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043.「不安な夜を抱きしめる」のこと

久しぶりにいくつもの不安が襲ってきて、上手に寝れない日々が続いている。
自分の意思で寝ない夜更かしと違って、全部を埋め尽くすような夜の孤独は一生続くんじゃないかと思って怖くなる。
寝たいのに練れない。時計を見ても針が進んでいるだけ。どんどん朝が近くなって、寝なきゃと思うほど目が冴える。
原因はわかっている。純粋に明日が来るのが怖いのだ。
寝たら明日になっちゃうから、その事実を少しでも先送りするために体が拒否してるんだと思う。
しかしこれはあまり良くないことで、どんどん脳の回転速度とキャパが狭くなる→心のキャパも比例して狭くなるという仕組みつき。
どうしたらいいんだろう、ってそりゃ寝ればいいし、不安なことを根本から解決できれば全部いいんだろうけど、そんな上手いこともない。

そうやって不安を抱えながら過ごす時間は、びっくりするほど深い紺と黒が混じってできている。
1Rの狭い部屋には間接照明がなくて、時々カーテンの向こうから車のハイビームが差し込んできて、今は夜なんだなと思い直す。
マットレスの下は地獄の釜が待ち構えてて、いつかパックリ裂けてそのまま永遠と落ちていってしまうんじゃないだろうか。
そんなことは絶対ないと思っていても、もしかしたらと思うと自分を抱きしめることしかできない。

夜を抱きしめているうちに、ふっと眠りについて、また2時間後くらいになって、気づいたら目覚ましのベルがやかましく今日を告げる。
今日も地獄に落ちなかった、でも今夜はどうなるかわからない。そもそもこの先だって、歩いているうちにふっと落ちるかもしれない。
ぎゅっと自分の体と抱き枕を抱える。思っている以上に手が熱かった。

孤独は満たされた瞬間が記憶にないと感じられないんだって。
じゃあこの渇きは、この心の穴は、明日への恐怖は、覆い尽くす孤独と夜は、一体誰のものなの。

#20190603 #雑記 #エッセイ #日常 #365のこと

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