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Notionで使えるオールインワン広報業務データベース「PRDB2.0」を無料公開しました

今日も元気にNotionを使い倒していますか?最近では、コミュニケーションツールにSlack、ドキュメンテーションツールにNotionという構成のスタートアップが多いと思います。私たちGaudiyも同様です。

Notionはページの表現力や書きやすさもさることながら、データベース機能を活用することで簡易的な業務システムを組めるのが大きな魅力です。去年公開したPRDBテンプレートも広報用オールインワン業務システムとして、Notionのデータベースを活用して作成しました。

今回、Gaudiyの業務の一環でPRDBを大幅にアップデートし、より使いやすくなったものを無料で公開します。また、どのような課題があったのか、そしてどのような設計思想でアップデートしたのかもお伝えします。

💡このノートは、Notionを使っているベンチャー・スタートアップの広報担当、また、Notionのデータベースを活用して業務システムを設計したい人に読んでいただけると嬉しいです。

なぜNotionで広報業務システムを作成したのか

前職時代、元々はメディアリレーションや掲載情報をスプレッドシートで管理していました。担当者から担当者に引き継がれ、数年に渡り更新されてきた秘伝のタレのような数千行のスプレッドシートは、メディア名の表記ゆれがあったり、1セル内に改行して2つのURLが入力されていたり、自由に入力されていたため、過去データの活用が困難な状況でした。

それを改善するべく、世の中で提供されているオールインワン広報業務システムをいくつか導入検討してみましたが、使いやすいと思えるサービスがありませんでした。そこで、全社で導入していたSalesforceを使って広報業務システムを作りました。これがPRDBの前身と言えます。

数千行の自由に記入されたデータをSalesforceに移行するためにデータ整形したのはとても苦行でした。あれはもう二度とやりたくない 笑

その後、副業で支援している会社でも使えるようにNotionのデータベース機能を活用して組み直したのがPRDB1.0です。

GaudiyにPRDBを導入する際の課題

GaudiyでPRDBを導入するにあたり、まず過去のPR関連データの確認を行いました。NotionのPRポータル内に記録されている過去のメディア掲載履歴や情報発信履歴を確認していくと、いくつかの課題が明らかになりました。

①データが複数のデータベースに分散していた

テックブログやnoteなどの自社発信情報とメディアの掲載情報が別々のデータベースに登録されており、情報発信の全体像を把握することが難しくなっていました。また、各メディアとのリレーション情報はスプレッドシートで管理されており、Notionのメディア掲載情報とは紐付けられていないため、各メディアとの関係性が把握できない状態でした。

②同じデータを複数のデータベースに記入していた

PRポータル上には発信カレンダーと進捗管理のデータベースがありましたが、同じデータが両方のデータベースにも記入されていました。そのため、どちらかのデータが更新されずに古くなっていたり、片方にしか登録されていないものもあり、紐付けが困難な状況でした。

PRDB2.0へのアップデート

当初は、PRDB1.0をそのまま導入する予定でしたが、明らかになった課題を解決するためにPRDB自体をアップデートする必要が出てきました。

まず、PRDB1.0ではメディアの掲載情報に特化していたため、自社発信も扱えるように設計を拡張する必要がありました。また、PRポータルでカレンダーや進捗管理のビューを埋め込んで表示するのはインターフェイスとして使い勝手が良かったため、取り入れることにしました。

主にこの2点を中心にアップデートを行いましたが、それ以外にも以下の設計思想を意識しながら改善を重ねています。

PRDB2.0の設計思想

①一つのデータベースにデータを集約する

当初、メディア掲載と自社発信とイベントは分けて考えようとしていました。しかし抽象化してみると、それぞれにタイトルがあり、日付があり、URLがある発信情報と捉えられます。


これら全てを一つのPRDBデータベースに集約した上で、プロパティ:発信種別で取材記事、テックブログ、イベントを適切に選択することで、区別するようにしました。

②リンクドビューを活用した業務システム化

Notionはページ内にデータベースのビューを埋め込む機能があります。PRDBデータベースにすべての発信情報を格納した上で、発信カレンダーはカレンダーレイアウト、進捗管理はボードレイアウト(Kanban)、発信履歴はテーブルレイアウトと、PRポータルに用途に合わせたビューを埋め込み、日々の業務に活用できるようにしました。

フィルタリングを活用して、進行管理では進行中の案件だけ表示し、発信履歴では公開済の案件だけ表示することができます。また、発信履歴では外部メディアと自社発信のビューを分けるなど、細かい出し分けもできます。

