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レビュー/JUDAS PRIESTの19thアルバム「INVINCIBLE SHIELD」 キャリア50年にして「最新が最高」

INVINCIBLE SHIELD / JUDAS PRIEST
2024年3月発売

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泣く子も黙るヘヴィ・メタルの代名詞、鋼鉄神JUDAS PRIESTの通算19作目となるスタジオ・アルバムである。名作との誉れ高い前作「FIREPOWER」から約6年、キャリア50年のレジェンドが放つ新作は,まごう方なき正真正銘のヘヴィ・メタルである。

ロブ・ハルフォード(Vo)とイアン・ヒル(B),グレン・ティプトン(Gt)の3人は70歳を超え,スコット・トラヴィス(Dr)も60代。40代のリッチー・フォークナー(Gt)を除けばバンドの平均年齢はほぼ70歳だが,このアルバムは若々しいエナジーに満ちている。古臭くもなければ,妙にトレンドに寄せることもない。時代を超越した,JUDAS PRIEST以外の何ものでもないサウンドとメロディが,そこにはある。

前作「FIREPOWER」は名作「PAINKILLER」直系のアルバムだったと思う。質実剛健で、鋼でできた背骨が1本通っている「剛」のイメージだ。それに対して本作「INVINCIBLE SHIELD」のそれは「柔」。全体として自身のルーツに立ち戻ったかのようなクラシカルなタッチが強く,メロディアスかつドラマティックな楽曲が多い印象を受ける。よりバラエティに富んでいると言えるかもしれない。

とりわけ強烈なインパクトを放つのが,アルバム冒頭の3曲だ。威厳と緊迫感,そしてドラマ性に満ちた,いかにもJUDAS PRIESTらしいヘヴィ・メタルだと思う。なかでも02“The Serpent And The King”は出色の出来栄えで,大地を切り裂くかのごとく炸裂するロブの超絶シャウトは圧巻のひと言。その尋常ではない超ハイテンションは彼の全盛期を彷彿とさせ,聴いているとあの名曲“Painkiller”が脳裏をよぎる。

加齢による負の影響を最も受けやすいのはヴォーカルだと思うが,ロブのパフォーマンスはそのようなことを微塵も感じさせない驚異的なクオリティである。深みのある中音域、時おり炸裂する代名詞と言えるハイトーン・シャウト。今年73歳になるとは思えない声である。彼はまさしく“メタル・ゴッド”だ。

「最新が最高」あるいは「最新が最強」とはよく聞くフレーズだが,それはキャリア50年のJUDAS PRIESTにも当てはまる。今なお激しく燃え続ける彼らの情熱には,ただただ驚かされるばかりである。

【収録曲】
01 Panic Attack
02 The Serpent And The King
03 Invincible Shield
04 Devil In Disguise
05 Gates Of Hell
06 Crown Of Horns
07 As Gold Is My Witness
08 Trial By Fire
09 Escape From Reality
10 Sons Of Thunder
11 Giants In The Sky


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