オタクの必需品

 私の生きがいはオタク活動である。アニメやマンガにハマればイベントに行き、同人誌を買い漁り、コスプレもした。その後ヴィジュアル系バンド、声優、俳優と、対象は変われどその時の推しを全力で追いかけた。そしてそんな私と行動を共にしていた道具がある。キャリーバッグだ。
 大学生の頃、友人と冬コミ参戦の約束をしていた。3日間全部に参加して買い物をし、近隣会場で開催されているコスプレイベントにも3日とも参加しようという魂胆だった。大荷物が予想されたので、私は初めてキャリーを買った。お金が無かったので近所の雑貨屋で買った安物だ。そこにコスプレ衣装などを詰め込み家を出た。会場近くの友人宅に泊まり込み、夢のような3日間を送った。私の手元には50冊近い同人誌と新しい衣装、小道具が増えていた。来た時の2倍以上の荷物になった私を見て友人は「海外帰りみたいだね」と笑った。幸せな重みだった。
 それから月日は経ち、ジャンルが変わっても様々なオタク活動にキャリーは活躍した。推しの俳優の公演を全部見たいがために名古屋と大阪に何度も遠征した際も一緒だった。夜行バスをよく使っていたので交通安全のお守りを付け、推しのグッズの缶バッジを大量に付けて痛バッグ仕様にしたこともあった。初めて買ったキャリーは10年経った今も現役である。
 そして先日、私は初めて同人誌即売会にサークル参加した。当初搬入の荷物があるのでキャリーで行こうとしていたのだが、意外と荷物が少なかったので、気の迷いを起こして手提げで荷物をまとめた。これが大失敗だった。戦利品を大量ゲットしたため荷物が来た時の2倍ほどになり、かなりの重量を手で持ち帰ることになった。紙ってめっちゃ重い。キャリーで来なかった自分を心底恨んだ。やっぱりオタク活動にキャリーは必需品だ。行きには気合いを、帰りには思い出をパンパンに詰め込んで、また一緒に色んなところに行きたい。

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第1回100人共著プロジェクト
「100人で書いた本~道具篇~ (キャプロア出版)」より
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