これらは、一つのデータベースに発信情報を集約して適切にプロパティを設定することで可能になりました。

③日々の業務をストック情報に蓄積していく

自社発信の記事設計やメディア取材時の依頼書や想定質問などの対応履歴をNotionのカード内に記入していくことで、フロー情報が自然とストック情報として活用できるようになります。過去の取材でどんな質問があったっけ?あの時はどんな文脈で依頼受けたんだっけ?みたいな内容の振り返りも容易になります。

また、取材用、ブログ執筆用、イベント企画用など、それぞれに必要な確認項目を含んだNotionテンプレートを定義しておくことで、対応のクオリティを一定に保ち、確認漏れも防げます。

④触りたくなるインターフェイス

システムの使い勝手や見た目は、作業の効率やモチベーションにも影響を与える重要な要素です。PRDBも見た目やインターフェイスにこだわることで、業務をスムーズに進めるだけでなく、関わる人が積極的に触ってくれるようにすることを意識しています。

なお、個人的なこだわりとして、メディアデータベースの各メディアカードにFaviconを登録しています。

昨年のシリーズB資金調達時のメディア掲載情報、Faviconがとてもいい仕事しています

掲載情報にメディアのFaviconが並んでいるだけで視認性が向上し、何より見ていて気持ちが上がります。メディアデータベースには167メディアが登録されていますが、すべてにFaviconを登録しました。

※今回配布するPRDB2.0テンプレートにはメディア情報は含まれませんので、ご了承ください。Faviconを自分で登録する喜びをお届けします。

PRDB2.0の概要

PRDB2.0は、組織のあらゆる情報発信を一箇所で管理・運用するための業務データベースです。Media、Person、Action、Companyなど、メディアリレーションに欠かせない情報を紐付けたデータベースに情報を集約し、PRポータルに配置された発信カレンダー、進行管理、発信履歴の各ビューを操作して日々の広報業務を行います。

PRDB2.0の概要図

このテンプレートは無料で公開しています。PRDB2.0は以下のページから複製して、自社好みにカスタマイズしてご利用ください。

なお、テンプレートに登録されているメディアやパーソン、記事は架空のダミーデータを入れてあります。ダミーデータの作成には、広報仲間の壽 かおりさんにご協力いただきました。感謝!

以降、簡単に機能を説明します。

発信カレンダー

発信カレンダーは自社の情報発信の計画を立てたり、配信の予定を管理するビューです。自社発信のカードのみ表示され、発信種別、アサインされた担当者、ステータスが表示されています。

進行管理

進行管理は外部メディアの取材や自社発信などの進行管理に使うビューです。ステータス別のカンバンになっていて、外部メディアと自社発信に分かれています。

日々の進行管理はこのビューを使います。新規案件が発生したら適切なステータスの +New から追加して内容を記入します。ステータスが変わったらカードを移動することでステータスが変更できます。

発信が公開されたら、タイトルを正式なものに書き直し、URLを記入、ステータスを Done に変更することで、このビューから消えて、発信履歴ビューに表示されます。

発信履歴

発信履歴は公開済の発信が時系列に並ぶ、過去の発信を管理するビューです。タブで自社発信、外部メディアの切り替えができます。フィルターや検索機能を活用して過去の発信を検索できます。

その他の活用方法は以下のガイドブックで詳しく紹介しています。

なぜ無料で公開しているのか?

PRDB1.0を公開した後、本当にたくさんの人から「これが無料なのは信じられない!」「有料で販売できるレベルなのに良いんですか?」と言われました。

私は最初から良いものができたら無料で公開することを決めていました。
有料で販売したらそこそこ売れるかもしれないけど、使ってくれる人は限定されます。だったら無料で公開して多くの人に使ってもらい、役立ててほしい。

その結果、広報の課題解決につながった方が世の中のためになるじゃないですか。その方がワクワクします。そもそも開発したわけではなくNotionで組んだだけですしね。

一方で、PRDB2.0へのアップデートはGaudiyの業務としてやったことです。公開するにあたって、無料で公開していいか?と会社に確認したところ「どんどん公開しちゃってください」と言われました。

Gaudiyのスタイルの一つに「公共財を生み出していく」というものがあります。イノベーションを加速させ、時代を進めるためには、得られた学びや武器を惜しまず世の中に公開していこう。という考え方です。

ガウ社、こういう姿勢がほんと推せるんですよね。

そんなGaudiyは絶賛採用してます!

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