漫画を描くきっかけ思い出してみた

2019/01/07追記:漫画にしてみました → こちら

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小学生の頃 毎月の給食費を
僕の家だけ親が遅れて払っていた
授業中 校内で見た親の姿を今も覚えている

僕の家は裕福ではなかったのだ

今は 家族が皆 健康で過ごせているだけで
とても幸せな事だと思えている
でも あの頃の僕には やはり娯楽が必要だった

毎月のお小遣いなんて無かったので
欲しいものは自分で作るしかなかった

欲しいおもちゃは段ボールで作った
本物には到底及ばなかったけど
僕はいつも大満足だった

やがてアニメに夢中になった
忍たま乱太郎が大好きだった
段ボールでつくっていたように
自分で何か形にしたいと考えた

考えた僕は アニメの時間になると
固定電話の側にあるメモ帳とペンをとった

模写だ

テレビの中で動くキャラクターを
僕は必死に記憶しメモ帳に描き写した
きり丸ばっかり描いてた気がする
乱太郎やしんべヱよりカッコ良かったからだ
メモ帳は僕のお絵描き帳になっていた

ある日 母親の口から衝撃の事実を知る

母「忍たまの漫画があるよ」
僕「……漫画?なにそれ?」

僕は知らなかった
“漫画”という存在を知らなかったのだ

見てみたい
テレビで見ていた忍たまを
本の中で見てみたい

たまらず僕は おねだりをした
家に余裕がない事は なんとなく分かっていたけど
この時ばかりはどうしようもなかった

あれから暫くして
念願だった漫画を親が買ってきてくれた

夢中になって読んだ
全部の文字は読めなくても
何度も夢中になって読んだ

ふと僕は混乱する

絵が止まっているのに動いている
アニメと違って漫画の絵は動いていないのに
乱太郎達がイキイキと本の中で動いていたのだ

これが ”漫画” か

僕は何度も何度も読み返した
飽きることはなかった
漫画は とてつもなく面白かった

その内 とある感情を抱くようになった

「教室の中でも忍たまを読みたい…」

だが直ぐに思い留まった
大切な大切な漫画を
先生に没収される事が恐ろしかったのだ

しかし諦められない僕はある事を思い付く

「自由帳の中身が漫画なら…?」

これなら合法ではないか?
なぜなら自由に描いても良いのだから
それが漫画の形をしているだけの事だ

僕はこのアイデアに確信を持った
めったに座らない学習机に座り
大きな机の上に自由帳と漫画を並べる

鉛筆を尖らせ 物差しを使い
線を走らせ コマを割る
僕は初めて 漫画を描いていた

おわり

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以下、あとがき的なこと

自由帳漫画は毎日少しずつ描いてました
翌日それを教室で読みニヤニヤ…
とても楽しかったです
あれから時間は経ちましたが
今でも気ままに描いてます
「漫画は面白い」という気持ちを
飽きずに育ててくれたあの頃の自分に
なんとか読ませてやりたいものです

ここまで読んで頂きありがとうございました
よければ漫画も読んでいただけたら幸いです

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