ささかわの読書感想文

酒と文学が生きるエンジン。noteは放置していますが、読書ブログを書き続けています。芥…

ささかわの読書感想文

酒と文学が生きるエンジン。noteは放置していますが、読書ブログを書き続けています。芥川賞・直木賞予想が趣味。個人選書サービスもはじめました。http://s.ameblo.jp/nrm321nrm

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最近の記事

すごく、すごく悲しい出来事がありました。わたしは健康という傲慢さを持っていることを改めて突きつけられました。 悲しい出来事に関連して、割と多くの人に読んでいただいた記事を消しました。あまりにも軽率なことを言ったと感じたからです。これからしばらくは自分の愚かさと弱さに向き合います。

    • 新潮12月号「差別と想像力」特集を読んで

      今月7日に発売された文芸誌「新潮」12月号の「差別と想像力」特集を読んで、心がすごく揺さぶられた。 もう少し具体的に言うと、差別をめぐる「被害者意識」と「加害者意識」のはざまで揺さぶられた。 これまでわたしは「被害者」の立場でものを言うことがすごく多かった。 母子家庭だとか、田舎出身だとか、新聞配達をした苦学生だとか……自分のまわりの環境を「弱者」的にとらえて、「それでもわたし東京でがんばってます!!」みたいな物言いをすることがすごく多かった。 そうすると、周

      • 遇う(あしらう)ということ

        こないだ「これから気をつけないといけないなぁ」と思わされるヒヤっとする出来事に遭遇しました。 それは『紗倉まな「春、死なん」が傑作だと思った理由』と題して読書感想文ブログを更新したときのことです。 紗倉まなさんと言えば日本全国の人がこっそり(?)全員知っているだろう有名AV女優さんですが、近ごろは文芸方面での活躍も目ざましいお方です。 先日発売された「群像10月号」には中編小説「春、死なん」が掲載され、晴れて文芸誌デビューを果たされました。 紗倉さんは1993年生

        • noteを更新して、良いところ悪いところいろんな発見があった。思考を整理するための文章になっていて、読む人の気持ちまで考えが行き届いていない、とか。 言葉にするってとても大事だ。冷静さを大切に、また明日からがんばろう。

        すごく、すごく悲しい出来事がありました。わたしは健康という傲慢さを持っていることを改めて突きつけられました。 悲しい出来事に関連して、割と多くの人に読んでいただいた記事を消しました。あまりにも軽率なことを言ったと感じたからです。これからしばらくは自分の愚かさと弱さに向き合います。

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        • ささかわの読書感想文
          100本
        • ささかわの読書感想文(その2)
          38本
        • ささかわのエッセイ
          3本
        • かわいい読書
          53本
        • たたかう読書
          46本
        • はじめまして
          10本

        記事

          10年ぶりにミクシィを開いたら。

          「うわあぁぁぁ」 10年ぶりにミクシィのプロフィール画面を見たとき、つい叫んでしまった。 パスワードを忘れ、ログインできないまま放置していたと思っていたのに、心当たりのありそうなパスワードを入れたら、うっかりログインできてしまった。 10年ぶりに開いたミクシィは化石のように、当時のわたしがそのまま残されていた。 見たかったような、見たくなかったような……複雑な気分だった。 今から10年前、Facebook、Twitter、Instagramなどがまだ出てこなかった時代

          10年ぶりにミクシィを開いたら。

          お久しぶりです!最近はアメブロばかり更新しています。小野美由紀さんの読書感想文はnoteにも載せたくなりブログから転載しました。わたしなりに『メゾン刻の湯』の魅力を書きました!♨️ 小野美由紀さんのライティングゼミがきっかけで最近は本気で書く勉強をしています🔥🖋がんばります。

          お久しぶりです!最近はアメブロばかり更新しています。小野美由紀さんの読書感想文はnoteにも載せたくなりブログから転載しました。わたしなりに『メゾン刻の湯』の魅力を書きました!♨️ 小野美由紀さんのライティングゼミがきっかけで最近は本気で書く勉強をしています🔥🖋がんばります。

          【書き直し再掲】昔ながらの「洗濯おけ」も良いよね。 小野美由紀『メゾン刻の湯』感想文

          最近、人生を“洗濯”にたとえるのが気に入っている。 一昨年まで激務な部署にいたときは、全自動洗濯機でぐるぐる振り回されていたような感じで、周りを見る余裕がなく、とにかく疲れていた。 この部署には合わないと思って異動願いを出し続けて、一昨年の夏に東京に異動になった。 移動先の部署はクリーニング店みたいで、いつでも回せる洗濯機とは違って“営業時間”が決まっていて、丁寧な対応をしてくれる部署だった。 洗濯機みたいな部署を出て思ったのは、わたしは「手洗い」のニットみたいな存在だ

          【書き直し再掲】昔ながらの「洗濯おけ」も良いよね。 小野美由紀『メゾン刻の湯』感想文

          自分の腹の声に従って生きよう

          みなさま お久しぶりです(°∀°)!!たけしまです。 半年以上noteを放置していました。年も明けてしばらく経ってしまいましたね。 放置している間は、仕事、読書、ランニング、仕事、飲み、ゴルフ、仕事、読書、仕事、引越し(!)、仕事、読書、みたいなペースで生きていました。 社会人になってからずっと関西住まいでしたが、去年の10月に東京転勤になり、慌ただしく引き継ぎをして東京に引越してきました。 やっと新生活や仕事やもろもろのことが落ち着いてきたかな、、?という感じで、

