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【ピザ世界選手権①】

 ピザ世界選手権優勝店ですなんて言ってみても、仰々しいし嘘くさいし胡散臭い。けど、ちゃんとやってるんだからねピザ世界選手権。
 自分たちが毎年出場しているのは世界二大大会と呼ばれているCampionato Mondiale  Della PizzaInternational Pizza Expo Las Vegasの2つ。開催地はイタリアのパルマとアメリカのラスベガスだ。
 他にもピザの大会としてはカプートカップっていうナポリピッツァの大会が有名かな。
 カプートカップはあくまでナポリピッツァの世界大会だから、今のところ出場する予定はない。日本ではナポリピッツァの大会が有名だけど、ナポリピッツァ協会もあるしね、あくまでそれはナポリピッツァというジャンルの大会だから、自分たちはオールジャンルの大会のみに出場しているというわけだ。
 そして、それぞれの大会には細かい部門ってのがある。
 イタリア大会であるCampionato Mondiale  Della Pizzaの部門から説明すると、こんなにある。
【料理部門】
・クラシカ
・グルテンフリー
・ピッツァインテーリア
・ピッツァインパーラ
・ピッツァナポレターナSTG
【特殊部門】
・ワールドピッツァチーム
・トライアスロン
・ハインツベックトロフィー(プリモピアット)
・ピッツァドゥエ
【技術部門】
・フリースタイル
・ピューラルガ
・ピューベローチェ

 カタカナにするさい英語とイタリア語が混ざっているのは気にしないで、分かりやすさを優先した結果だから。
 この中で1番名誉ある賞はクラシカ部門だと認識している。料理部門全てのピザの中で1番を決めるのがクラシカ部門で、料理部門のどの部門にエントリーしても自動的にクラシカにもエントリーされるってシステムだ。総エントリーは800人〜900人ぐらいだったかな。
 クラシカ部門では各国の1位にも国別最優秀賞が贈られ、立川は2018年にそれを受賞している。

 ハインツベックトロフィーは大会内で超有名料理人であるハインツ・ベックが主催するプリモピアット(パスタ・リゾット)の大会で、ファイナルの審査員にはハインツ・ベックも加わって行われる。
 事前に書類(レシピと料理の写真)による1次審査があり、通過すると現地での2次審査に進み、最終審査にはそこから6人が選出される。
 2023年にこの部門でファイナリストになり、審査員特別賞を受賞したけど、例年より出場者が少なかったから、実力ではなく運だと思っている。

 ピューラルガは生地を大きく伸ばす競技で、ピューベローチェは早伸ばし。フリースタイルはパフォーマンス的な要素もあるいわゆるピザ回しとかピザアクロバットと呼ばれる競技。
 ワールドピッツァチームは団体戦で、ピッツァドゥエはシェフとピザ職人が2人で1つのピザを作る競技。トライアスロンは今のところよく分からない。
 面白いのはこの大会にピッツァナポレターナ部門があることだよね。世界選手権にピッツァナポレターナ部門があって、ナポリはナポリで大会やっちゃうのがとてもイタリアらしい。
 ただ、カプートカップのカプートって小麦粉のメーカーだから、そこが主催だとフェアな大会じゃないじゃんっていつも疑問に思ってる。だってそりゃ常日頃カプートの小麦粉を使ってる職人が有利になるのは明白じゃない、ジャッジ的にも。カプートカップの優勝者はチンクエスタジオーニの小麦粉を使用してます!とかありえないと思うし、そのあたりはどうなってんだろう。

 アメリカ大会は料理部門と技術部門が2つに分かれている。
・World Pizza Challenge(料理)
・World Pizza Games(技術)

 で、その中にいくつか部門がある感じだ。ちょっとイタリアの書くので疲れたから割愛するけど、そのうちまた細かく書こうかな。
 面白いのフリースタイル部門と料理部門には過去に優勝したことがある人は出場できなくて、その代わりにBest of best(料理)とMasters(技術)っていう、優勝経験者しか出場できない部門があること。プレイオフ制度とか盛り上げるのが好きなアメリカらしいシステムだよね。
 自分はラスベガスではここ何大会か連続フリースタイル部門4位で、立川はMastersで2位が最高位。お互いにラスベガスは苦手としていて、だからこそ同時優勝が毎年の目標だ。

 ちなみにイタリアのフリースタイル部門は2日間の予選を行って上位6人だけがファイナルに進出できるシステム。
 大会の全てのプログラムの最後に6人が競い合うファイナルのステージ、初めてそこに立った時の感動は忘れない。
 今のところ立川と2人揃って4大会連続でファイナルに進出しているんだけど、自分の最高位は4位。立川は全てで3位以内に入っており、2015年と2018年は優勝、毎年必ずメダルを獲得しているバケモノだ。

 そんな感じでピザの世界選手権の詳細をまとめてみた。日本のピザ職人たちがどんどん世界に目を向けて出場するようになると嬉しいし、そんな最高峰の舞台で活躍する日本人がいることを知って欲しい。

 日本人ってすごいんだよ。

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