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ライブ参戦レポ/メンバー交代を経てLOVEBITESが華麗なる復活を遂げた夜

mihoさんの脱退に伴い2021年8月から活動休止中だったLOVEBITESが,ついに復活の狼煙を上げた。新型コロナの影響で打ち切りとなってしまった「RIDE FOR VENGEANCE TOUR 2021」以来およそ2年ぶりとなるライブは,新加入したベーシストfamiさんの初お披露目となる記念すべきライブでもあった。しかも3年ぶりに「声出しOK」というおまけ付き。2月に発売された新アルバムのクオリティも高かっただけに,ライブに対する期待も膨らむ一方であった。

会場はEX THEATER ROPPONGI
見ているだけで気持ちが高ぶる

○物販~開演
この記念すべきライブの思い出としてぜひ限定Tシャツをゲットしたいと思っていたのだが,先行物販開始となる15時に会場に到着して列に並んだものの,残念ながら時間不足となり16時に列は解消。開場後に購入することもできたが,整理番号が140番台と比較的良番だったので,入場開始後にグッズ購入して時間をロスすることはためらわれた。Tシャツ購入は潔く終演後に勝負をかけることにして,急ぎ足でフロアに入場した。

陣取ったのは前から8列目付近の中央やや下手寄り。ステージには幕が降ろされておらず,ステージ後方のやや高い位置に鎮座するドラムセットをはじめ,ステージ上の機材が丸見えの状態だった。後方のスクリーンには今回のライブのテーマでもある「WE ARE THE RESURRECTION」のロゴマークとバンド・ロゴが大きく映し出されていた。

ステージ上は丸見えだった

開演直前の場内アナウンスでちょっとしたサプライズが発生。声の主はLOVEBITESを担当するVictorの杉山氏。一通りの諸注意を告げた後,今回のライブがメンバーもファンも待ち望んだ待望の「声出し解禁」であることを高らかに宣言したのだ。これには会場も大盛り上がり。時を同じくして客入れBGMがJuads Priestの"Diamonds and Rust”になると,オーディエンスのボルテージはさらに高まった。そう,LOVEBITESのライブでは,この曲はライブ本編の始まりを告げる曲なのだ。

○衝撃の幕開け
ライブの幕開けは衝撃的だった。復活を遂げるライブのオープニングなのだから,その象徴である最新アルバム冒頭の2曲を持ってくるだろうと予想していたのだが,その予想は見事に裏切られた。

蓋を開ければ"The Awakening”~"The Hammer Of Wrath”という,1stアルバム「AWAKENING FROM ABYSS」の冒頭2曲で始まるまさかのサプライズ。会場内にいたファンのうち,いったい何人がこの選曲を予想しただろうか。

しかし落ち着いて考えれば,再始動を宣言する曲としてこれほどふさわしいものはないと気づいた。LOVEBITESの記念すべき1stアルバムの最初の2曲。彼女たちのすべての歩みは,そこから始まったと言っても過言ではない。これぞまさしく原点回帰。復活,再始動にふさわしい選曲だ。そんな事を考えながら,半泣き状態でステージ状を凝視し続けた。

フロアでは早くも激しめのモッシュが発生した。個人的にはあまり好きではないのだが,今回に関しては「ああ,ライブが帰ってきたんだなぁ」と感慨深くなってしまった。コール&レスポンスの声量はまだコロナ前ほどではなかったと感じたが,オーディエンスにとっては今日のライブが良いリハビリになったと思う。今夏のツアーではオーディエンスも“完全復活”するだろう。

バックドロップがかっこいい

○メンバーのパフォーマンス
ステージ上の5人は眩しいばかりに光り輝いて見えた。誰もが全身から歓喜のオーラを強烈に放ち,大観衆を前にしてプレイできることの喜びや,大好きな音楽をファンと共有できることの幸せを噛み締めていたのだと思う。それはオーディエンスについても同様だ。演者・スタッフ・観客というい立場に関係なく,この日この場所にいたすべての人たちは,何の制限もなく「声出しライブ」できることの素晴らしさを全身で感じていたに違いない。

大注目のfamiさんは底知れぬポテンシャルを持っていると見た。プレイすることの喜びが全身から発散されていて,その姿を見ているだけでこちらも釣られてニコニコしてしまうほど。ステージに立つのは初めてとはいえ,そこはYouTubeで鍛えられた百戦錬磨のプレーヤー(パフォーマー)。その立ち居振る舞いは観客の前でプレイするのが初めてとは思えないほど堂々としており,アクションたっぷりで実にかっこよかった。

