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日本一遅いJFL 2020新戦力まとめ〜その3(三重、マルヤス岡崎、鈴鹿、青森)

4月になってしまいました。
このレビューも3日目です。そういえば、昔の地決って3日連続だったんですよね。文章毎日書くだけでもそれなりに大変なのに、3日連続でサッカーするなんて
ほんと狂った大会だなと思いますよ。

今日は昨年のJFL10位〜13位です。ユース年代で期待されていた選手や大学で花開いた選手など、選手を調べるだけでも興味深い。

その1、2、4は記事の下のリンクからどうぞ。

ヴィアティン三重(昨シーズン10位)

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 JFL3年間で1つずつ順位を上げている三重。失点が大幅に減ったことで負け数が減少し、5位宮崎との勝ち点差は僅か2。最終盤まで一桁順位をキープしていただけに、あと1勝していれば。勝ち切る力が課題でしょう。百年構想クラブの承認も受けた今年は今度こそ一桁順位、いや上位進出を伺いたいところ。

 シーズンオフには一挙16選手が退団。長年チームを牽引した中心選手、地域リーグ時代の選手の退団が目立ちました。県リーグ時代を知る大ベテランの和波智広は現役復帰からJFLまでの道のりを見届けました。地決で大活躍を見せJFLでも得点王争いに絡んだ藤牧祥吾も退団。これで地域リーグ時代を知る選手は坂井将吾のみになりました。藤牧、Hondaの大町、武蔵野の石原が得点王を争っていた2018年最終節は相手が三重だったので、石原の得点とともに、「藤牧を抑えてくれ!」と思いながら見ていたのを思い出します(結局得点王は大町が獲得。)。
 他にも、昨年ハットトリックを含む6得点をマークした寺尾俊祐が引退 (アマチュアチームでプレーは継続)、全試合に出場したサイドバックの進藤誠司が沼津に移籍。3選手が移籍したWYVERN FCは愛知県は刈谷のチーム。かつて三重に在籍したゴベッチも所属しており、三重からの選手が多いようですね。

 加入選手は13選手。Jリーグ・JFLからの移籍選手を中心とした補強を展開したました。何と言っても注目なのは、地元四日市出身の佐藤洸一でしょう。J2通算368試合93得点という圧倒的な成績。昨年も甲府でスーパーサブとして活躍を見せてただけに、J2下位であればまだ活躍できたのでは、通算100得点を達成して欲しかったという気持ちもありますが、地元チームでの大爆発を期待したいところ。
 京都から加入した望月嶺臣も名前の知られた選手の一人。高校時代には元U-17日本代表に選出されましたが、プロ入り以降はなかなかポジションを掴めないまま京都との契約が満了。同期の南野拓実や植田直通には大きく水を開けられてしまいましたが、このまま終わるわけにはいかないでしょう。

 さらに、盛岡からは即戦力になりうる2選手が加入。廣田隆治はどのポジションでもプレーできる使い勝手の良い選手。鳥取時代は攻撃MFやボランチ、盛岡ではサイド起用が多かっただけにDF登録なのは意外。ヤクルトスワローズの内野手と同姓同名の太田賢吾は180cmの大型選手。右サイドが主戦場で、同じく武蔵野から加入した大竹陸と進藤の抜けた右SBの位置を争うことになりそうです。
 大学生は攻撃的なポジションの選手を多く獲得。関東大学リーグ1部の得点ランキング4位となる10得点をマークした下村司、同じく関東2部で9得点の奥直仁、7得点の寺下裕貴とともに大学で残した実績をJFLでも見せることができるでしょうか。地元出身の澤朋哉も加入。

FCマルヤス岡崎(昨シーズン:11位)

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 企業チームでありながら、近年元Jリーガーを多く集めているマルヤス岡崎。昨年は守備面が大幅に改善。失点数は優勝したHondaFCと並び2位タイとなる30失点も、得点数も30得点にとどまった点が足を引っ張り2桁順位での閉幕となりました。

 シーズンオフは10選手が退団。昨シーズンの主力だった熊澤圭祐・福ヶ迫知秀・澤藤広和といった在籍年数の長い選手が引退。正GKを務めた岩崎知瑳がレンタルバック、キャプテンの時期もあった杉本恵太石神直哉、田中寛己といった元Jリーガーも退団しました。

 レギュラー選手が抜けた一方、ビッグネームも加入。J1松本で長く活躍した飯田真輝の加入は予想外でした。前シーズンにJ1で主力だった選手がいきなりJFLに来るというのはあまり例がありません。年齢はベテランに差し掛かってはいるものの、まだ上のカテゴリでも活躍できたでしょう。ディフェンスラインの強化に加え、セットプレーでの得点力も持ち合わせている点も大きい。松本時代のチームメイト、多々良敦斗の在籍も心強い。元岐阜の大型DF青木翼の加入も効果的で、今年も堅守に磨きがかかりそうでうす。
 また、徳島をJ1昇格に導いた津田知宏も加入。こちらは元グランパスというところで地元での知名度のある選手でしょう。徳島退団後の横浜FC、長野でもコンスタントに出場、得点を記録しており、まだまだゴールへの嗅覚は衰えていません。長野の同僚だった萬代宏樹のようなJFLでの復活を期待します。

