各クラス大接戦となったWEC富士は終始見所満載のレースとなりました

リザルト

ハイパーカークラス

優勝したのは、7号車TGR🇯🇵(小林可夢偉🇯🇵/マイク・コンウェイ🇬🇧/ホセ・マリア・ロペス🇦🇷)！前半は2位に甘んじてましたが残り2時間でトップに立ちそこからは見事な逃げ切りでした
2位に入ったのは8号車TGR🇯🇵(平川亮🇯🇵/セバスチャン・ブエミ🇨🇭/ブレンドン・ハートレー🇳🇿)、そして3位には6号車ポルシェペンスキー🇩🇪(ケヴィン・エストレ🇫🇷/アンドレ・ロッテラー🇩🇪/ローレンス・ヴァントール🇧🇪)が入りました

LMP2

LMP2クラスを制したのは41号車Team WRT🇧🇪(ルイ・アンドラーデ🇦🇴/ロバート・クビサ🇵🇱/ルイ・デレトラズ🇨🇭)！クラス全車を周回遅れにする圧倒的走りでした
2位は22号車ユナイテッドオートスポーツ🇺🇸(フレデリック・ルビン🇬🇧/フィリップ・ハンソン🇬🇧/フィリペ・アルバカーキ🇵🇹)、そして3位は31号車Team WRT🇧🇪(ショーン・ゲラエル🇮🇩/フェルディナント・ハプスブルグ🇦🇹/ロビン・フラインス🇫🇷)
22号車と31号車は6時間の戦いの末、わずか1秒差のフィニッシュ
最後の最後まで手に汗握るバトルを見せてくれました

LMGTE Am

GTE Amクラス優勝は54号車AFコルセ🇮🇹(トーマス・フロール🇨🇭/フランチェスコ・カステラッチ🇮🇹/ダビデ・リゴン🇮🇹)！
中盤の激しいトップ争いを潜り抜け見事制しました！
2位は33号車コルベットレーシング🇺🇸(ベン・キーティング🇺🇸/ニコラス・バローネ🇦🇷/ニック・キャッツバーグ🇫🇷)、そして3位には57号車ケッセルレーシング🇨🇭(木村武史🇯🇵/スコット・ヒュファーカー🇺🇸/宮田莉朋🇯🇵)！
宮田は急遽参戦となったWECデビューで見事な走りを披露し表彰台に登りました！終盤の85号車アイアンデイムスとのバトルは見事でしたね！

感想

今回の富士戦は全体を通して接近戦が非常に多く、6時間とても見応えがあったなという印象
それも何か途中でSCが出て距離がリセットされたわけでなく(SCはスタート直後に1回、FCYは終盤に1回飲み)、ほぼ6時間しっかり走ってのバトルだったので非常に面白かったですね
ハイパーカーはスタートで6号車ポルシェペンスキーがターン1で7号車TGRのインに飛び込んだかと思ったらミサイル発動して止まれず7号車を押し出し
さらに8号車TGRは2号車キャデラックから押し出され、TGRは2台揃って出鼻を挫かれます

その後レースは6号車ポルシェペンスキーがリードしますが3時間を超えた辺りから7号車TGRが追いつき、ここから30分以上のバトルが続きます
6号車はピット回数を減らすために燃費走行を取ってたようですね
それでも7号車を要所要所でしっかり押さえて前に出さない走りは素晴らしかった

そうこうしているうちに8号車TGRまで追いついて7号車はタイヤのグリップがなくなってオーバーランして、6号車の図中にハマってる感じでしたね
最終的に4時間経過くらいで8号車が先頭に立ちその後7号車も前に出て、お互いピットを終えたところで7号車を先頭に出して完璧な1-2でしたね

またTGRは今回の1-2フィニッシュで2023年シーズンのマニュファクチャラーチャンピオンを決定しました
ルマン24時間でフェラーリに敗北を喫するなど悔しい出来事もありましたが、ここまでのシーズンを通じて常に上位で戦っていた証ですね

LMP2は終盤の22号車ユナイテッドオートスポーツと31号車Team WRTの2位争いが凄かったですね！
ラスト1時間とにかくテール・トゥ・ノーズでどちらが勝ってもおかしくない手に汗握るバトル
6時間戦ってそのギャップが僅か1秒なのが全てを物語ってましたね

LMGTEもバトルが毎度のごとく多かったですが、個人的に特に凄いと思ったのは女性ドライバーチームの85号車アイアンデイムス🇮🇹
男と対等に戦うどころか、本気で優勝争いを演じ一時はトップに君臨
4時間経過したところで33号車コルベットレーシング🇺🇸と77号車デンプシープロトン🇩🇪に追いつかれましたがしっかりとバトルをしてたし、その後宮田莉朋がドライブする57号車ケッセルレーシングにも迫られましたが上手いライン取りで速度差もある中、約2周しっかり戦ってました
ただの女性PRチームではなく、本気でクラス優勝を狙うバトルを演じることが出来ている彼女たちは間違いなく一級品のドライバーだと思います
今後ますます応援したくなりましたね

今回のレースで全体として凄かったのは、なんと6時間戦ってリタイアが1台もいなかったこと！
もちろんトラブルなどでガレージに何度も収まるマシンもありましたが、耐久レースは最後まで走ってナンボの世界
全車が最後の最後まで走り切ったのは本当に素晴らしいレースだったと思います
個人的にこの富士6時間は何度観ても楽しめそうです笑

また興味深かったのはJスポーツの解説に入っていた関谷さんのお話で、簡単に言うとハイパーカークラスのBoPには納得しないと話されてました
詳しくは是非Jスポーツオンデマンドなどで見直して聞き直して頂ければと思うのですが、これは僕も同じで、何故かというとハイパーカーは同じレギュレーションの下で各社ゼロから車を開発するカテゴリーだからです
これはつまり車の形が違うだけでF1と同じなのです
小倉さんは差が広がることでファンが離れてしまう懸念があるからとBoPを擁護されてましたが、関谷さんはその差を埋める努力をするのもモータースポーツだと仰られてました
確かに初見の方にとってはコース上で起きてるバトルで魅力を感じると思いますが、実際にはレースはそれ以前にファクトリーの段階から始まってます
同じ規則の中でいかに速い強い車を作るか？もし差があるのであればいかにその差を埋めていくのか？
ここが他のスポーツとモータースポーツの大きな違いの一つだと僕は思うのです
もし生まれた差が原因でファンが離れるのであれば、F1も2014年から始まったメルセデス黄金期で離れてるはずです
今のレッドブルホンダ黄金期でもファンは減少するはずです
でも実際はどうでしょう？そんなことはないと思います
つまり、魅せ方の問題だと思うのです
GTEは市販車ベースのクラスなのでここで調整が行われるのは分かりますが、ハイパーカーは調整はいらないはずです
このような問題提起を放送の中でルマン優勝経験のある関谷さんが言われたのは個人的には大きかったと思ってます

さて、長々と書いてしまいましたが(汗)次戦はいよいよ最終戦、11/4のRd.7バーレーン8時間
ハイパーカーのマニュファクチャラーチャンピオンはTGRで決まりましたが、それ以外はどのクラスも決まっておらず最終戦に持ち越されてます
全てが決まる最後の1戦まで、目が離せません！