第55回 われ、落雷に遭遇す!

●両手に電撃、テレビがプツン!

 今年の夏も猛暑が続いているが(この原稿を書いているのは8月上旬)、東京での唯一の救いは毎日のように夕立があるところ。夕方になると雷鳴がとどろき、雨が降って、窓からの風にもわずかに涼気がまじるようになる。

 ところが数日前の午後3時頃、わが家の周辺は夕立の接近にともなって、一天にわかにかき曇り、バケツどころか風呂桶をひっくり返したような雨が降ってきた。

 その音たるや、ザーザーを通り越し、ドシャドシャバシャバシャゴーッという轟音をともなう壮絶なもの。家族との会話も怒鳴り合いになるほどだった。

 稲妻もピカピカ光り、雷鳴もゴロゴロと近づいてくる。やがて、稲妻の閃光と雷鳴が同時にドグワシャ〜ン! わが家の窓のそとが一瞬、真っ白な光に包まれ、窓ガラスがビリビリと鳴ったと思った瞬間、ノートパソコンのキーボードを叩いていた両手に電撃がビリリ! ぼくは思わず「ぎゃあ!」と叫んでいた。

 とたんにワイドショーを見ていたテレビの画面がプツン。停電かと思ったが、消えたのは居間のテレビ1台だけ。ノートパソコンのカードモデムからは、雷鳴が聞こえはじめたときに、モジュラージャックを引っこ抜いてあった。手に受けた衝撃は、どうもこのモジュラージャックから飛んできた感じ。汗ばんだ手のすぐ脇に、このモジュラーコードが延びていたからだ。

 テレビのほうは、どうやら電源まわりがやられたらしい。ヒューズが飛んだくらいなら自分でも交換できるだろうが、昨年の暮れに買った新しいワイドテレビで、裏蓋はネジで固定されている。ユーザーがヒューズを交換できないようになってるのね、いまのテレビは……とガックリ。しかたがないのでメーカーのサービスステーションに電話をかける。

 ところがサービスマンが交代で夏休みをとっているため、修理にこられるのは5日後になるという。まあ、たまにはテレビなしの生活もいいだろうと、そのままにしておいたが、毎週欠かさず見ている『八代将軍吉宗』が見られないではないか。NHKの大河ドラマを毎週見るのは『太閤記』以来のことだから、もう30年ぶりくらいになるのではないかと思うのだが、これが見られないと1週間が終わった気がしない。

 しかたなしに子供のファミコン専用になっていたパソコン用14インチモニターに、ビデオデッキからテレビの映像と音声を引っ張り出して、なんとか『吉宗』も見られるようになったのであった。

●モデムもプッツン!

 テレビも保証期間内だし、修理の費用はかからないはず。これで、まずは一件落着と安心していたら、これが大間違い。NIFTY-Serve経由で、わが家の2回線入っている電話のうち、仕事部屋の電話がずっと話し中だと連絡が入ってきたのだ。あれれ、あっちの電話は使ってないのに……と、仕事部屋の電話を確認しにいったら、受話器を上げても電話がつながらないではないか。

 こちらの電話は、デスクトップ・パソコンにつないだモデムが途中に入っているが、電源は切ってある。おかしいなとデスクトップ・パソコンとモデムの電源を入れ、通信ソフトをスタートさせると、あじゃじゃじゃ、モデムがカチカチ……とリレーを動かそうとするような音を立てたと思ったら、ウイイ〜〜ンと、ひどい音をたて始めるではないか。おまけに電源を入れても切っても電話は使えない。電話機を電話回線に直結したら通話はできるので、どうもモデムがオシャカになったらしい。

 とりあえず、古い2400bpsのモデムを代用にしたが、14400bpsになれていると、2400bpsでの通信はつらい。こちらは保証期間も過ぎているので、しかたなく家電量販店で特売されていた28800bpsのモデムを購入し、交換することになった。

 翌週、テレビを修理にきてくれたが、こわれていたのはスイッチ用のトランジスタが1個。近所の柱上トランスにカミナリが落ち、そこから高圧電流が一瞬だけまわりこんだのではないかという。連日、同じような落雷の被害によるテレビの故障などを修理しているそうだ。

 交換した部品は1個100円の小さなトランジスタが1個だけだったが、技術料と出張料をしっかりととられ、約1万円の支払いとなった。落雷は保証外だったからだ(落涙)。

 後日、カミサンが近所で取材してきたところによると、停電になった家だけでなく、ガスもとまってしまった家も多かったとか。いま都市ガスには、地震などがあったとき、自動的にガスを遮断するマイコン制御の装置がついているが、この装置にカミナリの電流がまわりこんで回路に影響を与え、ガスが遮断してしまったらしい。

 昔、ゲームセンターでは、電子ライターの電流でクレジットの数をごまかし、何度でもプレイするという裏技があって、メーカーもあわてて対策を施したことがある。

 この裏技にヒントを得て、『ゲームセンターあらし』という自作マンガでは、主人公が両手をこすり合わせて高圧摩擦電流を発生させ、ゲームマシンのマイコンを混乱させる「エレクトリックサンダー」という必殺技を登場させたことがある。いま、こんな必殺技を使ったら、その地域のガスまでストップすることになるのかもしれない。

 えっ、『ゲームセンターあらし』なんて知らないって? そんな人は11月末に書店にお出かけを。復刻版が文庫になって発売される予定ですので(笑)。


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すがやみつるのただいまアクセス中!

パソコン通信ニフティサーブの会員向け雑誌「OnlineTodayJapan(OLTJ)」「NIFTY-ServeMagazine」に,1991年から99年にかけて96回にわたって連載した『すがやみつるのただいまアクセス中」というエッセイの再録です。
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