったから、変な目立ち方してそれでリスナーが増えたりもしてた気がする。シュールなコメントする妙なピザ屋がいるぞみたいな。

 準備完了、さぁいこうか。

【ライブ配信②】

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