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世界の色がなくなってしまった

なにを食べても味がしない。

これは比喩ではなく、本当に味覚がなくなってしまったのだ。

風邪が長引いてるだけとなめていたけど、味覚がないのは流石におかしいと思い耳鼻科に行ったところ、「副鼻腔炎」と診断された。どうやら蓄膿症のようなもので、鼻に膿が溜まったせいで味覚にまで影響を及ぼしているらしい。

嗅覚もなく、耳も飛行機に乗った後のような塞がった状態で聞こえづらい。全体的に頭がぼーっとしている状態が続いているのだけど、味覚がないことが一番苦痛だった。

食べ物を口にしても食感と温度しか伝わってこないから「美味しい」「まずい」などの感情が一切起こらない。感情の針が0の位置から微動だにしないのだ。なんとか舌が存在を認識できるのは醤油味と梅干しくらい。今ならこの世で唯一苦手なパクチーも食べられるだろう。

以前、COMPという完全食を勧められて食べたことがあるけど、今と同じく全く感情が動かされなかった覚えがある。

味覚だけでなく視覚、嗅覚などの五感をめいいっぱい使う「食事」という行為は、私にとって生活の潤いだったことに今さらながら気づいた。

「失ってから気づく」を今体感しているのだが、本当に早く治って欲しい。ほかほかの炊きたてのお米、給食で出るような甘口のカレー、薄味でもボリューム満点の肉じゃが。「美味しい!」っていいながら食べたい。

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