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ライブ参戦レポ/日本メタル界の超新星LOVEBITESがマイナビBLITZ赤坂に降臨した夜

2019年2月3日 Text by Kotaro MASUDA

LOVEBITESが昨年12月に発売された2ndアルバム「CLOCKWORK IMMORTALITY」はファンの期待を裏切らない高品質を誇っていた。欧州テイストあふれるメロディック・スピード・メタルを軸にしながらも楽曲の彩りは一層豊かになり,それでいてメタル度は数段アップ。バンドが順調に進化を遂げていることを十二分に物語る内容だった言える。そんな2ndアルバムを引っさげて,2019年1月12日の大阪公演を皮切りに「CLOCKWORK IMMORTALITY TOUR 2019 IN JAPAN」が始まった。今回私は6都市7公演をまわるツアーの3公演目,マイナビBLITZ赤坂でのライブに参戦した。

■イントロダクション:グッズ購入~いざ入場
Tシャツなどのグッズ購入のため,会場には先行販売開始5分前の13時25分に到着。寒風吹きすさぶ日陰の中をひたすら寒さに耐えて待つことおよそ1時間,ようやくお目当ての3品(Tシャツ,ロングスリーブTシャツ,パーカー)をゲットした。購入金額が1万円を超えるともらえるポストカードは残念ながら早々に品切れてしまったためもらえなかったが,これはもう仕方がない。ちなみに会場限定のTシャツはパス。デザインがあまり好みではなかったので。

予定通り16時に入場開始。ファンクラブ先行販売の楽天チケット持参者から優先的に入場となった。今回の整理番号は460番代。良くはないが,悪くもない番号だ。ちなみに今回はファンクラブ「LOVEBITES INC.」の「社員」限定でちょっとしたお楽しみ企画が実施されており,QRコード付きの小さなポスターが会場内の数カ所に掲示されていた。入場時には余裕がなかったのでライブ終了後にQRコードを読み取って,「LOVEBITES INC.」の「社員」としての「出勤打刻」無事完了。プレゼント企画の方はB賞に当選し,メンバーからの特別メッセージ動画を視聴することができた。この手の企画は不要だと感じる人もいるだろうが,内容的に目新しさもあったし,ライブに来た記念を残すという点では「あり」だと思う。

フロアには16時30分頃入場。すでに最前のブロックはほぼ埋まっていた。今回はステージ全体を見渡したかったので,柵で仕切られた2ブロック目の3列目あたり,センターからやや下手寄りに陣取る。視界は良好。目の前にはBABYMETALや「SONISOHERE FESTIVAL 2014」のTシャツを着用した人の姿が。

開場BGMは恒例のmihoセレクション。何を基準に選んだのか全くわからなかったが,「近々来日するバンド縛り」だったことが後にご本人のツイートにより判明。さすがにこれは難しかった……。

■総評
ありきたりの表現になるが,「カッコいい!」のひと言に尽きる。これは特にasamiの振る舞いによるところが大きいと思うのだが,華やかでありながらカッコいいという,彼女たちにしか成しえない魅力が存分に発揮されたステージだった。メンバー全員が自信に満ちた表情でプレイしており,その堂々たる姿に観客はグイグイと力強く引き寄せられたことは間違いない。あっという間に会場内は大興奮のるつぼと化した。

ライブ・バンドとしての一体感や結束力も昨年6月のO-EAST公演時より格段に増した印象だ。去年後半に欧州をツアーで転戦し,WACKENやBLOODSTOCKという巨大メタル・フェスにも出場した経験が背景にあることは間違いない。曲によってはmiho,miyako,midoriの弦楽器隊3人がステージ中央に並んでプレイしたり,同じアクションを取り入れたりと,見せ方にも工夫が見られた。それも結束力を高めた要因だろうし,メタル・バンドらしさがアップした一つの理由でもあるだろう。

セットリスト的には“Hammer Of Wrath”がなかったことが残念だったが,それ以外は申し分なし。1stおよひ2ndとミニ・アルバムからバランスよく選曲された本編90分+アンコール30分,正味約2時間のショウは非常に充実していたと思う。

