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A.R.E

皆さんこんにちは。

18年の時を超えて、列島の阪神ファンが歓喜に湧いた。

2023年9月14日。
阪神対巨人第23回戦にて、阪神が巨人を下し、見事リーグ優勝を果たした。

阪神ファンになって約9年。
そんな中の人が、初めて経験したリーグ優勝だった。

この日、中の人は、仕事終わりに横浜のスポーツバーにて観戦した。

この日の先発は才木。
初回から安定感のあるピッチングで、巨人打線を抑えていく。
一方の打線は、巨人先発赤星の前に、5回無得点、3残塁と抑え込まれる。

勝負だと位置づけた6回。
両チームとも1番からという打順だが、才木は3者凡退と抑える。
その後、先頭の近本がヒットで出塁すると、一人倒れた後、ルーキーながら3番を打つ森下がレフトへのヒット。このヒットで、近本は3塁を陥れる。
続く4番大山。
9月に入って調子が上がらなかったが、この打席で犠牲フライを放ち、高騰を続けていた才木に、待望の援護点が手に入る。
その瞬間、店内が一気に盛り上がり、居合わせた阪神ファンとハイタッチをし合い、現地化の如く六甲おろしを合唱する。
直後、好調の5番佐藤輝明。
1-1からの3球目。赤星が外角に投じたスライダーを、なんとセンターバックスクリーンに弾き返す20号ツーランを放ち、2点を追加する。
店内は当然大盛り上がりとなり、たちまち歓喜の輪ができる。

直後の7回、先頭の岡本にホームランを浴びるも、後続を抑え、才木は7回1失点と、先発の役割を十分に果たしてマウンドを降りた。
その後、代わった今村から、先頭の坂本がヒットを放つと、これを木浪が送り、1死2塁と再びチャンスを作る。
ここで、才木の代打原口。またしても店内は盛り上がりを見せるも、セカンドへのファウルフライとなり2アウト。
続く近本は初球を打ち、セカンドゴロになると思われるも、これを中山が後逸し、追加点が入る。

8回、才木からマウンドを受けた岩貞だったが、代打北村と大城に連打を浴び、2点差になったところで、今期ブレイクした石井にスイッチ。
先頭の長野を抑えると、左が続く場面で、石井から火消し職人こと島本に交代。
代打萩尾、丸を二者連続三振に抑え、いよいよ店内ははやる気持ちを抑えられなくなってくる。

そして迎えた9回。
マウンドには、守護神岩崎が上がる。
通常であれば、河野万里奈さんの『アイキャントライ』が流されるが、ここで流れたのはゆずの『栄光の架橋』。
この曲は、闘病の末7月に亡くなられた横田慎太郎さんの登場曲。
この選曲に、店内はどよめき、サビになると合唱した。
優勝してからある程度時間が経ったが、中の人はこの入場シーンを何度も見返してしまうくらいには今年の名場面となった。
1アウトを取った後、坂本のホームランで1点差に詰め寄られてしまう。
続く秋広にツーベースを打たれるも、直後の代打梶谷をセカンドゴロに抑えて2アウト。

そして、歓喜の瞬間は訪れる。

8番の北村。
1-1で迎えた3球目。
岩崎が投じたストレートを打ち上げ、これをセカンドの中野がキャッチし3アウト。
この瞬間、阪神の18年ぶりの優勝が決定した。
店内では、優勝した瞬間にベルが鳴ると同時に、ファン同士で抱き合い、優勝の喜びを分かち合う。

歓喜の胴上げ、岡田監督の優勝インタビューの後、テレビの音声に合わせて六甲おろしの大合唱が始まる。
その後、店内にいた阪神ファン全員で写真を撮影し、お祭りムードはしばらく続いた。

歓喜に湧く店内


好投が報われて本当に良かった


阪神-巨人 第23回戦
   1 2 3 4 5 6 7 8 9 R  H  E
巨人 0 0 0 0 0 0 0 2 1 3  7  2
阪神 0 0 0 0 0 3 1 0 X 4 10 0

(勝) 才木浩人(8勝5敗)
(敗)赤星優志(3勝5敗)
(S)岩崎優(3勝2敗32S)

〔ホームラン〕
佐藤輝明(神)20号
岡本和真(巨)39号
坂本勇人(巨)19号

今回優勝の瞬間に立ち会った中の人は、あることを実感させられた。
それは、「阪神ファンはみんな友達」ということである。

店内に入り、程なくして才木のユニフォームを着た中の人。
注文しようとカウンターに並ぶと、中の人のユニフォームを見てか、すぐさま居合わせた阪神ファンから声を掛けられる。
そして、得点が入ったときのハイタッチや、優勝が決まった瞬間からの抱擁など、店にいた阪神ファンと多く交流を深めることができた。

以前、甲子園に観戦に行った帰りに、見知らぬおっちゃんに話しかけられた経験がある。
当時、中の人は前田大和のユニフォームを着ており、その試合で活躍したからか、おっちゃんからは「活躍してよかったな」などといった声を掛けられ、阪神ファンのフレンドリーさを実感していた。

ノリの良さと「野球が好き」であること、そして、18年間分の思いが、より阪神ファン同士のつながりを実感させてくれた。


そして、今回のリーグ制覇は、決して監督やコーチ陣、選手の力だけでは達成できなかった。

7月に旅立った横田慎太郎さんへの思い。

「最終的に一番いい報告ができるように」

その思いが、8月9月の快進撃に結び付いたに違いない。
9回に登板した岩崎のサプライズや、胴上げの際に宙を舞い、球場内を一周したユニフォーム。
あの日、確かに横田慎太郎さんは、甲子園球場にいた。

サンテレビボックス席で実況を務められた湯浅明彦アナウンサーは、横田さんに向け、こう言葉を発した。

横田さん、今どこで観てますか?
先輩たちが、同期生たちが、そして、あなたの愛した後輩たちが、優勝という最高の結果を残してくれましたよ。
あなたのことは、一生忘れません。

https://www.youtube.com/watch?v=RdCcw4K_3lo&pp=ygUP44K144Oz44OG44Os44OT


リーグ優勝を達成した阪神タイガース。
次は日本一を目指すために、さらに戦いを続ける。

背番号24を背負った男の思いと共に。










じゃ、また。

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