“チームしもて”のmidoriさんをはじめ,他のメンバーと絡む様子もごくごく自然で楽しそうだった。新メンバーという事実が嘘のような溶け込みっぷりに,famiさんの豪胆さを垣間見た気がした。若干20歳という年齢や柔らかな笑顔に騙されてはいけないと痛感した。サウンド的にもベースがゴリゴリブンブンと目立つ場面が多かったように思う。

asamiさんのパフォーマンスはブランクをまったく感じさせない素晴らしいものだった。終盤,ちょっと高音が辛そうな瞬間もあったが,それもライブならではのこと。かえって生々しさがあって良かった。そして何より,観客を煽りまくる姿が実に楽しそうだった様子が印象に残る。MCでは何度か涙ぐむ場面もあり,「本当に辛かったんだなぁ。この日を迎えることができて本当に良かったなぁ」とこちらも感極まってしまった。

いつもの上手に陣取ったmiyakoさんは,いつになくアクションが大きめだったように思う。やっぱり久しぶりの声出しライブで気持ちが昂っていたのだろろうか。上手から下手に移動してきた時に笑顔でヒラヒラと手を振るお馴染みの姿は,何度見てもやっぱり可愛い。定番のピアノソロも美しかった。

midoriさんは何といってもお立ち台上でのプレイっぷりがすごくかっこよかった。ギダーを弾いてるはずなのに,なぜかボディビルダーとしてポーズを決めているかのような錯覚に陥る場面もしばしば。「優雅」とか「華麗」というイメージがピッタリのLOVEBITESにあって,ただ一人性別を超越して「美しく,力強い」という剛毅な側面を演出するmidoriさんの存在はとても貴重だと思う。この日のパフォーマンスもメタル・ウォリアーの面目躍如であった。

harunaさんのプレイも凄まじかった。ライブで見るたびに「あの小さな体躯で,どうやったらこんなにラウドな音を叩き出し,これほどファストなプレイができるのだろう」と驚嘆させられるのだが,今回も例外ではなかった。かなり攻撃的なセットリストだったと思うのだが,それを最初から最後まで笑顔で叩き切るという鬼神っぷり。シンバルの数が増えてプレイがより多彩になったようにも感じた。“Stand And Deliver(Shoot'em Down)”から音がすごくソリッドかつラウドになった印象を受けたが,これは気のせいだろうか。

この日のライブで特に印象に残ったのは,miyakoさん,midoriさん,famiさんの3人がステージ前方に出てきて並んでプレイした場面だ。一度ならず何度かあったのだが,そのたびにオーディエンスから大歓声が沸き起こる様子は実に感動的だった。それはfamiさんがLOVEBITESの一員としてファンから温かく迎え入れられ,認められたことの何よりの証拠だったと思う。

○新曲
Stand And Deliver(Shoot'em Down)”は事前の予想通り,ライブ映えする曲であることがハッキリした。Motörheadの突進力は否が応でも場内の雰囲気を盛り上げるし,何よりサビを2,000人近い人数で大合唱することの気持ちよさといったら……。ライブでは欠かせない定番曲になることは確実だ。

Judgement Day”はCDを聴くのとライブで体感するのとでは印象がかなり違った。ステージは赤を主体とした照明で照らされていたので,妖しく邪悪な雰囲気が強く感じられたのだ。この曲の歌詞がもつ緊迫感や覚悟が強烈に視覚化されたステージだったと思う。

そして記憶違いでなければ今回がライブでの初披露となった“Nameless Warrior”にも触れないわけにはいかない。力強く疾走するLOVEBITES印のスピード・メタルは圧倒的な迫力であった。この曲がもつメッセージ性も,新体制での復活というこの日の夜にふさわしいものだった。

個人的には大好きな”Dystopia Symphony”と最新アルバム最強の曲"Soldier Stands Solitarily"が披露されなかったことがちょっと残念。次のライブではこの2曲がセット・リストに組み込まれることを祈るばかりである。

○終演
心の底から楽しめたライブだった。声を出してライブを楽しめることの幸せを,その場にいた全員が噛みしめた夜。LOVEBITESの皆さん,ありがとう。

ところで……今回,唯一悔やまれるのが物販だ(しつこい)。結局終演後に買いに売場に行ったらTシャツはSサイズしか残っておらず,パーカーもL・XLともに完売。仕方なくロングスリーヴTシャツを買ったが,公演名や日付が入ってないことが残念だ。

先行販売でさばき切れないほど人が集まるとは,さすがの運営も予測できなかったか。今までの公演では先行物販開始時間に合わせて会場に着けば問題なくグッズは買えたのだが,これからは早めに行動しないと入手困難になってしまうのだろうか……(嬉しい悲鳴ではあるけども)。

この日唯一の戦利品

【セット・リスト】
LOVEBITES 「WE ARE THE RESURRECTION」
2023.3.11 (Sat.) at EX THEATER ROPPONGI
01 The Awakening
02 The Hammer Of Wrath
03 Bravehearted
04 Don't Bite The Dust
05 Stand And Deliver (Shoot'em Down)
06 Shadowmaker
07 Break The Wall
08 Dancing With The Devil
~Piano Solo
09 Liar
10 Judgement Day
11 Nameless Warrior
12 M.D.O.
13 When Destnies Align
~Encore
14 Holy War
15 Glory To The World

ロビーの様子
ライブ連動企画でゲットした参加賞の待受画像

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