第9章 『仮面ライダーストロンガー』と『ゴレンジャー』と『真田十勇士』

 1 『ゴレンジャー』のキャスティングにクビを突っ込む

 1975年になると、石森プロでは、また新しいテレビ番組がスタートします。
 半年で終わった『仮面ライダーアマゾン』に替わってスタートしたのは、第1期『仮面ライダー』シリーズ最後の作品となる『仮面ライダーストロンガー』です。
 いや、この表現は、少し違うかもしれません。というのも75年4月の番組改編を機に、第6章でも述べたTBS系列とNET(現テレビ朝日系列)の捻れていたネットワーク関係が、資本系列に合わせて修正されたからです。
『仮面ライダーアマゾン』までの『ライダー』シリーズは、大阪の毎日放送(MBS)制作で、東京ではNETが放送していましたが、つづく『仮面ライダーストロンガー』の東京での放映局はTBSになりました。放映時刻も土曜日の19時30分〜20時だったものが、19時00分〜19時30分に変更になりました。つまり、TBSにとって『ストロンガー』は、初めての『仮面ライダー』であったことになります。
 NETは『仮面ライダー』シリーズを放映していた時間枠に、新しい番組をスタートさせます。それが『秘密戦隊ゴレンジャー』でした。
 ぼくは、『ストロンガー』と『ゴレンジャー』のコミカライズも担当することになりました。そのうえに、『真田十勇士』(原作=柴田錬三郎、キャラクターデザイン=石ノ森章太郎)のコミカライズまで担当することになったのです。
 1月か2月くらいのことだったでしょうか。ぼくは石森プロの加藤マネージャーから、『真田十勇士』の打ち合わせをしたいから石ノ森先生の自宅に来るようにとの呼び出しを受けました。
 先生のお宅に着くと、2階の和室で石ノ森先生、加藤マネージャー、東映の平山プロデューサーが、新番組の企画書とキャラクターデザインのスケッチをテーブルの上にひろげて、打ち合わせをしていました。
 新番組は『秘密戦隊ゴレンジャー』。『キカイダー』『キカイダー01』『イナズマン』『イナズマンF』につづくダジャレ題名シリーズ(笑)の最新作です。『キカイダー』のときには爆笑したダジャレのタイトルも、この頃には、もう奇異とは思わなくなっていました。「小さい子どもにも理解でき、すぐに馴染んでもらえる題名」として、すっかり定着していたからです。
『ゴレンジャー』は、アカレンジャー、アオレンジャー、キレンジャー、ミドレンジャー、モモレンジャーと、色にちなんだ5人のヒーローが、チームで戦う物語です。団体ヒーローというのも、新しいコンセプトでした。マンガでは『サイボーグ009』や『アスガード7』という先行例はありましたが、テレビでは、やはり『ゴレンジャー』が先がけではないでしょうか。
 このとき石ノ森先生たちは、5人のヒーローのキャスティング——つまり配役を決めるための打ち合わせをしているところでした。
 キャラクターデザインの絵を脇から見ていたぼくは、ひとりのキャラクターに目を止めました。

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