第59回 CompuServeが、またまた変わる(1996年2月号)

●WinCIMが変わった!

 CompuServe専用GUI通信ソフトWinCIM 2.0がアップグレードされ、CompuServeとインターネットのWWWの間を自由に往復できるようになってしまった。何か資料を探してCompuServeで見つからないときは、ヒョイとWWWホームページの総目録みたいなYahoo!に飛び、そこから情報源を探すということも簡単にできてしまうのだ。こんなことをしていると、もはやCompuServeとインターネットの垣根はなくなってしまったような気にさえなってくる。

 また、CompuServeのなかにも、WWWのホームページやWindowsのヘルプファイルにも見えるようなページがふえている。WinCIMで文書を画面に表示させ、色が違う言葉をクリックすると、関連したメニューにジャンプしてくれるのだ。

 こんな機能のおかげで、汎用のテキストモードの通信ソフトでCompuServeにアクセスすることは、もはやなくなった。専用ソフトを使っていると、メニューの番号やコマンドを打ち込む必要もないため、せっかく覚えたコマンドもどんどん忘れるばかり。SYSOPをしている「コンピュサーブ&国際通信フォーラム(FCIS)」で、WTERMなどの汎用通信ソフトを使っている人からコマンドに関する質問があっても、すぐには思い出せず、自分で書いたComouServeの解説書を開く始末なのだ。

 それでいて、過去にさんざん使ったメッセージ読み出しなどのコマンドだけは、指が覚えていて、つい「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」という『君の名は』の名セリフを思い出すのである(注:ラジオの『君の名』は、筆者が生まれる前に放送されたものなのに、つい口をついて出てくるのはなぜだろう?)。

 コマンド知らずのGUI通信ソフトを使っていると、マウスで画面をクリックするだけで、あちこちカラフルなメニューにジャンプできる。この感覚は、赤外線リモコンのカラーテレビ……それも、多チャンネルのケーブルテレビでチャンネル・サーフィンするような感じ。チャンネルのダイヤルをガチャガチャ回していたモノクロテレビの時代が懐かしいね……というような時代にネットワーク通信の世界もなってきたらしい。

●フォーラムも変身〜ッ!

 ところでこのWinCIM 2.0は、暫定バージョンともいうもので、今年はじめに、まったく新しいコンセプトのもとで開発されたバージョン3.0が発表になるらしい。Mac用のMacCIMも同じ時期にバージョンアップされるはずだ。

 それに合わせてか、フォーラムのシステムも、従来のテキスト型のシステムから、CIMで使われているHMI(Host Micro Interface)手順のシステムに変更されることになった。NIFTY-Serveでも新しい専用通信ソフトのNIMが同じインターフェイスを採用しているが、CompuServeでは、テキスト方式のシステムを順次廃止し、HMI手順に統一していく予定。

 HMI手順を採用したフォーラムでは、CIM、NAVIGATORなどのHMI専用通信ソフトでないとアクセスできなくなる。CompuServeでも、テキストモードに親しんだ古くからのユーザーたちが不平をもらしているが、UNIX系、アミガ、アタリなどの専用通信ソフトのない機種のユーザが集まるフォーラムでは、当分、HMI手順への移行を見送るとのこと。

●CompuServeの会員は誰でもホームページを持てる

 CompuServeはインターネットとのリンクを強化しているが、こんどは会員全員がホームページを持てるようにしてしまった。Windowsのユーザーなら「HomePageWizard」というソフトをCompuServeからダウンロードして起動するだけ。画面に出てくる質問に答え、必要な画像ファイルなどを指定すると、自動的にホームページが作成され、CompuServeの会員用ホームページのエリアに登録してくれる。

 会員とフォーラム紹介のホームページを集めたCompuServeのWWWサーバーは「http://ourworld.compuserve.com」。世界中の会員のホームページを世界地図から、または、国別リストから、検索するできる。

 すでに400万人近い会員がいるのに、こんなサービスを基本料金内で展開するなんて、CompuServeは、なんという太っ腹。これも商用オンラインサービス同士の激しい競争のなかから生まれてきたものだろう。

 NIFTY-Serveも、今年はインターネットへのアクセスが可能になるというが、ぜひともCompuServeの太っ腹を見習ってほしいものだ。とはいえ、NIFTY-Serve NIM用にHMI手順のサポートを開始しているが、ワープロユーザーも多いNIFTYServeでは、CompuServeみたいなドラスチックなフォーラムのシステム変更は、ちょっとむずかしいのかもしれない。


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すがやみつるのただいまアクセス中!

パソコン通信ニフティサーブの会員向け雑誌「OnlineTodayJapan(OLTJ)」「NIFTY-ServeMagazine」に,1991年から99年にかけて96回にわたって連載した『すがやみつるのただいまアクセス中」というエッセイの再録です。
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