 大卒新人は3人。中京大中京高出身の犬飼翔洋は一浪して筑波大に入学した苦労人。186cmの長身は大きな特徴。攻撃陣の一角を担えるでしょうか。立正大からは関東大学リーグ1部で8アシストを記録した武田夏輝が加入。一度は一般企業から内定を受けていたものの、1部での活躍で自信を深め翻意したとのこと。得点王を獲得した人見拓哉(FC琉球)とともに初の1部リーグで3位の好成績を残した立正大の躍進の原動力。田中の抜けた左サイドでチャンスメークを期待したい。

鈴鹿ポイントゲッターズ(昨シーズン:12位)

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 JFL初年度はエフライン・リンタロウが得点王の活躍を見せ、見事残留を果たした鈴鹿。このオフシーズンで一番話題となったのも鈴鹿ではないでしょうか。社長総選挙に斬新なチーム名変更で話題をさらっていきました。チーム名称についてはここで述べる事でもないですが、ロゴは後々デザイナー等に依頼してかっこいいのにした方がいいと思いますね。カテゴリを上げるに従ってロゴを大幅変更するチームは意外とありますし。昔のレノファ山口とか、バリィさんが書いてあった頃のFC今治とか。個人的にはポイントゲッターズ嫌いじゃないですよ。鈴鹿ってモータースポーツの街でもありますし。

 14選手が退団したオフシーズン。地域リーグ時代の選手の引退、昨年補強したものの出場機会を得られなかった選手が中心の入れ替えとなりました。芦田成利、小西洋平といったそれなりに出場機会を得ていた選手が引退したこともあり、即戦力となるような補強が多い印象となりました。

 守備、攻撃共にJ3、JFLでレギュラー格だった選手の獲得に成功。宮崎からはJFL5チーム目の在籍となる川里光太郎、青森からは佐藤昂洋を獲得しディフェンスラインを強化。
 攻撃的な選手では、熊本で4年間プレーした八久保颯を獲得。北信越リーグのジャパンサッカーカレッジからは元浦和の斎藤翔太が加入。浦和ユースではU-17日本代表選出、そしてトップチームにも昇格という輝かしい経歴。しかしトップチーム昇格後は出場機会を得ることなく退団。2年間の地域リーグを経てJFLに個人昇格を果たしました。まだ23歳、JFLでの活躍でさらに上を目指してほしい。唯一の大卒選手は拓殖大の今井那生。CBとしてリーグ戦フル出場の実力者。キローラン木鈴野口遼太の牙城を崩すことは出来るでしょうか。

ラインメール青森(昨シーズン:13位)

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 2017年の2位から少しずつ順位を落としている青森。近年は元Jリーガーの積極補強、Jチームの若手の期限付き移籍の積極活用を図っている印象です。本年から新スタジアムの供用が開始され、百年構想クラブの承認も受けるなど、Jリーグ参入への道筋が見えてきただけに、成績面の巻き返しを果たしたいところ。また、昨年はホームでの戦績が非常に悪く(3勝3分9敗)、ここも改善して集客に繋げたいところ。

 入退団選手はそれぞれ9名。全試合フル出場の野田紘史、最多得点の萬代宏樹、別格のフリーキック精度を見せた菊岡拓朗など、確固たるレギュラーの流出は避けられましたが15試合前後の出場機会のあった選手の退団が多く全体的な戦力ダウンが心配。最古参の奥山泰裕は地域リーグ時代をしる最後の選手。元ジェフリザーブズでもあります。既にリザーブス出身の選手もかなり少なくなりましたね。2位になった2017年に在籍した選手のうち、野坂浩亮・根本圭輔・高橋寛太も退団。青森は選手の刷新が早い印象ですね。山形や柏での活躍も印象的だった太田徹郎も引退。今季から背番号7は同じ苗字の太田康介が背負います。

 加入選手はディフェンダーを中心に獲得。JFL4チーム目の大ベテラン、太田康介は衰え知らず。37歳は精神面でも支柱となってくれるでしょう。古巣武蔵野戦が楽しみです。太田と金沢時代同僚だった阿渡真也もCB・SBをこなせる選手。昨年は一気に選手層が厚くなった藤枝で出場機会がありませんでしたが、一昨年はCBのレギュラー。怪我等なければ一定の結果を残してくれるでしょう。木下高彰もCBの選手。若手の頃は下位カテゴリに期限付き移籍しても出場機会を得られない時期もありましたが、完全移籍で加入した盛岡では23試合3得点と結果を残しました。さらに新卒選手2選手もデイフェンダー登録。どちらかといえばSBの選手のようですが、やや飽和状態にも思えます。
 GKはホンダロックの若き正GK末次敦貴の獲得に成功。昨年は大ベテラン神山竜一と中堅どころの横山卓司が半々の器用でしたが、今年は三つ巴の争いとなります。

 攻撃的なポジションでは、J1から期待の若手選手をレンタルしました。湘南からレンタル中の和田響稀は4得点と結果を残し今シーズンもレンタルを延長。名古屋からレンタル加入の松岡ジョナタンは昨年相模原では出場機会なしでしたが、青森では試合に絡んでいきたいところ。秋田から加入の堀研太も、世代別代表選出経験豊富な若手選手。マリノスからは2年で契約満了となりましたが、青森での活躍を見せてステップアップを期待したい。


明日は昨年のJFL14、15位と昇格組のいわき、高知をまとめます。

その1はこちら。


その2はこちら。

その4はこちら。



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