見出し画像

【ホルスヘレシー】あなたにピッタリの兵団は?

兵団(ひとつ)なんて選べない!

昨今、ホルスヘレシーに熱い視線を注ぐ人が爆発的に増加、銀河の覇権コンテンツとなりつつある一方、TL場では兵団選びに苦心する熱望者(アスピラント)が多く存在していることも観測している。気持ちは分かる。全部で18兵団もあるし、誰かに相談しても帰ってくる答えはさまざまだ。実を言うとこのゲームにゾッコンな人たちは、多くのファクターを元に熟考を重ね、複雑なプロセスを経てディシジョンメイキングしている。1人として同じ方法で兵団を決めている人はいないので、アドバイスに困ると言うのが実情だ。今回はあなたにピッタリの兵団選びのヒントをいくつか提供していきたい。

兵団で悩む人のタイプ

ホルスヘレシー入門者は三つに分けられる

どの兵団が強いか知りたい人
設定の熱さが知りたい人
上手くペイントしたい人

おそらく以上の3つにだいたい分けられるか、それらの複合的な理由だろう。今回はなんとなくこれらに絞って、私の個人的な感想も交えて解決方法を説明していきたい。ちなみに私は誇り高きⅩⅢ兵団ウルトラマリーンをコレクションしているが、今回は可能な限り中立的な立場であなたの悩みを解決しよう。だがまずはこう叫んでほしい。皇帝陛下万歳。大逆兵団許すまじ。ローガー滅ぶべし。

我が兵団の威容を見よ!総計5000ポイント以上のウルトラマリーン兵団だ。

1.強さを求める者へ

ミニチュアゲーム史では古来より、勢力を選ぶ決定的な理由として「ゲームでの強さ」を筆頭に挙げる人は多く存在する。アーミーを組み上げるのには時間と労力と多額の資金がかかるので、せっかく作ったアーミーが弱小、低ランク、Tier Cというのは受け入れ難い。当然だ。ではホルスヘレシーでは(メカニカムやカストーデスや日輪義勇軍はおいといて)どの兵団が強いのか?実を言うと明確な強さの序列は存在しないと断言できる。理由は二つある。
まず一つ目はホルスヘレシーのゲームシステムだ。このゲームは大まかに歩兵(近接型・射撃型・ターミネイター型など)、ビークル(対歩兵・対戦車)、ドレッドノート(近接型・射撃型)の三すくみ構造を成しており、それらの効率的な運用が鍵となる。相手が困るユニットを押し付け、逆に自分のエースの弱点になり得るユニットを適切な武器で排除し、地獄の万華鏡めいた死のジャンケンを優位に進めていくことが兵団選ぶことより重要だ。ユニットや兵団の強さは対する敵やプレイするミッションとの相対的な関係で決定されるため、どの兵団も「強い」と言えるし、同時に「弱い」ともいえる。つまりユニットや兵団の強さはデータ上には存在せず、戦場にのみ存在する(いいこと言った)ので、単純なパワーレベルやTierで決められるものではないのだ。もちろん、兵団の得意な戦術によってユニットと強力なシナジーを生み出すこともあるが、それはどこも一緒だし、少数の兵団固有ユニット以外、使えるユニットや武器にはさほど違いがない。40Kのマリーンサブファクションと比べると、兵団同士のデータ上の違いなど微々たるものだ。
二つ目の理由として挙げられるのが、先ほど述べた通り兵団ごとの違いが思ったほど大きくないことだ。ホルスヘレシーの舞台背景である32千年紀は、武器の規格や兵の質がほとんど均質化されていたこともあって、数少ない兵団の固有エリート歩兵部隊以外のユニットや武装は、どの兵団でもアクセス可能となっている。他の勢力に無い超兵器を大量投入したり、バグり散らかしたユニットで力押しすることは基本的に難しい(ドレッドノートが強いのはみんな同じ)。よって、編入可能なユニットに大きな違いが発生する40Kマリーンと違ってどれを選んでも使用できないユニットはほとんど違わない。逆に言えば、気に入った兵団固有ユニットやキャラクターがいる場合や、好きなユニットが特定の兵団とシナジーが強い場合はその兵団をチョイスするのが良いだろう。使用できるユニットは共通でも、兵団によって戦術が大きく異なるので、Liber Astartes/Hereticusを読み込み自分の信条とマッチする兵団を選ぼう。結論としては、アーミーの強さは兵団の能力それ自体というよりは、それらをどれほど活かせるかにかかっているので、お気に入りのユニットやキャラクターがいるかによって決めるのが良いだろう。