■asamiの存在感
メタル・ベース・プレイヤーらしい動きがかっこいいmiho。超絶プレイをクールに披露し,ギダーだけでなくキーボードも美しく弾きまくるmiyako。キダー・プレイのみならず文字通り表情豊かにギターを弾き倒して観客にアピールするmidori。終始笑顔で激しくドラミングし,時にスティックを掲げたり回したり,あるいは腕の振りを変えてみたりと小技をまじえたプレイっぷりが印象的だったharuna。楽器隊それぞれのパフォーマンスはもちろん素晴らしかったが,とりわけ秀逸だったのはasamiだ。フロント・パーソンとしての存在感とリーダーシップは昨年のO-EAST公演時の比ではなく,観客を煽りまくるその姿には風格すら感じられた。最初から最後まで一向に衰えない驚異の歌声のみならず,フロントに立つ彼女の一挙手一投足がバンドとオーディエンスの一体感を強めていたと思う。他のメンバーと肩を組んだり,さかんにアイコンタクトをとる姿はまさしく「ステージ上のリーダー」。会場を完全に支配していたと思う。

■2ndアルバムの曲
2ndアルバムから披露された曲はセットリストの約半分を占める8曲。ライブを見て改めて素晴らしいと思ったのは,“M.D.O.”と“We The United”,そして“Epilogue”の3曲だ。“M.D.O.”は良い意味で「戦前の予想通り」。SLAYERばりの突進力は尋常ではなく,サビではもちろん「M.D.O.!」の大合唱が沸き起こった。HELLOWEENっぽい“We The United”は美しいメロディと疾走感がとても心地よく,サビのシンガロングも実に爽快。やはりみんなで歌える曲は非常に盛り上がる。そして“Epilogue”。asamiのエモーショナルなヴォーカルを最大限にフィーチャーしたこのパワー・バラードは,攻撃一辺倒のセットリストに良いアクセントを加える結果となった。もちろんasamiの驚異的な歌声は圧巻で,彼女のヴォーカリストとしての表現力と才能にはもはや脱帽するしかない。

■サウンド
バンドのサウンドはまずまずだったと思う。オープニングの“Addicted”ではやや混沌とした印象を受けたが,2曲目の“Bravehearted”でほぼ改善された。音圧も程よい感じて,タイトかつラウド。しかしおそらくmidoriのギターだと思うのだが,低音が出すぎていて時折リフやソロが聴きにくかった。これは最後まで改善されなかったようなのだが,いったいどんな事態だったのだろう。バランスが破綻してしまうようなことにはならなかったものの,ちょっと気になった。

■演出
実はオープニングにビックリした。ステージを隠す白幕に「CLOCKWORK IMMORTALITY」をテーマにしたショートムービーが映し出され,場内には英語のナレーションが響き渡ったのだ。これもヘヴィ・メタルならではの様式美。「いよいよ始まる!」という期待感が非常に高まり,シンプルながら効果的な演出だったと思う。

LOVEBITESのライブにはMCが必要最低限しかなく,非常にストイックな仕様だ。これはこれで非常に締まった印象になるのでいいのだが,今後は各メンバーのソロタイムがあってもいいかなという気もする。あまり長くなりすぎない程度にソロタイムを設けることは,ライブの進行にメリハリを与えるという意味でも,各メンバーの魅力をより一層引き出すという意味でも効果的だと思うのだが,どうだろう。

6月にイギリスとスペインで開催される「DOWNLOAD FESTIVAL」に出場することが決まったLOVEBITES。今回の日本ツアーを経てますますレベルアップした彼女たちが彼の地でどんなパフォーマンスを見せるのか。要注目だ。

【セットリスト】
CLOCKWORK IMMORTALITY TOUR IN JAPAN 2019
2019年1月27日(日)
マイナビBLITZ赤坂

01 Addicted
02 Bravehearted
03 The Crusade
04 Pledge Of The Saviour
05 Rising
06 Scream For Me
07 Break The Wall
08 Shadowmaker
09 Above The Black Sea
10 Empty Daydream
11 M.D.O.
12 Journey To The Otherside
13 Edge Of The World
14 We The United
- Encore -
15 Epilogue
16 Don't Bite The Dust
17 Under The Red Sky

※アメブロからの転載です。

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