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【ライブ配信④】

【ライブ配信】マガジン

 せっかくのチャンスをふいにした、棒に振った。棒に振るって言葉の語源調べてみたけど、なるほどとはならなかったし正直いまいちピンとこなかった、そのぐらいのテンション。

 DJとドラマーがプチバズりしたのを横目に、テンションはダダ下がり、配信してる時間よりも人の配信を観る時間の方が増えた。時給でお金もらえる規定の時間数だけ配信してりゃそれで良いかなぐらいに。

 夏になったら中富良野っていうとんでもない田舎のとんでもない観光地にあるとんでもなく小さな小屋でとんでもない量のピザを、とんでもなく長い期間休みなしで焼かないとならないから、配信は正直厳しいかなと思っていた。
 だけどまぁ6月のオープンから1ヶ月は暇だからダラダラと仕込みしながら配信しても良いかなと思い、そのためにオーディオインターフェイスを探し始めた。
 人のライブ配信をよく観るようになっていくつか役に立ちそうなことをメモってたんだけど、そのうちの1つ、やはり音楽は強い、音質大事、音質悪いとダルい
 DJやドラマー、シンガーなどの音楽配信はネタ切れがなくて良いなって思ってたけど、それ以外にもちゃんとバズってる要素ってのがあって、そのひとつが音質と選曲の良い配信は長居しやすいということだった。
 別にただ喋ってるだけの配信でもBGMが良かったり、音楽の趣味が合うと長居してしまうあるある。逆に音質が悪いと話が面白くても長居できない、苦痛
 パフォーマンスもせずに仕込みを垂れ流すならせめて良い音質で好きな音楽を流そうというわけだ。

 仕込みは朝の7時〜9時、その2時間ピザ生地でも丸めながら話すだけでパフォーマンスなし。これをとりあえず約1ヶ月だけ続けてみようという試み。

 以外だったのは朝の配信にそれなりの需要があるってことだった。捏ねたピザ生地を成形し始めるのが7:30ぐらいから、その時間に配信をしている人は少なかったけど、リスナーはそれなりに多かった。
 店のオープンに合わせて仕込みをするわけだから、必然的に毎日配信の時間もほぼ定時になる。
 この毎日定時でやるという習慣がフォロワーやリスナーを増やす大事な要素なんだと後で気がつくことになる。
 配信内容は毎日ほぼ変化がないが、変化がないことで小さな変化が際立ったり目立つ効果があったようで、リスナーもお店のオープンまでの手順を覚え始めて、「今日ちょっと遅れてるよ」みたいなコメントが定番のようになっていった。
 ずっとプラトニックに……じゃなく何だけっけ、ストイックか、ストイックにピザ回しを練習したりパフォーマンスしたりする配信から一転、ほとんどピザを回さずに仕込みしながら喋るだけの配信に、それが思いの外上手く回り始めて、そこらまた偶然が重なる。

 釜じゃなくて、だから。

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