ウルトラマリーンの特徴は歩兵火器による前進制圧、ユニット同士の連携による柔軟性と戦術性、そして強力無比な固有ユニットだ。

2.熱い設定を求める者へ

ご存知の通り、ホルスヘレシーには「原作」が存在していて、ヒストリカルゲーム的な側面を持っている。ルール上もスペースマリーンは忠誠派と大逆派のいずれかに分かれた18の兵団しかサポートされていないため、基本的に「俺マリーン」が存在する余地は無い。歴史的にも第二創設(セカンドファウンディング)が行われる以前の話なので派生戦団も存在しない。どうしてもクリムゾンフィストでホルスヘレシーをやりたいのであれば止めはしないが、その前にスペースマリーン兵団とその歴史、戦いの結末などを知った上で考えてほしい。きっと思いとどまるはずだ。それほどにホルスヘレシーの物語は熱いのだ。
これは完全に私の個人的意見なのだが、兵団は設定、派閥、物語、歴史、キャラクター性を重視して選んだ方がいいと断言できる。理由はいくつかあるが、最大の理由はその兵団が好きじゃなきゃやってられないからだ。ホルスヘレシーは40Kに比べて2000ポイントを超えるそれなりに大規模なゲームが標準的だ。「ルールが強いから」という理由だけで好きでもない兵団を延々とペイントすることができる人がいたら会ってみたい。その兵団を深く知って、より好きになって、ペイントのモチベが上がってさらにミニチュアを作って、小説に手を出して、ミニチュアが欲しくなって・・・というヤバい依存症の循環みたいなことが起こらないと、推奨ゲームポイントといわれる3000ポイントには到達しないだろう。日本国内で兵団アーミーをそれなりの規模で所有している知り合いたちは、だいたいみんなこんな感じで頭がキマっている。もちろん私もだ。
好きになるきっかけは何でもいい。(私のように)40Kの戦団と同じ兵団を選んでもいいし、その対極でもいいだろう。どうせ10版40Kではホルスヘレシーのミニチュアはレジェンド送りになるので、ユニットの30K⇔40Kの互換性がどうとか細かいこと気にしなくて良くなった(めでたしめでたし?)。だから細かいことは気にせず好きな兵団を選んでしまえばいいのだ!こちらもやはりAge of Darkness同梱のルルブや、兵団本を熟読することが最短だ。これらの本には必要な情報が体系化・簡素化された状態で掲載されていて非常にわかりやすい。ネットの情報はたまに出自不明の情報や、小説版の決定的なネタバレが含まれることもあるため、手元にあるならやはり本が一番だ。
ちなみに私がウルトラマリーンを選んだ理由は
・古代ローマみ溢れる兵団
・整然とした規律ある歩兵戦術
・帝国の礎を築いたプライマーク
・40Kもウルトラマリーンを持っている
・カルスの戦いでの激闘が好き
・ホルスをも恐れさせたその実力
などが挙げられる。とくにホルスヘレシーに関して予備知識を持っていないのであればやはり
①見た目
②設定
③ルール
をグッとくるのが現れるまで繰り返すのがベストと言えるだろう。設定に関してはあまり変な先入観を与えたくないし、各兵団の魅力を簡単に伝えることは本来不可能なのだが、自分の頭の整理も兼ねてつらつらと書いていきたい、と行きたいところだがどう考えても分量がヤバくなるので次回にする。

3. 上手くペイントしたい者へ

見た目は重要だ。君はこれから未来永劫終わらない軍拡を続ける訳なのだから、お気に入りの色や、塗りやすい方法が応用できる兵団を選ぶべきだ。兵団の色には個性がある。暗き天使、漆黒の騎士団であるダークエンジェルは当然黒が基調だ。心と身体を鋼で鎧うアイアンウォリアーは鋼鉄の如き銀色だし、血の天使ブラッドエンジェルは鮮やかな赤がメインカラーだ。面白いところだと秘密主義、諜報や変装を得意とするアルファレギオンのパワーアーマーはなんとも言えない玉虫色だ。ウルトラマリーンに至っては、「極限宙域(Ultramar)の守護者」にして「究極の(ultra)マリーン」なのだから、当然その鎧は「ウルトラマリンブルー」というトリプルミーニングになっている。だが勘違いしないで欲しい。ここで言いたいことは「設定通りに塗れ」ということではない。たとえば黒を基調としたウルトラマリーンがいてもいい(兵団の汚れ仕事を引き受けた第22戦団ネメシスチャプターなど好例だ)。兵団の歴史や思想などを尊重しつつ、オリジナリティあるカラースキームがあってもよいのだ。一部厳密に決まっている部隊もあるが、この時代の兵団は広大無辺なので(ウルトラマリーンの最盛期は25万人と言う大兵力だ)、独自の歴史や隠れた事情を持つ部隊が無限に存在する余地があるのだ。ホルスヘレシーのイラストやミニチュアの作例を見て分かる通り、割と作者のイメージや好みが投影されていることがわかるだろう。このホビーはそうあるべきだ。

ウルトラマリーン固有ユニット、プラエトリアン・ブリーチャー。ローマ帝国の軍曹を参考にしているので盾(どう見てもスクトゥム)は赤く、エリートであることを考慮して特注パーツを使っていて金色が多め。
ウルトラマリーンにはこんな部隊もある。逆SDGs兵器を平然と使い、ただただ敵を56して回る「ネメシス」の異名を持つ集団。後に戦団に分割されネメシスチャプターとなる。こういう設定を思いつくことができれば最高だ。

他にも色々な考え方がある。上手に美しい装甲を塗る自信が無ければ、激しいウェザリングを施せば時短かつ雰囲気たっぷりの見た目になるし、シタデルのカラースプレーがそのまま適応できる兵団は完成までがグッと早い。コントラストを用いれば難易度が高いとされる黄色も容易だし、Blood for the Blood Godをバチャバチャ塗りたくったワールドイーターやナイトロードは恐怖そのものだ。このようにペイントの好みで兵団を選び、本などを読んで愛着を深める逆説的な方法もあるのだ。

まとめると
・「強さ」は相対的なものなのであまり気にしないでいい
・設定を掘って刺さるやつを選ぶと良い
・カラースキームは自分好みのやつがベスト

参考になっただろうか。次回は自分的な兵団のオススメポイントを紹介したいがなにぶん時間がかかりそうだ。

ところで、ついに「ホルスヘレシー」でググると私の記事がトップにくるようになってしまった。

日本語情報少なすぎて泣けるともいえるがこれはチャンスだ。みんなもこの世界に飛び込み、情報発信をしよう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?