          自分の腹の声に従って生きよう

          吉本ばなな『スナックちどり』

          吉本ばなな『スナックちどり』(文春文庫) 何のために本を読む? そんなことを"考えなくて良い"本に久しぶりに出会ったなぁ、というのが読了後の感想だった。 夫と上手くいかず離婚し、さらに無職になった主人公の「私」と 両親の代わりに小さいころから面倒を見てくれた祖父母を亡くしたいとこの「ちどり」の海外二人旅。 それぞれの理由で傷付いた二人が、イギリスの孤独な街でゆっくり過ごし、飲み、食べ、時には淋しさを埋め合って傷を癒そうとする物語だ。 傷が癒えるために

          吉本ばなな『スナックちどり』

          角田光代『人生ベストテン』 40歳間近だが我が人生のベストテンを考えるという自虐的な趣味がやめられない。25年代わり映えのない日々を過ごした鳩子は大きな見栄を背負い中学時代の恋人・岸田に会いに行く…。「いつもと同じ」を変えようとする女性達が登場する5編の短編集。共感ばかりの一冊。

          角田光代『人生ベストテン』 40歳間近だが我が人生のベストテンを考えるという自虐的な趣味がやめられない。25年代わり映えのない日々を過ごした鳩子は大きな見栄を背負い中学時代の恋人・岸田に会いに行く…。「いつもと同じ」を変えようとする女性達が登場する5編の短編集。共感ばかりの一冊。

          岡尾美代子『Land Land Land 旅するA to Z』 北欧、イギリス、ロシア等、主に北国で出会った風景・建物・雑貨・食べ物・その国の人達をポラロイドカメラにおさめたかわいい旅エッセイ。写真と文章の配置にセンスを感じる。この一冊で北欧おしゃれ旅に出たような気分になれる。

          岡尾美代子『Land Land Land 旅するA to Z』 北欧、イギリス、ロシア等、主に北国で出会った風景・建物・雑貨・食べ物・その国の人達をポラロイドカメラにおさめたかわいい旅エッセイ。写真と文章の配置にセンスを感じる。この一冊で北欧おしゃれ旅に出たような気分になれる。

          小川洋子『いつも彼らはどこかに』(新潮文庫) 動物たちと人間に共通する「生きている」ということを軸に、「彼ら」とわたしたちをつなぐ、すこし不思議な八編の物語集。 読みながら自分の想像力を試され、そして拡張されていくような感覚があって、それがとても心地よかった。 #読書感想文

          小川洋子『いつも彼らはどこかに』(新潮文庫) 動物たちと人間に共通する「生きている」ということを軸に、「彼ら」とわたしたちをつなぐ、すこし不思議な八編の物語集。 読みながら自分の想像力を試され、そして拡張されていくような感覚があって、それがとても心地よかった。 #読書感想文

          よしもとばなな『スウィート・ヒアアフター』(幻冬舎) 自然豊かな京都の街で、アトリエを構え作品創りに没頭する恋人と支え合って生きていくはずだった…。交通事故で最愛の恋人を亡くしてしまった主人公・小夜の「喪の作業」の物語。無理はしない、でも逃げない。命の強さと喜びを噛み締めた一冊。

          よしもとばなな『スウィート・ヒアアフター』(幻冬舎) 自然豊かな京都の街で、アトリエを構え作品創りに没頭する恋人と支え合って生きていくはずだった…。交通事故で最愛の恋人を亡くしてしまった主人公・小夜の「喪の作業」の物語。無理はしない、でも逃げない。命の強さと喜びを噛み締めた一冊。

          村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』

          村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』(文春文庫) 作家であり、ランナーでもある著者が「走る」という行為を通じて自分自身を見つめ、それを「正直に」言葉にした一冊。 本書を手に取ったきっかけは、わたし自身も走ることを習慣にしようと思ったからだった。 著者は1982年の秋に走り始め、それから毎年必ずどこかのフル・マラソンの大会に出るほどのベテランランナーだ。週に60キロ、一ヵ月に260キロ走ることを最低ラインの目標とし、一日10キロを一時間かけて走りこむことを日課

          村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』

          女がそれを食べるとき

          楊逸・選/日本ペンクラブ編『女がそれを食べるとき』(幻冬舎文庫) 芥川賞作家の楊逸が選んだ「食と恋」をテーマにした物語集。 ラインナップを見ただけで、即購入を決めた一冊だった。 井上荒野「サモワールの薔薇とオニオングラタン」 江國香織「晴れた空の下で」 岡本かの子「家霊」 小池真理子「贅肉」 幸田文「台所のおと」 河野多恵子「骨の肉」 田辺聖子「たこやき多情」 山田詠美「間食」 よしもとばなな「幽霊の家」 田辺聖子、山田詠美、よしもとばなな、の流れがわたしにとってはご

          女がそれを食べるとき

          桐野夏生『ハピネス』

          桐野夏生『ハピネス』(光文社文庫) 若々しくて、綺麗で、セレブで、おしゃれで、ハッピーなママライフ。 桐野夏生『ハピネス』は、女性誌に頻出しているこれらの言葉を体現するような人たちが暮らす、東京都・江東区の五十二階建てのタワーマンションが舞台の物語である。 このタワーマンションに暮らす専業主婦の有紗は、娘の花奈と二人でタワマン生活を謳歌している。夫は海外に単身赴任しており、有紗の実家は新潟と遠い。何かあった時に頼りになるのは同じタワマンに暮らす「ママ友」たちである。

          桐野夏生『ハピネス』