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振り返った時に見えた景色

誘われて登った赤石岳

随分前の話になりますが、2016年の9月、会社の同僚に誘われて南アルプスの赤石岳に登りました。

Wikipediaにもある通り、この山は南アルプスで4番目の高さ、また日本で7番目に高い山だったんですね。

富士山には何度か登ったこともあったので、その感覚で「まぁいけるだろ」と思ってチャレンジしたのですが、それとは比べものにならないくらいきつく、いかに自分が登山というものをわかっていなかったかを思い知らさせた事をよく覚えていますw
それでも、初めての山小屋泊やそこで見上げた夜空の美しさ、登頂した時に見た景色の壮観さなど、今でも良い思い出として振り返るほど非常に良い経験ができたと思っています。

地味で地道な一歩の連続と衝撃の数々

「南アルプス!」という響きや、山登りの楽しさを知り始めた頃だったということもあり、お誘いに対し少々食い気味に参加を承諾したこの件でしたが、正直無茶苦茶きつかった!

同僚の車を畑薙第一ダムの駐車場に停めた後、バスに揺られて1時間40分ほどで麓の椹島ロッヂに到着しました。
ここで少々体を慣らし、いよいよ登山開始です。

登り初めは気分も弾んでおり、高山植物を眺める余裕なんてのもあったんです。

銀竜草が自生してました

椹島ロッヂを出立したのが朝の8:30頃、そこから3時間半かけてようやく辿り着いた場所にあったのは

「明石小屋まで120分♪」

「まじか!」
ホントに口に出しました。ええ。
周りこんななんです、ずっと。

山道
迷わないように目印をつけてくれてるのが親切ですね

途中、雨にも降られつつ、それでもなんとか山小屋までたどり着き、濡れた衣服を着替えて夕食と宿泊の準備を進めます。

そうこうしているうちにあっという間に日が暮れて、いつの間にやら雨も上がっていました。
夕焼けに染まる山脈を眺めながら、ふと同僚にこんなことを尋ねました。
「僕たちが目指す山頂ってどのあたりでしたっけ?」
「ああ、あそこですよ」
指差した先は

愕然としました。
だって、富士山なんて1日で登って降りてこれるじゃないですか!
(※富士山の弾丸登頂は高山病の発症や疲労による怪我を誘発するため危険です。十分な休養をとりながら無理なく登りましょう)
朝から登り始めてようやく辿り着いたのがまだ中腹だなんて…!

とはいえ、今回の旅程には「山小屋で一泊」という予定がしっかり組み込まれています。
まずは夕食をしっかり摂り、十分体を休めてから万全のコンディションで山頂を目指すこととなりました。
ちなみに、この日の夕食後にはすっかり空も晴れ渡り、満天の星空を堪能しました(星を撮影できるカメラ欲しいですね)。

山頂を目指して

AM3:00(早い!)に起床、荷物をまとめて山小屋を後にします。
9月とはいえ、山は寒い!
防寒着をしっかり着込んで山頂を目指します。
そして深夜の山林は怖い!一人じゃ絶対来れなかったな…。

日が昇り始めるとともに、我々が進む道も次第に木々の背が低くなり始め、四方の山々が視界に入ってきます。

雲海

なんともいえない荘厳な眺めだったことを覚えています。

夜もすっかり明け、登山もいよいよクライマックスです。
そしてこの山、さすがですよね。
クライマックスにふさわしい最高の舞台を用意してくれていました。

崖ですよね。
こうやって写真が残っている以上、登ったことは間違いないはずですが、この辺りをどう登ってきたのか、今でもよく覚えていません。
こちらには掲載しませんが、この岩肌をバックにドヤ顔かましてる写真もありましたので、自分の脚でここにきたことは確実のようです。
そういえばここで下山の方々とすれ違ったのですが、その際に
「つい最近も滑落事故があったらしいから気をつけな〜」
注意を促していただきました。
なんでしょう、この口調と言葉の内容のギャップ。

そしてワタクシ、山登りの終盤を迎える頃に必ずやるギャグ(ボケ)があるんです。
今回もこのタイミングで同僚に言いました。
「実は僕、高所恐怖症なんですよね〜!」
「…へぇ。」
クスリともしません。
仕方がありません。ここまでの登頂で疲労もピークに達しているのでしょう。ピーク(頂)だけにね!

登頂、そして下山

…ともあれ、最後の一踏ん張りを乗り越えてようやく山頂に到達しました。

赤石岳到達

そして下山前に避難小屋に立ち寄って朝ごはん。

赤石岳避難小屋の一角にて

この時に食べたカップラーメンは人生で一番美味かった!

雄大な山頂の景色に名残惜しさを抱きつつ、下山開始です。
登りと違い、下りは一気に行います。
登山を経験された方ならご存知かと思います。登りよりも下りの方がキツイってこと。
体自体はどんどん下に下がっていくのですが、それに身を任せるわけにもいきませんのでしっかりと両脚を地面に食い込ませます。そう、何度も何度も。
そうして下山を進めていくうち、疲労が蓄積された脚のダメージが徐々に顕在化してきます。

膝が笑います。それはもうゲラゲラと。
なんなの?箸が転がっても可笑しい多感なお年頃なの?
同僚は山に慣れているようで、スイスイと進んでいくのですが、私はもうプルプル震える足を必死にひきづりながらようやく麓に到着しました。

反省

この登山は非常に良い経験でしたし、機会があれば再び挑戦したいとも思っています。
その際には今回得た次の反省点・教訓をしっかり活かしてより良い登山を満喫したいと思います。

  • 水分不足
    よりにもよって、途中で全ての水分を消費し尽くしてしまいました。
    持参量を完全に見誤っていました。

  • 登山経路の事前確認
    このレベルの山に登る際は登山地図などでしっかりとルーティングをする必要性を痛感しました。

最後に

本当はこの登山経験と絡めてキャリアパスやスキルアップなどの話を書くつもりだったのですが、書き始めたら楽しくなってきてしまい「やまのぼりはたいへんだったけどたのしかったでぇす!」的な日記になってしまいました…。
次回以降は多くの方々に役立つような情報発信を行なっていこうと思います。

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