見出し画像

お盆と正月は母の日

うちの家族が全員集合するのは、お盆と正月だけ。
兄が地元を離れて教師をしているから。

「親に会うのが年に2回ということは、残りの回数はうんぬんかんぬん」みたいな話に当てはまる。

地方出身の方だと伝わるかもしれないけど、上の世代ってお盆と正月へのモチベーションが高すぎると思いません…?
ずっと不思議だったの、大事なのはわかるんだけどさ。


今年もお盆がやってきた。兄が帰ってくるからと母が張り切っている。
家の中をピカピカにして、大量の食材の買い出し。

「前から思ってたんだけど、お盆と正月くらいダラダラしたら?」
酒に酔った勢いで母に話しかけた。なんとなくだけど、お盆と正月は午前中から飲酒しても許される気がする。

「そう言ってもらえるのはありがたいけど、わたしがあんたらにお母さん出来るの、お盆と正月だけやけんねぇ」

ああ、そうか。当たり前のことになんで気づかなかったんだろう。
僕らが親孝行を出来る回数が決まっているのと同じように、母が"お母さん"を出来る回数も決まっているんだ。

「高校生の頃と同じ量でごはん作られても困るんだけどな」の謎が解けた。

僕がやるべきなのは、楽をしてもらうことよりも、美味しくごはんをたくさん食べることなんじゃないか?

散歩をして、サウナに行って、コンディションを整えてから夕食に挑んだ。
久々にめちゃくちゃ食べた。おかわりもイケるだけした。

母は嬉しそうだった。僕も嬉しかった。

成人男性が母親の話をすると、なんとなくマザコン感が出る。

母になんでも相談したり、言われたことしかやらないんてことは無い。
ケンカもするし、話したくない日もある。LINEを無視することだって。

それでもやっぱり、母がやりたいとか楽しいとか、望むことは全部叶えてあげたいと思う。

こんなことを書くと、来年あたり「温泉でゆっくりしたい」とか言われそうだどうしよう。星野リゾートに行ってみたいって言ってたしなぁ。

その時は旅費を兄に甘えよう。末っ子の特権てことで許してもらおう。

サポートしてもらえると、発泡酒ではなくビールが飲めます。